小澤綾子さんの著書「10年前の君へ」舞台化 | 艶(あで)やかに派手やかに

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筋ジストロフィーと闘う歌手、小澤綾子さんの著書、「10年前の君へ」。

 

 

この短い本が、なんと舞台化されました。

舞台化したのは、「風の市プロデュース」という、聴覚障害者の表現の芸術性を高める活動をしている団体。この団体の上演する劇では、台詞に手話通訳がついています。

会場は中野区の野方区民ホール。


舞台版「10年前の君へ」は、朗読とパフォーマンスと綾子さんの歌による30分ほどの構成。

綾子さんの持病である筋ジストロフィーにより、筋肉が毎日少しずつなくなっていき、だんだん歩けなくなる…という様子を、操り人形を使って伝える役者。

より一層響くようになった綾子さんの歌。

 

この日、綾子さんが披露したのは2曲。

綾子さんの友達で、綾子さんと同じ病で亡くなった人が作ったという曲「嬉し涙が止まらない」。綾子さんが出会った頃、その方はすでに寝たきりで、指先一本でPCを使っていました。けれど「忙しすぎて秘書がほしいよ!」というほど、幸せで前向きな方でした。その友達から託された歌でした。

もう1曲は、綾子さんの作詞による「希望の虹」。虹は7色。それぞれの色が違っているから美しい。病気がわかったことで、他の人と同じようにできなくなることで苦しんでいたけれど、今では「違いを楽しもう」と伝えたい。綾子さんはそう語ります。

 

この日は「10年前の君へ」と、もうひとつ「ゆびのほとけ」という手話コメディ芝居が上演されました。

「亡くなったのは聞こえない人なんだから、お経を手話であげて!」という登場人物の台詞がなんとも。