歴史散歩の会で四谷三丁目にある消防博物館へ行った。予約してあったので館内で説明を聞くことが出来た。消防の歴史的な展示があり、江戸時代の火消しの展示もあって、その説明の中で以下のような言葉表現の由来の解説があった。
 
1.トンビに油揚げをさらわれた
江戸時代の火消しは火を消すというより火事が広がらないように周りの家を壊していった。火消には大名火消し、本火消し、町火消しがあり、町火消しには家を建てる鳶職人が壊し方もよく知っているので多く兼務していた。火事が発生すると何日も続くことが多く、彼らは稲荷ずしを持って行って食べながら火が広がらないように家を壊していた。その為、火事があると稲荷ずしのための油揚げが品不足になったので、鳶に油揚げをさらわれたと言われた。
 
2.たたきおこす
本火消しは常時勤務であったが、寝るときは十人くらいで同じ木を枕にして寝ていた。夜に火事があった時に一人一人起こしては時間がかかるので、木を一か所叩くことで起こすことが出来た。これが叩き起こすと言われる語源となった。
 
3.かけつけ三杯
今では遅れてきた人に飲ませるのに使われるが、本来は火事があった時に駆けつけてくれた人に家財を運び出す前に飲ませたことを言った。
火事になった家ではなく、これから延焼する可能性のある家へ家財を運び出すために駆け付けた人に酒を振る舞ったようだ。
 
4.箪笥の数え方
火事の時に大事なものを入れた箪笥を持ち出すのに竿を使って運んだ(火事でなくとも運ぶ時は竿を使ったのでしょうが)。当時の箪笥には運び出しやすいように竿を通す金具が付いていた。それで箪笥は一竿、二竿と数える。
 
5.半鐘泥棒
今ではあまり使わない表現だが、背が高い人をからかう表現。半鐘は高いとことにあり、それが取れるほど背が高いという大げさな言い方だ。
 
消防博物館は昔からの消防自動車や消防ヘリコプターの展示もあり、子供がたくさんきていて、子供が楽しめるようなものが用意されている。
写真は入口にあるオブジェ。
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