小学校の時、クラス対抗のドッジボール大会があった。

 

 

僕は当時、野球でエースで4番。

 

 

毎日練習してたから、肩には自信があった。

 

大会が始まって、僕は本気でボールを投げた。

 

 

バシッ。相手が吹っ飛んだ。また投げる。バシッ。また当たる。誰も僕のボールを取れない。

 

避けられない。次々に相手を倒していく。気づいたら、僕一人で相手チーム全滅させてた。

 

圧勝。優勝した。僕は嬉しかった。「やった!」って思った。

 

でも、周りを見たら、みんな引いてた。クラスメイトの顔が怖かった。

 

「お前、やりすぎだよ…」って言われた。相手チームの子は泣いてた。

 

僕のボールが強すぎて、痛かったらしい。先生にも「もう少し手加減しなさい」って注意された。

僕はただ、勝ちたかっただけなのに。

 

 

あの日から、僕は自分の力をセーブするようになった。

 

本気を出したらダメなんだ。周りに合わせないといけないんだ。

 

浮いたらダメなんだ。ドッジボールでも、わざと弱く投げるようになった。

 

野球では本気だったけど、学校では力を隠した。

 

運動会のリレーも、わざと少し遅く走った。目立ったらダメ。

 

本気出したら引かれる。空気を読まないといけない。でも、それがすごく辛かった。

 

本当の自分を出せない。常に周りの顔色を伺ってる。

 

 

「これ言ったら引かれるかな」「これやったら浮くかな」。

 

いつも考えてた。ADHDは衝動性が強いから、本気を出すと周りとズレる。

でも抑えると、自分が死んでいく。どっちにしても苦しかった。

 

 

大人になって気づいた。

 

 

あの時の僕は、何も悪くなかった。ただ本気で頑張っただけだ。

 

でも社会は「空気を読め」「周りに合わせろ」って求めてくる。

 

 

ADHDの僕には、それが一番難しかった。ずっと自分を抑えて生きてきた。

 

 

本気を出さないように。目立たないように。浮かないように。

 

でも、それで幸せだったか?違う。苦しかった。今は少しずつ、本当の自分を出せるようになってきた。

 

全員に好かれなくていい。合わない人とは距離を取ればいい。

 

本気を出して引く人は、そもそも合わない人だ。

 

 

もし今、自分を抑えて苦しんでる人がいたら伝えたい。

 

 

本気出していいんだよ。あなたの力は、欠点じゃない。武器だ。

 

使う場所を選べばいい。抑えなくていい。そのままでいい。