冒頭からハイパー不穏でめっちゃオーメンでそわそわハラハラして大変でした。こんなにも尻が座らない冒頭も珍しい。つかみはばっちりすぎてすごい。

 というわけで、めちゃくちゃ面白かったです。すごくじっとり怖いけど、それだけで終わらずそれなりに希望もあるし、でもちゃんとあの『オーメン』につながって、むしろ厄災はこれからだ!感。最高にいいプリクエルだったと思います。にやにやしながら映画館出てきちゃった。

 以下感想は少しネタバレ気味にもなりますので、一旦リンクを挟みます。

 

 

 改めまして本作は、1976年のかの有名なホラー作品『オーメン』の少し前の時期を描いた作品です。ダミアン如何にして世に生み出されしか。これがもうひどいことひどいこと。反キリストを生み出すために試みられたことが明らかになるにつれおぞましさが増していきます。誰が、も、なんのために、も、どのようにして、も、何もかもがおぞましい。

 驚愕の事実と避けられない運命を経てからのマーガレットはすごく強くてよかったな。映画『プロメテウス』(エイリアンシリーズ)のノオミ・ラパスもびっくりです。ビル・ナイが安定のビル・ナイでようございました。

 ある程度こうなるだろうなと予想もつくんだけど、そのうえで意表を突いてくるというかその塩梅がものすごく丁度よかった感じ。大変満足度高かったです。

 全体に、グロテスクなシーンが結構あるのですが、お産にかかわる部分は致し方ないとはいえ「も、モザイクー!?」ってちょっと笑っちゃったし、それはモザイクしてこれはモザイクせんのですか中々に生々しい&痛々しいが……?みたいなところもありました。スラッシャーではないんだけど、医療系ドラマの手術シーンが苦手な人はちょっとしんどいシーンあるかも。

 

 本作は結構、現代の代理母問題への批判もあるのかなと思いました。子供を産ませるために女性の体をいいように使うだけ使っておいて、出生を望んでいた男児にしか興味がない、望まない結果であるところの双子の女児には見向きもしないところとか。そういう態度も何もかもがグロテスクだった。

 オーメンはシリーズ1作目しか観ていないかもしれなくて、双子の女児の存在が既存作品に描かれていたかどうかがわからないんですけど、こちらのラインでの話の続きも観たいな~。その前に過去作を観なおしたいですね。時間あったら本作ももう1回観てもいいかも。

 

 あと映像が美しかったな。祈りを捧げるマーガレットが悪魔の口に捕らえられたかのようなシーンが素晴らしかったです。