タイトルからして『ハロウィン』シリーズの後追いぽいな、しかしなぜ今更……と思いながら観たのですが思いのほか、どころかすごく面白く観てしまった。不勉強で申し訳なかったんですけど、これもともと映画『グラインドハウス』で流れたフェイク予告動画が元になってる長編なんですね。着想自体はやっぱりハロウィンなどから来てるぽいのかな。ホリデイ・ホラーって、サブジャンルにまでなっているんですね。(以上、大体公式サイトより。あんまり事前にサイトとか見ないもので、今知った……)

 感謝祭の始まりの地と言われるマサチューセッツ州プリマスを舞台に、感謝祭の時期に繰り広げられる惨劇を描く本作。冒頭のシーンがよくできていて、登場人物がどれだけひどい最期を迎えても、受け入れられてしまうんだな……。これはとてもよいエクスキューズ。描かれるものとしてはひでぇの一言ですが、現実に対する風刺にもなっていてよかったなぁと思う。

 惨劇はその一年後に起こるので、これは多分何らかの復讐なのでしょう。で、その「復讐」をしそうな人がそこそこいっぱいいるので、あいつかなこいつかなと思いながら観るのも楽しいし、冒頭のシーンで丁寧かつ分かりやすい伏線もあるので、大体の見当がつくのもまたいい塩梅。動画の拡散や、投稿へのタグ付けなど現代的な要素も取り入れているのも、クライマックスにうまく使っていたなと思いました。

 残虐シーンは割と人体の内容物がぼろぼろ出てくるので、苦手な人は要注意です。猫は無事。デンプシーさんは一体何やってるの、とはなる。公式サイトのコラムでも書かれているけど、なぜか安心して観られたな。こういうの観たい!というのにきっちりかっちり応えてくれて、新味もあるけどありすぎない、ほどよさというか。

 また、ほんのちょっとだけですが、プリマスの感謝祭がピルグリム・ファーザーズ、つまり入植を大きく取り上げることに関する先住民関連の言及もあり、知らないこといっぱいあるよな、と思いました。結構世の中への皮肉がある映画だったと思う。

 

 

 

 

 

 『グラインドハウス』は長編2本とフェイク予告5本から成り立っているとのことですが、確か日本では長編2本別々に公開されていたような気がする。そして『プラネット・テラー』は観たけど『デス・プルーフ』は観ていないかもしれない。フェイク予告動画はあんまり覚えがないんだよな……。『マチェーテ』もここでのフェイク予告をもとに長編化したらしいのも今知ったな。