工事進行基準ダイジェスト(3) -工事進行基準適用後の各社の実態-
(このエントリーは、ソフトバンクビジネス+ITに2009年6月~2009年7月まで代表の木村が連載した「工事進行基準の第一人者に聞く」を要約・抜粋したものです。続きは、こちらからご覧頂けます。
図表を含む全ての調査データの著作権は株式会社アドライトに帰属します。禁無断転載。)
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いよいよ2009年4月より適用となった「工事契約に関する会計基準」によると、受注制作のソフトウェアを含む工事契約につき、成果の確実性が認められる場合には原則として工事進行基準を適用しなければならない。
ただし、工事進行基準の適用のためには高度なプロジェクト管理体制が必要になるため、2009年2月には情報サービス産業協会(JISA)より日本公認会計士協会に対して「中小企業に工事進行基準の一律適用は不適切だ」との提言がなされるなど、実務上の対応について戸惑いの声も少なくない現状がある。
そこで、3月決算の企業が適用初年度となったタイミングである2009年4月に、株式会社アドライトでは各社の対応状況の実態や問題意識を調査すべく、「工事契約に関する会計基準」の対象となる企業を調査対象として、ウェブサイト上でのオンライン回答により、アンケート調査を実施した。
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調査概要は以下のとおり。
■調査プロジェクト名:『工事進行基準の対応状況に関する実態調査』(AR-001)
■ 調査対象企業:「工事契約に関する会計基準」の対象となる企業
■ 第一次アンケート調査期間:2009年4月6日(月)~ 2009年4月17日(金)
■ 調査方法:ウェブサイト上でのオンライン回答
■ 有効回答数:120社
■ 主催:株式会社アドライト(http://www.addlight.co.jp/)
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まず、会社概要は下記のようになっている。
①業種

②年商

③上場区分

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その調査時点における各社の対応状況は下記のとおり。
①2009年4月時点での会社としての対応状況

適用が始まった4月現在における会社としての対応状況として、「すでに対応が完了している」と回答した企業は13%にとどまった。「対応を進めている最中である」と回答した企業と合わせても、全体の60%に満たない状況である。
②経営者の工事進行基準に関する取り組みについて

経営者の工事進行基準対応に関する取り組みについてという質問項目においても、「積極的に取り組んでいる」および「どちらかというと積極的に取り組んでいる」と回答した企業が約50%、「消極的である」および「どちらかというと消極的である」と回答した企業も約50%と、経営者の取り組みの意識としても半々に分かれた格好となった。
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今回の調査結果により、2009年4月時点での各社の対応状況については、十分とは言えない状況であることが分かった。工事進行基準は、単なる制度の変更という以上に大きな意味があるといえる。
なぜなら、ソフトウェア開発企業やIT関連企業にとって、工事進行基準とはすなわちプロジェクト管理そのものであるといっても過言ではないからだ。具体的には、工事進行基準適用のためには、見積もりの精度を向上させるためのプロジェクト管理体制の強化が必要となってくるが、このことが、プロジェクト型での開発を進める企業にとって大きな経営課題となる。その課題は「財務会計」と「管理会計」の2つの側面が挙げられる。
まず、財務会計上の側面であるが、これは制度会計への対応の課題がある。
工事進行基準の適用のためには、これまでのソフトウェア業界特有の会計慣行や会計基準に準拠することはもちろん、開発コストの見積もりや集計のために、高いレベルの原価計算制度を構築することが必要になる。また、2009年3月度よりスタートした内部統制報告制度(日本版SOX法)の対応のためにも、重要な業務プロセスとして大きく関連してくることから、内部統制への留意が必要となる。
次に、管理会計上の側面がある。工事進行基準の適用のために、工事進捗度や工事原価総額等の見積もりが必要となってくる。そのため企業は、単に経理が数字を集計するだけでなく、開発現場も合わせた各部署が協力した上で、精度の高いプロジェクト管理体制の構築をしなければならない。これは、プロジェクトごとに利益の着地を予測し経営管理を行う上でも重要な課題となるからだ。
このように、工事進行基準の適用は、経営管理の根幹にも直結する多くのテーマを孕み、一朝一夕でできるものではないと言えよう。しかし一方で、適用することができれば経営上大きなメリットをもたらすものでもある。
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調査項目はこの他に、工事進行基準の具体的な対応方法や対応にあたっての問題意識、今後の対応方法などについて広く設定し、各社の実態と対応状況について詳細なデータを入手した。
本調査結果については、後日、経済産業省に報告を行った。
(http://www.addlight.co.jp/pages/1/20090501.pdf)
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株式会社アドライトでは、顧客の企業理念の実現と利益創造のための管理体制の構築支援を行っています。
今回の工事進行基準の実態調査委についても、各社の実態を踏まえた実践ノウハウとして、コンサルティングサービスにおける対応支援の中で積極的に活用しています。
利益を確保するための管理体制を構築することによって、企業が継続し社会へ貢献することができます。そのためには、関連する法令や会計基準に準拠した上で、経営管理上も意味のある管理体制を構築し運用していく必要があります。
株式会社アドライトでは実践的なノウハウと専門性に基づく様々なコンサルティングメニューにより、管理体制構築のアドバイスから実際に運用を行うまでのサービスを展開しています。
詳細は http://www.addlight.co.jp/consulting をご参照ください。
初回相談は無料で承っております。
サービスに関するお問い合わせ、資料請求などはこちら
図表を含む全ての調査データの著作権は株式会社アドライトに帰属します。禁無断転載。)
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いよいよ2009年4月より適用となった「工事契約に関する会計基準」によると、受注制作のソフトウェアを含む工事契約につき、成果の確実性が認められる場合には原則として工事進行基準を適用しなければならない。
ただし、工事進行基準の適用のためには高度なプロジェクト管理体制が必要になるため、2009年2月には情報サービス産業協会(JISA)より日本公認会計士協会に対して「中小企業に工事進行基準の一律適用は不適切だ」との提言がなされるなど、実務上の対応について戸惑いの声も少なくない現状がある。
そこで、3月決算の企業が適用初年度となったタイミングである2009年4月に、株式会社アドライトでは各社の対応状況の実態や問題意識を調査すべく、「工事契約に関する会計基準」の対象となる企業を調査対象として、ウェブサイト上でのオンライン回答により、アンケート調査を実施した。
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調査概要は以下のとおり。
■調査プロジェクト名:『工事進行基準の対応状況に関する実態調査』(AR-001)
■ 調査対象企業:「工事契約に関する会計基準」の対象となる企業
■ 第一次アンケート調査期間:2009年4月6日(月)~ 2009年4月17日(金)
■ 調査方法:ウェブサイト上でのオンライン回答
■ 有効回答数:120社
■ 主催:株式会社アドライト(http://www.addlight.co.jp/)
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まず、会社概要は下記のようになっている。
①業種

②年商

③上場区分

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その調査時点における各社の対応状況は下記のとおり。
①2009年4月時点での会社としての対応状況

適用が始まった4月現在における会社としての対応状況として、「すでに対応が完了している」と回答した企業は13%にとどまった。「対応を進めている最中である」と回答した企業と合わせても、全体の60%に満たない状況である。
②経営者の工事進行基準に関する取り組みについて

経営者の工事進行基準対応に関する取り組みについてという質問項目においても、「積極的に取り組んでいる」および「どちらかというと積極的に取り組んでいる」と回答した企業が約50%、「消極的である」および「どちらかというと消極的である」と回答した企業も約50%と、経営者の取り組みの意識としても半々に分かれた格好となった。
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今回の調査結果により、2009年4月時点での各社の対応状況については、十分とは言えない状況であることが分かった。工事進行基準は、単なる制度の変更という以上に大きな意味があるといえる。
なぜなら、ソフトウェア開発企業やIT関連企業にとって、工事進行基準とはすなわちプロジェクト管理そのものであるといっても過言ではないからだ。具体的には、工事進行基準適用のためには、見積もりの精度を向上させるためのプロジェクト管理体制の強化が必要となってくるが、このことが、プロジェクト型での開発を進める企業にとって大きな経営課題となる。その課題は「財務会計」と「管理会計」の2つの側面が挙げられる。
まず、財務会計上の側面であるが、これは制度会計への対応の課題がある。
工事進行基準の適用のためには、これまでのソフトウェア業界特有の会計慣行や会計基準に準拠することはもちろん、開発コストの見積もりや集計のために、高いレベルの原価計算制度を構築することが必要になる。また、2009年3月度よりスタートした内部統制報告制度(日本版SOX法)の対応のためにも、重要な業務プロセスとして大きく関連してくることから、内部統制への留意が必要となる。
次に、管理会計上の側面がある。工事進行基準の適用のために、工事進捗度や工事原価総額等の見積もりが必要となってくる。そのため企業は、単に経理が数字を集計するだけでなく、開発現場も合わせた各部署が協力した上で、精度の高いプロジェクト管理体制の構築をしなければならない。これは、プロジェクトごとに利益の着地を予測し経営管理を行う上でも重要な課題となるからだ。
このように、工事進行基準の適用は、経営管理の根幹にも直結する多くのテーマを孕み、一朝一夕でできるものではないと言えよう。しかし一方で、適用することができれば経営上大きなメリットをもたらすものでもある。
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調査項目はこの他に、工事進行基準の具体的な対応方法や対応にあたっての問題意識、今後の対応方法などについて広く設定し、各社の実態と対応状況について詳細なデータを入手した。
本調査結果については、後日、経済産業省に報告を行った。
(http://www.addlight.co.jp/pages/1/20090501.pdf)
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株式会社アドライトでは、顧客の企業理念の実現と利益創造のための管理体制の構築支援を行っています。
今回の工事進行基準の実態調査委についても、各社の実態を踏まえた実践ノウハウとして、コンサルティングサービスにおける対応支援の中で積極的に活用しています。
利益を確保するための管理体制を構築することによって、企業が継続し社会へ貢献することができます。そのためには、関連する法令や会計基準に準拠した上で、経営管理上も意味のある管理体制を構築し運用していく必要があります。
株式会社アドライトでは実践的なノウハウと専門性に基づく様々なコンサルティングメニューにより、管理体制構築のアドバイスから実際に運用を行うまでのサービスを展開しています。
詳細は http://www.addlight.co.jp/consulting をご参照ください。
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