龍殺し~麗編~総集編・決着 | 頭の中は混雑中

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頭の中で浮かんでくる妄想を小説、ブログ、歌、その他もろもろを書いていきます。良かったら読んでください。

「よく斬れる刀だねぇ。これならどうだい?」

「もう、やめて。小粒お兄ちゃん」

マホロの声で小粒に囁く。小粒の動きが止まった。その隙に、梅の枝が小粒に襲いかかる。急所は外れたものの、梅の木が鬼刃打に絡まりついた。絡まった梅の枝をとっていると、麗の本体らしき女の顔が浮かび上がった。それは、小粒にもわかるくらい綺麗な顔立ちで、マホロの身長くらいの大きさだ。

「お兄ちゃん。私のことはいいから、ここから逃げて…」
マホロがそういうと、完全に梅の木へ取り込まれていった。

「マホロさん」
小粒は枝の絡まりを解ききり、鬼刃打で立ち向かった。

「これなら、どうだい?」
麗は何本も枝を束にし、さらにそれを圧縮させ、鋭く尖らせたものにし、それを小粒へ向けた。小粒は鬼刃打でうけた。麗が放ったそれも折れたが、鬼刃打も音をたて、折れてしまった。

「鬼刃打」

「これで終いだよ」
麗は同じものを作り、小粒へ放った。
その時、一筋の光が小粒の前へ舞い降りた。


「(何をしている?小粒よ。)剣を取り舞い踊るのだ」

「父上?でも、剣はどこに?」

「(梅の木の根本に埋まっているではないか…)」

「『草薙』ですね。わかりました」

麗の放った塊が光と交わり砕けた。
その一瞬で小粒は草薙のもとへ滑り込んだ。そして、草薙を引き抜き、手にした。そして、小粒は『神降ろしの舞』を踊った。

「お前も、その舞いを踊れるのかい。でも、毒を失った『その剣』で、はたして、わらわはきれるのかのう」

(剣をふるたびに腕がちぎれそうだ。足もうまく運べない)

「おや?なんか踊りが不恰好だよ。なんだ、踊れやしないのかい?」

その時、小粒に鬼七の声が聞こえた。

「自然に身をゆだね、全てを神に捧げるのだ」

「父上。これ以上、踊れません」

「限界を決めるな。小粒よ。剣は風を斬り、火を斬り、大地を斬る。その全てを神への糧(かて)とするのだ。」

小粒は全身全霊、剣の動きに合わせた。
「そうだ。そして、足元は大地をけり、無心に踊れ。精神も神に捧げるのだ」
小粒は言われるがまま身をゆだねた。


すると、小粒の『舞い』は、ぐんぐんと加速していく。

「これは、やばいねぇ」
麗は危険を察知し、鋭い梅の枝で、小粒を襲った。
それに合わせるかのように『剣』は枝を砕いた。そして、『草薙の剣』が光りだした。

「父上。呼吸がもちません」

「刹那、その一瞬の最高潮で、宙に舞え、小粒よ」

「はい、父上」
それと同時に剣を振りおろした。風が斬れ、大地が割け、マホロと麗に亀裂が入った。

「こんなガキにやられるとは…」

麗の体は、泥水と同じく花火のように砕け散り、大きな光りの塊は太陰太極図になった瓊(たま)へと飛んで行った。小粒は麗の本体にあったそれを持ち、王子に報告しに行った。

麗編・完


金獅子編へ

つづく


おはようございます。大谷選手の話題が良いですね。日本選手が活躍してくれると、嬉しく思います。

「龍殺し~麗編~」1年間近くかかっちゃいました。まぁ、マイペースで続けて行くので、金獅子も1年くらいかかっちゃうのかな?

まぁ、ちょっとした息抜きで読んでくだされば、ありがたいです。

1月も、もうすぐ終わりです。被災地は激闘の1ヶ月だったと思います。周りの人も備えだけはしてください。自分を守るのは、最後は自分だけだということを忘れないで。でも、支援の輪は広げて行きましょう。大きなことは出来ないかも知れませんが、小さな積み重ねで多くの人を助けられるかも知れません。そういったことが大事だと思います。


でわ、また