関西学院大学はカンセイガクインダイガクと読むが、なぜカンサイ・・・ではないのか。これには漢字が日本に伝わった歴史と宗教上の理由がある。
 漢字には音読みと訓読みがあり、音読みは中国から伝わった読み方であるが、それには漢音と呉音がある。例えば、正の文字は正月ではショウと呉音であるが、正義ではセイと漢音である。漢音は中国の中心地である黄河を中心とした文化圏の発音から来ている。一方、呉音は長江下流域である南方の発音から来ている。
 漢字は当初、主として仏教の経典を読むために伝わった。仏教は飛鳥時代に蘇我氏が物部氏との争いに勝って、国家の宗教として導入された。そのころ、中国は隋が中国を統一する前であったが、仏教は長江下流域(三国志の魏呉蜀でもそうだが、呉と呼ばれていた)から朝鮮半島へ渡り、それが日本に伝えられた。そのため、漢字は呉の発音で読まれた。その後、遣唐使などで漢音も入ってきたが、仏教用語は呉音が用いられた。金堂、金色などは仏教とともに来たので呉音である。また、東西南北や暦は古くから伝わってきたので、正月は呉音であるが、正義といった概念は後に伝わったので漢音である。
  こうした歴史があって呉音は仏教人の読み方であって、「坊さん読み」とも言われた。ところが関西学院大学はキリスト教系の大学であるので、関西を呉音であるカンサイとは読ませず、漢音であるカンセイと読ませることにした。
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