(1)ナイトドクターの登場人物のセリフ

 

 フジテレビ月9のナイトドクターを見ていたら、登場人物の一人(高岡医師)が、「女医の30%の法則」として、「女医の30%は未婚、30%は結婚するが、30%は離婚する」というような内容のことを言っていました。

 

 「そんなことはないだろう」と思いつつも、少し調べてみました。

 

(2)女医の3分の1の法則

 

 「女医の30%ルール」は調べても出てきませんでしたが、「女医の3分の1の法則」という言葉はGoogleの検索で何件かヒットしました。以下のサイトが最もわかりやすくかったです。

 

 

 ゆずさんの記事によると

 

 『女医は、全体の1/3が生涯独身、1/3が結婚していて、1/3が離婚している』というのが女医の3分の1の法則の内容です。

 

 彼女が検証した結果によると、『女医の1/3の法則』の情報は、総務省統計局が発表した『就業構造基本調査』という統計データベースが基になっているみたいです。2012年のデータによると女医の未婚率は32.5%。まさに女医の1/3は「統計において」未婚状態であるとの結果が出ました。ちなみに、働く女性全体の未婚率は28.9%ですので、未婚率だけを比べれば女医(32.5%)と平均的な女性(28.9%)には大きな差はないようです。

 

 生涯未婚率(50歳における未婚率)を内閣府男女共同参画局の定める算出方法で計算してみた結果、女医の生涯未婚率は19.3%になりました。

 

つまり、女医の生涯未婚率は1/3ではなく、1/5であることが分かりました。

 

女性の平均生涯未婚率は10.6なので、女医の場合は2倍近い数値となっています。

 

(3)女医さんの未婚率が高い理由

 

 女医さんの未婚率が高い理由はいくつかの理由が複合的に重なった結果だと考えられます。

 

①医師の仕事自体が時間的にも拘束されるし、日々の勉強が必要なので時間的・精神的な余裕がない。

②共働きでも女性が家事の多くの部分を分担する現実が今の日本社会にはある。

③日本の文化として、男性配偶者の収入が女性配偶者の収入よりも多い方が好ましいとする考え方がある。そのような考え方の下では高収入の女性医師は結婚相手をみつけにくい。

④女性医師は男性医師を結婚相手に望むことが多い。

⑤男性医師は家事を分担するよりは、家事をパートナーにできるだけ負担してもらいたいと考える。

⑥女性医師は家事をパートナーとできるだけ分担したいと考えている。

 

 医師の仕事自体が家事をする時間的・精神的な余裕がないことが大きな要因だと思います。現在の日本社会では家事の多くの部分を女性が担うことが多いので、女医さんは結婚するよりは独身で仕事により多くの時間と力をかけることを望む女性が多いのだと思います。

 

 また、日本では③のように男性の稼ぎの方が多いことが自然だと考える文化があるので、引け目を感じた男性が女医さんにアプローチしない傾向もあるかもしれません。更に女医さん自身が男性医師をパートナーに求める傾向があり、そこに家事に対する男性医師と女医さんの考え方の違いが重なり、女医さんの独身率が高まるのだと思います。

 

(4)対策

 

 対策としては以下のような方法が考えられると思います。

①医師の労働環境を改善する

②男性側の意識を変える

③女医さん自身が、意識を変える

 

 ただし、医師の労働環境を改善するためには医師の数を増やさなければならないでしょうし、「できるだけ勉強しなければならない。そうしないと助かる命も助けられなくなってしまう」という医師の仕事の性質からは限界があると思います。

 

 男性側の意識を変えることはなかなか難しいように思います。高収入男性は仕事に全力投球をして、家事の分担は女性にお願いしたいのが本音だと思います。ただし、このことは時間をかけてでも変えていかなければならない課題だと思います。(娘を持つ父親としては自分のことは棚に上げてそう思います)

 

 女医さん側も、配偶者は医師にこだわらず、より家事の分担をしてくれそうな他の職業の男性を選ぶことを考慮したらどうでしょうか?