これは鶴田浩二「傷だらけの人生」という歌の冒頭の言葉だ。
べつに私は鶴田のファンでもないし、この歌が好きというわけでもない。
ただこの「古い奴だとお思いでしょうが」という部分は、そこだけ切り取られて、ずいぶんあちこちで使われたし、時にギャグになったりしたと思う。
かなり昔の話だ。
ところで私の家は、岐阜の田舎なのでまわりには田んぼも多く、昔は牛を飼っている家も多かった。私の家にも一頭の黒牛がいた。
もともとは田起こしや運搬など農作業に使われていたはずだが、その時代のことはさすがに知らない。
私が記憶しているのは黒牛に種付けをして子牛を生ませ、それをある程度まで育てて売るということをしていた時代だ。農家にとって育てた子牛売ることは、寂しいとかそういうことではない。「ドナドナ」の世界じゃないのだ。子牛を売るのは農家の貴重な一時収入だったのだ。
あれ?何を書いているんだ私は。農業史レポートか?
話の先を急ごう。
牛の鼻にはたしか金色の鼻輪が付いていた。牛を移動したりおとなしくさせたり、方向を変えようとしたりするとき、その鼻輪を取って「ドウドウ」などと声をかけつつ牛を手なずけるのである。
また時には、その鼻輪にロープをかけて引っ張ったりすることもある。
だから、家畜としての黒牛の鼻輪はとても大事なものだった、と思う。
さて、ここからが本題です。(←朝ドラの花江の口癖みたいだが)
オリンピックのダンス競技「ブレイキン」で、湯浅亜実という女子が金メダルを取ったが、彼女の鼻に鼻ピアスが輝いていた。
若い世代はそれを見て、「かわいい」「かっこいい」と評価が高いようだが、私は見た瞬間こう感じてしまった。
「牛かい?」
すみませんすみませんすみません。古い人間なんです。感性が追いつかないんです。許してください。
でも。
金メダル、おめでとう。