松下電器の創業者、松下幸之助さんが、部屋で二股ソケットをつくっていた時代から数年経って、会社があるところまで大きくなったころの話です。
「松下に入社したい」という就職希望の学生たちを、松下社長が自ら面接していたときがありました。
その面接に来たすべての学生たちに、松下社長はこう質問しました。
「あなたは、今までの人生を振り返って、ツイてきたか、ツイてこなかったか、ラッキーだったか、アンラッキーだったか、どう思いますか?」
東大卒や京大卒の人など、優秀な学生たちも来ていましたが「今まで自分の人生は、苦労が多く不運だったと思います」と答えた人は、どんなに優秀な人でも採らなかったそうです。
「ちょっとラッキーだったかもしれません」という人も採らなかった。
「いやー、私はツキまくってました」「ラッキーーの塊でした」「幸運の連続でした」と答えた人は採用したそうです。
のちに、松下社長がその方法で採用した(ツキまくっている人たちの集団)が社内の中核を占めるようになった時代、そのころに発売された商品というのは、すべて奇跡的な売れ方をしました。
「自分はものすごくツイてきた。本当に恵まれてきた」と言える人はイコール「感謝をしてきました」という人でもあったのでしょう。
すべてを味方すべてが味方
小林正観
三笠書房