タタタ
イクトに迫るクロガネ
イクト『…！！』
ボガアアアン！！！
イクトは自身の体から爆発エネルギーを放ったのだ。
周囲には煙が広がり…
クロガネ『ちっ…くだらない事を』
そして、イクトは…
イクト(エネルギーを最小限に抑えたから、自分も大したダメージを受けずに済んだ。それより…)
イクト『ハルくん！！』
ドラグーン・ハルト『ゴ…主人………様…』
イクト『ハルくん、しっかりして！友達になったばかりなのに、こんな形で別れるなんて嫌だよ…？』
ドラグーン・ハルト『・・・』
イクト『…！』
カァァァァ…！！
イクトは回復呪文を唱えるも…
タタタ
イクト『はっ…』
クロガネがイクト達の前に…
クロガネ『俺が怯んでる隙に逃げれば良かったものを』
イクト『うるさい！友達を放って逃げれる訳ないだろ！』
クロガネ『だが、回復呪文が通るのは生命体のみ。非生命体のロボを回復できるわけないだろ？』
クロガネ『このドラゴンの兵器は破損した。修理にでも出さない限り、直りはしないよ』
クロガネ『もっとも、そいつも叶わないがな…！』
ブワッ！！
イクト『よくもハルくんを…！』
ブワッ！！
イクトもエネルギーを溜め始め…
イクト『僕のありったけのパワー…ぶつけてやる！！』
イクト『ディストローア！！』
クロガネ『シャイニングクルス…！！』
カァァァァァ！！！
ジュウゥゥゥ・・・
イクト『な、なに！？』
ディストローアはシャイニングクルスによって、打ち消されていった。
イクト『そ、そんな…』
ズドオォォォン！！！
イクト『うわあああ』
シャイニングクルスは、そのままイクトを飲み込んでいった。
シュウゥゥゥ・・・
イクト『く、くそ…』
ドサッ！
イクトは地面に倒れた。
イクト(僕とした事が情けないな…。強い敵1人倒す事ができないのか…)
イクト(ごめん…ミオル。すみません、皆さん…)
ピ…ピピピ…ピピピーーー！！！
イクト『ん…？』
クロガネ『何だ？』
ドラグーン・ハルト『ビビ…ビビビ』
イクト『ハルくん…無事だったんだね』
ドラグーン・ハルト『ビビビビビ！！！』
ビューーーン！ビューーーン！ビューーーーン！
イクト『え！？』
ドラグーン・ハルトは周囲を縦横無尽に動き出した。
イクト『ハルくん、何か様子がおかしい！？』
クロガネ『ハハハ、機械なだけにバグったか(笑)』
イクト『ハルくん、落ち着くんだ』
ドラグーン・ハルト『ビビビビビビーーー！！！』
ドラグーン・ハルトはイクトの声をよそに、好き放題動き回っていた。
イクト『あわわ…どうしよう(汗)』
クロガネ『うるさいハエだ。叩き斬ってやる！！』
クロガネが剣を構えた時だった。
ドラグーン・ハルト『トランスフォーム！！』
ビューーーン！！！
イクト『ちょ…えええええ』
ドラグーン・ハルトはイクトの方に突撃してきたのだ。
クロガネ『仲間割れか…。まっ、余計な手間は省けそうだ』
イクト『や、やられるーーー(汗)』
ドガアアアン！！！
ドラグーン・ハルトはイクトにぶつかり、周囲で爆発が起きた。
シュウゥゥゥ・・・
クロガネ『さて、次の敵を倒しにいくか』
クロガネがその場から去ろうとした時だった。
ゴゴゴ…！！！
クロガネ『ん…？』
ゴゴゴオォォォ！！！
クロガネ(何だこの強大な気は！？)
トコトコ…
イクト『…』
クロガネ『なっ…バカな！？』
煙の先から姿を現したのはイクトだった。
さらに…
クロガネ『何だその格好は？』
イクト『それが僕にも…よく分からなくて』
イクトは全身に龍の模様が入ったローブを纏っており、頭にはドラグーン・ハルトの頭を彷彿させるヘルメットをかぶっていた。
イクト(あの時…ハルくんがぶつかって。まさか！？)
ドラグーン・ハルト"ゴ主人様"
イクト(今、ハルくんの声が…)
イクト『もしや、僕はハルくんと合体を！？』
イクト(そういえば、ハルくんとぶつかった時も全く痛くなかった…。でも、何でこんな事が？)
イクト『…はっ！』
何かを思い出したイクト
イクト(元々、ハルくんは凶暴だったけど、僕の魔法攻撃をくらった事で、プログラミングが書き換わり、大人しくなったんだよな)
イクト(となるとだ。僕の仮説が正しければ…さっき回復呪文の際に魔力を流し込んだ事で再びプログラミングが書き換わった。そして、前のように性格が変わっただけではなく、合体機能も手にした！)
イクト(凄い…これが惑星ラーンの技術…！)
クロガネ『だいぶ気が上がったようだけど…。どれ、お手並み拝見！』
ヒュッ！
クロガネ『ハァ！！』
ズバババババ！！！
イクト『風雷神！！』
バリバリ…バァァァァン！！！
イクトの一撃はクロガネの放った斬撃を打ち消した。
そして…
ズドオォォォン！！！
クロガネ『ぐおぉぉぉ』
イクト『よし！』
ついに、クロガネにダメージを与える事に成功した。
ヒュッ…スタッ
クロガネ『今の一撃をくらって分かったよ。今の状態のまま…君とやり合うのは失礼だって事がね』
イクト『その言い方…まだ隠している力があるようだね』
クロガネ『その通り…！』
ブワッ…ズゴゴゴゴゴ！！！
クロガネの体に魂の模様が浮かび上がると…
クロガネ『フロンティアソウル！！』
ゴゴゴオォォォ！！！
イクト『な、なに！？』
クロガネもフロンティアブレーンの一角…当然フロンティアソウルを使う事は可能だ。
クロガネ『シャイニングクルス…！！』
イクト『ウォールドバースト！！』
ズドオォォォン！！！
イクト『ぐあ』
勝ったのはクロガネの一撃だ。
クロガネ『こんなものではないよ！』
カァァァァァ！！
ドドドドオォーーーン！！！
イクト『う…うおおおおお』
光のエネルギーがイクトを容赦なく襲った。
イクト(くそ…せっかくパワーアップしたのに、結局やられるのかよ…)
ドラグーン・ハルト"ゴ主人様"
イクト『ハルくん…？』
ドラグーン・ハルト"私トゴ主人様ハ今、合体シテイマス"
イクト『やっぱりそうだよね。ハルくん、君は天才だよ』
ドラグーン・ハルト"オホメノ言葉アリガトウゴザイマス"
ドラグーン・ハルト"ゴ主人様…合体シテ、マダツカッテイナイチカラガノコッテイマス"
イクト『力…？』
ドラグーン・ハルト"ツヨク念ジテ…気ヲ放出シテクダサイ"
イクト『分かった…！』
イクト(僕は彼に勝たなければならない…。ハルくん…僕に力を貸してくれ…！)
イクトがそう念じて、気を放出すると…
ゴゴゴオォォォ…！！
イクト『！？』
クロガネ『あ、あの気は！？』
イクト『何で僕が…？』
クロガネ『君…さては龍神族の者か？』
そう…イクトが放っていたのは龍神気だった。
イクト『いや、僕は龍神族ではない』
ドラグーン・ハルト"ご主人様…コレガ我々ノキリフダデス"
イクト『そ、そうか！ハルくんは龍神気を扱える兵器…僕と合体した事で、僕も龍神気が発動できるようになったんだ！』
クロガネ『何を独り言を言っている？』
イクト『大きい独り言で悪かったね。でも、この力があれば…！』
ゴゴゴゴゴ！！！
イクトは龍神気を解放し…
イクト『あなたに勝てる自信がある…！』
クロガネ『そう来なくっちゃな！！』
イクト(ミオル…これでもう君より下だなんて言わせないよ！)
ヒュッ
お互い前に出ると
クロガネ『ウォールドバースト！！』
イクト『同じくウォールドバースト！！』
ズドオォォォン！！！
イクト『相討ちか…』
イクト(ここまで力を手にしても、なお彼を越すには至らない。彼の力がいかに凄いかが分かる)
イクト『だけど勝つ…！』
クロガネ『そういえば、君がさっき使った魔法なんだけどね』
ブワッ！！！
クロガネは3つの属性の魔力を集結させた。
イクト『まさか！？』
クロガネ『ディストローア！！』
クロガネは剣の先っぽから、ディストローアを放ってきた。
イクト(彼もあの技を使えたとは)
イクト『上等だ！魔法使いとして、このバトル…受けて立つ！！』
ブワッ！！
イクト『ディストローア！！』
ズドドドドド！！！
両者の最強の魔法がぶつかり合った。
イクト『魔法の撃ち合いなら絶対に負けない！』
クロガネ『フッ』
イクト(ん…今、一瞬笑ったような？)
クロガネ『誰がいつ魔法の撃ち合いと言ったかな？』
すると…
ヒューーーン！！
クロガネは剣を構えたまま、ディストローアに突っ込んでいった。
イクト『え、自ら技に…』
カァァァァ！！！
イクト『いや、違う！』
クロガネ『俺はディストローアと斬撃を合体させる事ができる！その名もディストブレイク！！』
ディストブレイクはラロザとの戦いでも使用したクロガネ最強の技である。
イクト『ディストローアを上回るだなんて…』
ズガガガガガ…
イクトのディストローアは削られていき…
イクト(あんなのくらったら今度こそお陀仏だぞ…)
ドラグーン・ハルト"ゴ主人様"
イクト『ハルくん…』
イクト『フッ…そうだ。僕にはハルくんがいる！』
クロガネ(この勝負…もらった！)
イクト『ハアアアアア！！！』
ブワッ！！
イクトはディストローアに龍神気を混ぜ合わせた。
クロガネ『こ、これは！？』
イクト『自分だけディストローアの派生技が使えると思ったら、大間違いだよ！』
クロガネ『ぬ…進まん』
イクト『いくぞ！ドラグーン・ディストローア！！！』
バチバチ…！！！
両者の技は再びイーブンの状態に戻った。
イクト『僕とハルくんは絶対に勝つ！！』
クロガネ『俺だって負けるわけにはいかない…！』
イクト＆クロガネ『うおおおおおお！！！』
バチバチ…ドガアアアン！！！！！
フィールド一帯は激しい爆発に襲われた。
・ ・ ・ ・ ・
イクト『は…はあ…はあ』
クロガネ『うぐぐ…』
両者傷を抑えながら…
ドサッ
イクト＆クロガネ『…』
地面に倒れた。
そして…
シュウゥゥゥ・・・
ドラグーン・ハルトも大破していた。
この勝負…引き分けだ。
しかし、クロガネの脅威を止める事ができたのは大きい！
何よりイクトはこの戦いを通じてかなりパワーアップできたため、一番の収穫と言えよう。今の彼なら十三神の戦士とも肩を並べられるはずだ！
TO BE CONTINUED