昨日は関東大学サッカー後期リーグの最終節を観戦しに、駒沢陸上競技場まで行ってきました。
早稲田大学ア式蹴球部は、慶應大学と勝ち点差2で5位。4位以内までインカレに出場できるため、気合いは十分でした。
第1試合は筑波×慶應。第2試合が早稲田×流通経済大学です。
ここ数十年ほど筑波に勝っていない慶應でしたが、インカレ出場を決めている筑波だけに、どのようなモチベーションで臨んでくるのかが不安材料でした。
逆に、流通経済大学はインカレの出場の可能性もなく、今シーズンは調子が悪いようですが、オリンピック代表候補組が戻ってきているため、サッカーの質がガラッと変わる恐れがありました。
第1試合は予想通り、さほど高いモチベーションではない(ように見えた)筑波大学を慶應が終始圧倒していました。ウォーミングアップをしていた早稲田の選手たちも気が気ではない様子でした。
筑波も、清水エスパルスの入団が決まっている八反田を後半途中から投入し、流れを引き戻しかけましたが、前半に得点した慶應が最後までリードを守りきり、無常にも終了のホイッスルが吹かれました。
同時に、慶應のインカレ出場、早稲田の敗退が決定しました。
僕はこのあとの試合をどのようなモチベーションで闘うのか、落胆しているのを隠し切れない選手たちの様子が気になり、本当は観るのも辛かったですが、残って応援しました。
慶應の試合終了後の早稲田のウォーミングアップの雰囲気は、想像以上に暗く、切ないものでした。ですが、仕方のないことだと思います。なんせ、1年間かけて戦ってきて、あと1歩のところで、「インカレ出場決定戦」が「引退試合」に変わったのですから。
しかし、試合開始後からの早稲田は雰囲気が違いました。まるで、最後の試合に自分たちの“誇り”のようなものをすべてぶつけるかのようなごとく、果敢にチャレンジし、激しく闘うことを連続していました。
『ああ、本当に大学のトップレベルの選手はすごいなぁ』と感心しながら見ていました。
試合は早稲田が先制し、代表組を擁する流通経済大学が比嘉のゴールで同点に追いつく展開に。同点に追いつかれたあとは、嫌な空気が流れるものです。ここで流れを変えたい・・・と考えていたら、ベンチの動きが僕たちを心から熱くしてくれました。
キャプテンの投入です。
ケガで長期離脱をし、まだ万全の状態ではありませんが、部員だけではなく、本当に多くの人から絶大な信頼を得ているキャプテンが、ユニフォーム姿でピッチの方へ歩いてきました。
ゼミの後輩でもある彼とは、食事に行ったり、ゼミ室にてサッカーの熱い話をします。彼のパーソナリティは本当に素晴らしく、“いまどき”という表現が正しいのかはわかりませんが、珍しいぐらい、“誠実”で、“責任感のある”好青年です。
そんな彼の醸し出すオーラは、会場の雰囲気をも変化させました。
「キャプテンがついに出てくるぞ!!!」
そういった“期待感”のようなものが、会場からもピッチからも伝わってきました。
すると、どうでしょう。ピッチの上の選手たちは、まるで“信用”というメッセージが書かれているカードを手渡すように、彼にどんどんボールを集めます。
彼にボールが集まることに伴い、選手たちの躍動感が増し、一気に早稲田のペースになってきました。『うわ・・・キャプテンの影響ってここまでのものなんか・・・』と感動しながら見ていると・・・
ゴーーーーーーーーーーーーール!!!
残り2分のところで、“こぼれ球”をFWが押し込んで、2-1になる展開に。そして、試合はそのまま早稲田が劇的な形で勝利しました。
キャプテンの決定的なシュートは惜しくも外れてしまったものの(『あれが入ってたら彼女にプレゼントする予定のこのWiiをあげてたよ・・・(笑)』友達・談)、彼の素晴らしい存在感に感服。
ケガをしているのに、Bチームの練習に出て叱咤激励を繰り返したり、誰も見ていないところで落ちているゴミを拾ったり、自ら率先してグラウンドの掃除をしたり、常に笑顔で人と接していたり・・・そういった少しずつの積み重なりが大きな信頼に繋がり、今日のような“力”を生み出したんでしょうね。
そして、同時に、厳しい状況の中で最後まで闘う姿勢を見せた早稲田の選手たちの“熱い魂”にも敬意を表したいと思います。こういった感動から得たことを、石神井の現場でどんどん還元していきたいものです。
ア式のみなさん、お疲れ様でした。熱いゲームをありがとう。