レゲエ全然わからないけど、どんな音楽かなんとなくでもわかるかな~と暢気に観に行ったら、全然暢気な映画じゃなかった。ボブ・マーリーのこと、何も知らなかったな……。

 生立ちもハードだし、音楽家としての活動時期もすごくハードな時代。ジャマイカでは政治的対立が深まり内戦目前といった情勢。平和のためのコンサートを開こうとしたら襲撃を受け、銃で撃たれたり……。それでも舞台に立ち、その後ロンドンに拠点を移すも、対立の深まる祖国ジャマイカにまた戻り、コンサートの舞台上で対立政党の党首二人に握手をさせる、と、政治活動はしないと言いつつも平和のための活動を命懸けでしていたんだなぁ……。

 ジャマイカ内部の対立は、それぞれの政党やそれを支持する裏社会の手にも負えなくなっていて、対立しているマフィアのボスが並んでロンドンのボブ・マーリーのところに、ジャマイカでコンサートを開くよう頼みに来たのはすごかったな。

 それから彼が傾倒していたラスタファリ運動って全然知らなかった。キリスト教ベースの宗教運動なんだけど、成り立ちというかその背景は掘り下げるとなかなか根が深そう。

 病のためにとても若くして亡くなったわけですが、長生きしていたらどうなっていたかな。ノンポリというけど、社会の問題からは目を逸らさずに政治とは別の形で活動する人だったんだなと思いました。あと時々急にサッカー部が始まったりするのもすごく人となりを感じてよかったです。音楽の使い方はさすがといったところ。パーカッションいいね。