ポスターのトニー・レオンが素敵ですね!というだけで観に行ったもので、状況把握にちょっと手間取りました……。公式サイトのストーリーは読んでから行くと理解がスムーズだと思います。いや普段は読むんだけどね……なんで読んでなかったんだろうな……。でもネタバレはされない方が絶対にいいタイプの映画なので、予習は公式のストーリーと、当時の歴史背景ぐらいに留めておくといいと思います。高校の歴史の授業以来の頻度で蒋介石の名を聞いた。あと汪兆銘。

 舞台は第2次世界大戦下の上海。中国共産党、国民党、日本と3つの勢力が陰に陽に争っており、それぞれの勢力内でもいろんな動きをする小集団があり、誰を信じていいのか、どうなるのか、先の読めない緊張感のあるスパイ・ノワールでした。

 とーにかく画面が美しい。冒頭の食事シーンがもう美しい。まるで絵画のよう。色彩とライティングなのかなぁ。あと、何を食べているかは特にフォーカスもされないんですけど、食べている音がすごいおいしそう。おいしい中華料理を食べたくなる。衣装もすごいよかったと思う。スーツがかっこいいんだ……。

 どう関係するのか、そもそも何か関係があるのか、よくわからない断片的なシーンが続き、状況や時代、登場人物の属性などが徐々にわかり始め、やがて怒涛のクライマックスへ。アクションシーンはあまり多くはないし、派手でもありませんが、しっかりばっちり決まっていて◎。クライマックスからのどんでん返しで、まあそりゃそうですよね!となりはするものの、最後までどう転ぶか結構ハラハラする感じでした。

 ちょっと人物の見分けがうまくついていないところがあったり、食事シーンの意味ありげな料理(赤い汁に生きた蝦を漬けて生きたまま食べるやつ)の含意を汲み取り切れなかったりとかもあったので、人物おさらいしながらちゃんと観たいな。

 とにかくどのシーンも美しくて目の保養映画だった~。ついパンフレットも買ってしまった。最初数ページ写真集だわ……。主人公の一人を演じたワン・イーボーすごいよかったので今後のご活躍が楽しみです。エンドクレジットの歌も歌ってる~!