源氏物語を読んだことはないのだが、10年ほど前にテレビで源氏物語を取り上げていたので見た。

放送内容によると、源氏物語の主人公である光源氏は天皇と桐壷更衣の子であるが、桐壷が亡くなったので将来天皇になることはなくなった。その後、彼は父である天皇の后(藤壷)と密通してしまい、子ができるが、それは天皇の子ということにしてしまう。

 

この物語にはモデルがあって、当時の一条天皇には定子という皇后がいて子どもがいた。しかし、定子の後ろ楯である父(関白 藤原道隆)がなくなり、定子も亡くなったので、その子(敦康親王)は天皇になれない身分だった。当時、天皇になるには妻の実家の支援が必要だったからである。

光源氏はそういった気楽な身分になって女性遍歴を繰り返すのが源氏物語だが、設定自体がスキャンダラスで話題になったことは間違いない。しかし、こういった物語の流布が許されたことに不思議を感じる。

 

紫式部が源氏物語を書けたのは、藤原道長というスポンサーがいたからである。その頃、道長は娘(彰子)を一条天皇の中宮にしていた。当初、天皇は定子の方ばかり愛していたが、定子は死んでしまう。それでも天皇の寵愛は幼い彰子に向かわなかった。

それに対抗するため道長は紫式部を彰子に付けて天皇を引き付ける物語を書かせる戦略をとった。その結果が源氏物語だった。

一条天皇は源氏物語の読者になり、続きを読みたくなるように、源氏物語は連続小説として次々と話が展開していく。それが彰子のもとへ通わせることになって、皇子ができた。この皇子が天皇になることで道長は全盛を極めることになる。

 

ここで疑問なのは光源氏のモデルが、競争相手の定子の子であったことだ。そういった疑問を持っていたが、

1/6 NHK BS 英雄たちの選択スペシャルを見て、疑問が解けた。

スペシャル 紫式部 千年の孤独 〜源氏物語の真実〜 - 英雄たちの選択 - NHK

 

源氏物語の想定読者は一条天皇だった。

源氏物語の天皇・桐壺帝は桐壺更衣を愛していたが、なくなってしまう。

定子をなくした一条天皇と同じで、一条天皇の悲しみを共有した物語になっている。

その続きを読むため、一条天皇は彰子のもとを訪れるようになり、子どもができて道長の思惑は達成された。

 

それにしても光源氏が天皇の后と密通する話になっており、一条天皇は平気だったのだろうかと思ったが、光源氏は愛する定子との間にできた自分の子どもに相当するので楽しめたのだろう。

大河ドラマではどのように描かれるのだろうか?