漢を興した劉邦の小説(by宮城谷昌光)を読んでいる。劉邦には子供をもうけた女性がいたが、別の女性を正妻に迎えている。同様の例として、佐久間象山は子供のいる妾が二人いたが、正妻を後で迎えている。

通常、妾と聞くと、正妻がいるのに夫が浮気して作るものと思ってしまうが、上の例は順番が逆になっている。
劉邦の小説ではこの辺の事情を、正式な結婚は家と家が結び付くので、親族の承認が必要になるからだ、と説明している。

親族の承認が得られないのは、おそらく身分の違いによる。昔は身分制度が厳しく、本人は正妻に迎えたくても、身分が違うと周りの反対にあったと思われる。家格の釣り合いが問題になるからだ。結果、妾という身分で養う事になり、身分差がそのまま差別に繋がる。

妾が登場する昔の物語を見るとき、妾の背景を知ってくことが必要だろう。正妻が跡取りを産めないので、妾をとって産ませる場合も多い。
明治になってから、元勲と言われる人達が芸者上がりの女性を妻にしているが、江戸時代なら妾だろう。自分達が進めた身分制度の撤廃とうまく呼応している。

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