泥水戦の前の日、町の人々は貧富の差に不満を抱いていた。とくに、農民は、その年に、安定した収入をえられず、自分の食べ物さえも底をつきそうになっていた。
どうしたものかと、ヤマトの王子が困り果てていると、1人の家臣、獅子丸(シシマル)が口を開いた。
「ここに、『金獅子の毛束』があります。これを民に『金』と偽り町民が飲んでいる酒、泥酒(保存した残り野菜や果物が腐り、発酵。たまたま、酒になった飲み物)を買い取るのです」というと、ヤマトの王子もその意見に賛成した。
麗戦の前の日、町民は金獅子の毛が金でないことを知り、反感をかっていた。それに加え流行り病(今でいう梅毒)が発生。ヤマトの王子は困り果てていた。
そこでまた、獅子丸が言った。
「町民が手にした獅子の毛を薬として飲めば、たちまち治ると噂を流すのです。私どもが調べたところ、その病人は治った。と、あります。どうですか?」
というので、ヤマトの王子は仕方なく、その意見にのった。
すると、どうでしょう。すぐには効果が出ないものの、治ったものもあらわれ、町は一時的に平和を取り戻していった。
しかし、それとは裏腹に暗躍していく、ひとつの陰謀がヤマトの民を巻き込み、渦巻いていく。それはまだ、全員がしるよしもなかった。
小粒は麗を倒したあと、報告するためにヤマトの王子に会いに行った。
「ようやってくれた、小粒。そなたの父、鬼七は、まことに残念であった。疲れておるだろう。ゆっくり休むがよい」
小粒は、太陰太極図になった瓊(たま)を渡した。
「これが、麗からだと?わかった。預かっておこう。金獅子の件は後で良い。今は忘れることじゃ…」
ひとときの夢
小粒はその晩、夢を見た。広い草原に、川が流れ、蛍のように、いくつもの小さな光が飛ぶ幻想的な景色だった。そこには、父。鬼七の姿があり、見覚えのない女の人の方へと歩いていく。
「待ってください、父上」
小粒は叫んだ。
「小粒よ。お前は来てはならん」
父が言った。
「小粒よ。敵はもう近くにいる。城の床下を見ろ。桜の木の切り株がある。そこに次の敵、金獅子がいるのだ」
「父上。オラ1人では無理です」
「小粒よ。お前しか居らぬのだ。父は母の元へ先にいく。あとは、頼んだぞ。小粒」
「父上」
そう言った瞬間、夢から覚めてしまった。
つづく
お疲れ様です。
バレンタイン、やっぱり「0」でした。チョコレートは、自分で買ったチョコバットACE、毎日のように食べてます。
お返しがなくてよいのですが…
天気の悪い日が続きますね。もうすぐ春だというのに、いまひとつ、パッとしません。
懸賞を秘か(ひそか)にやってるんですが、なかなか、当たりません😵
春らしい何かに期待します。
でわ、また