【SWココラジ#018】4回鑑賞のまとめ 『ゴジラ-1.0』〈ゴジラマイナスワン〉 | アディクトリポート

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【SWココラジ#018】


2023/11/15

 

動画内ではアメリカの3大フランチャイズ、すなわち

  1. スター・ウォーズ
  2. MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)
  3. DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)
の動向を分析したが、
今回の本記事では、最後に少しだけ触れた、
『ゴジラ-1.0』〈ゴジラマイナスワン〉

 

の詳解。

 

〈以下再掲〉

JOE
山崎監督作品は全て観ています。良い作品(ジュブナイル、リターナー、アルキメデス)も、ポンコツな作品(ドラえもん2、おばけずかん)もありましたが、このゴジラはともかく素晴らしかったです。
何より神木きゅんの心象描写が丁寧で、感情移入しやすさといったらハンパない。
エキストラも、どこから集めたのか昭和顔ばかりで邦画にありがちな学芸会っぽさ皆無のリアリティ。
監督の次回作が楽しみです。
『ゴジラ-1.0』〈ゴジラマイナスワン〉については、立て続けに4回も観たので、
また記事にしたいと思います!

 

ということで、ここからは、

4回鑑賞のまとめ 『ゴジラ-1.0』〈ゴジラマイナスワン〉

 

既報通り、

公開2週間にして4回も鑑賞!

  1. 【IMAX】2023/11/3 ユナイテッド・シネマ テラスモール松戸 9スクリーン F-15

  2. 【4DX】2023/11/6 イオンシネマ越谷レイクタウン スクリーン1 F列6席
  3. 【SCREEN X】2023/11/11 ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場 13スクリーン L-17
  4.  【通常版】2023/11/16 イオンシネマ越谷レイクタウン スクリーン3 D列13席
ここで他動画の指摘にあまり頼らず、
各回ごとに(【1回目鑑賞時/それ以降鑑賞時】)自分なりに気づいた点を列挙しておこう。
 
【1回目鑑賞時】
  • 特攻機の操縦士の神木隆之介(役名:敷島浩一)は『永遠の0』(2013)の岡田准一のように坊主頭のはずじゃないのか?
  • 特攻用の零戦にも20ミリ機銃は装備されていたのか?
  • 整備士の橘宗作(優香の夫:青木崇高)は島ゴジラ=ゴジラザウルス(仮称)に「20ミリ機銃を浴びて生き残れる生物などいない」を根拠に神木に射撃をけしかけるが、翌朝に昨夜のジュラパー騒動の後でも撃たなかった神木をなじるのはちょっとどうかと思うが?あの島ゴジラの暴走ぶりを見たら、たとえ20ミリ機銃を撃ったところとても敵(かな)わなかったと判断したと思うし、神木への風当たりは腹いせ的な怒りのぶつけや恨み言にしか思えないが?
  • 同様に復員した神木を終戦後(1945年12月)に「あんたら兵隊がしっかりしてたら」となじる安藤サクラ(役名:太田澄子)も、神木の自責の念をたぎらせる筋書きとはいえ、彼が特攻してれば東京は焼け野原にならなかったと考えるのはあまりに短絡的ではないか?
  • セリフの応酬のタイミングが特に木造船「新生丸」からいささかおかしくなった。佐々木蔵之介(役名:秋津淸治)も吉岡秀隆(役名:野田健治)も山田裕貴(役名:水島四郎)も相手の言い分を咀嚼せず瞬時に応答しており、これは「ボキャブラ天国」(1992〜1999)以降のお笑い芸人の反応速度(限られた時間内でボケとツッコミが瞬時に応酬する)になってて時代設定的にもいかにも不自然。
  • セリフの補足がイマイチ気が利いていない。ゴジラをフロンガスで包み深海に急速潜航させて高水圧で肉体崩壊させ、それでダメなら炭酸ガス注入ボンベで逆にビニール(東洋)バルーンで急速浮上させた減圧で倒す作戦では、ゴジラ出現の前兆現象として深海魚が内臓を口から風船状に飛び出させる様子で生物への減圧ダメージを例えるとか、家族がいるからと海神(わだつみ)作戦を棄権・辞退する元海軍船員たちに、「またゴジラが上陸すれば大切な家族にも危害が及びかねない」ことを喚起するとか、まだまだシェイプアップはできただろうに。
  • 海上での2度目のゴジラの放射火炎攻撃は、神木/敷島の乗った震電へのイラ立ちなのか、それとも4隻の駆逐艦への攻撃なのかがどうにも不明。ここで青白光線を一旦吐かせておけば、再生・回復までに次まで時間を稼げるから、とりあえず「溜めずに吐かせた」場当たり感が濃厚。
  • ラストの浜辺美波(役名:大石典子)も、あの原爆級の爆風を浴びたにしては姿がきれいすぎて「どうして?」と疑問符が拭えない。IMAX大画面では、驚異の回復ぶりのヒントになるであろう、首に這う黒アザ(ゴジラ細胞の転移)さえも、汗ばんで首にまとわりつく髪の毛のように見えてしまうため、髪の毛と同色の黒ではなくムラサキ等の別色に寄せた方が良かったんではないか?
【2回目以降の鑑賞時】
  • 政府や国家不信の姿勢を崩さない「新生丸」船長の秋津淸治(佐々木蔵之介)だが、彼だけが戦時中に何をしていたのかや政府・国家不信の心理的原因が全く不明である。
  • 「新生丸」の機雷掃海任務は、ビキニ環礁のクロスロード作戦(1946年7月)より前だったので、機雷掃海はあくまでも復員省からの要請に過ぎず、ゴジラを足止めしてシンガポールから急行するサルベージ版重巡洋艦「高雄」を待つ作戦への参加だとか、民間でゴジラを倒す作戦への吉岡秀隆以下の「新生丸」乗組員の参加は単なる「たまたま偶然」という位置付け。
  • マッカーサーは①ソ連との情勢を鑑(かんが)みGHQのゴジラ交戦を放棄、日本独自で対戦するように要請、②通称「学者」こと、元技術士官で戦時中は海軍工廠で兵器の開発に携わっていた野田(吉岡秀隆)はこれを「アメリカとソ連はきな臭いので日本への軍事介入を拒否」と説明、③駆逐艦「雪風」の元艦長、堀田辰雄(演:田中美央)も「ソ連との緊張」を米軍不介入の口実に挙げている。しかし1947年当時、ソ連は先の大戦で疲弊しまくり、実際にはアメリカとの緊張関係はなかったので史実に反すると指摘する声あり。

2023/11/11

  • 映画では1945年大戦末期に大戸島を襲撃した島ゴジラ(全長約15メートル)は約1年後の1946年7月には(約3000キロ離れている)ビキニ環礁近海を回遊。核実験の放射能を浴びて不死身新生物ゴジラ(身長約50メートル)に巨大化変貌したのだと暗示。その後フィルムリールの上映形式で、太平洋上ではアメリカの船舶が巨大生物の被害に遭う事故が多発、被害船舶に付着していた巨大生物の細胞片からは大量の放射能が検出されたと示す。
※総距離÷月数÷日数=3000÷11÷30≒9で、1日9キロほどの海中移動による

2023/11/13
  • この時点で米軍はゴジラがクロスロード作戦の核爆発の影響で怪物化したこと(アメリカにこそ責任がある)と、(だからこそ派兵した)米軍艦船(ランカスター?と潜水艦ソードフィッシュ?)ではとても太刀打ちできないと判断し、またゴジラの移動経路をたどると日本に向かっていると予測されたため、GHQや米軍人の首都(銀座)駐留からの早々撤退を決定。(※私の勝手な妄想ですので、間違ってたらゴメン)
  •  自国に原因があるゴジラの退治を日本に押しつけながら、対ゴジラ武力戦力を全く割(さ)かないのはあまりにも非現実的なため、いくつかの武力解除を中止して「高雄」の復活や元海軍兵士のゴジラ退治への参加を黙認した。(※私の勝手な妄想ですので、間違ってたらゴメン:2回目)
  • 銀座でのゴジラの青白い放射火炎の口吐きは、国会議事堂からの(なぜ配備されていたかは不明の)IV号戦車隊の砲撃に向けてなので、キノコ雲と爆風発生で議事堂は消失。これ以降日本政府は消滅したため、政治家不在で民間がゴジラ対策に乗り出すしかなくなっている。
  • 橘が敷島を生かす段取りに震電の脱出装置を説明するくだりは、後でネタバラシする構成になっているが、それだと今度こそは特攻して玉砕し、自分の中の戦争を遂に終わらせるという神木の決死の覚悟に固唾を飲んでいた観客は『海猿』の「仙崎死ぬ死ぬ詐欺」と同じ手口にダマされたことになる。義理の娘のアキコに、安藤サクラ宛の手紙とお金を浩一/神木が託したのは後にしてみればなんだったのか?
  • 浜辺美波(典子)の不死身化の謎は、①本作が「身代わりの死よりも生きることこそが戦後の道」だと示す意図の反映であり(主要登場人物を死なせては本作の主旨に反する)、②『ゴジラvsビオランテ』(1989)風に続編制作への下地でもあろうが、ゴジラ細胞のパンデミック感染は、日劇脇を通る有楽町駅を出発したての国鉄山手線(1885年3月1日開業)をくわえたゴジラの吐く息を浴びた、車両内で懸垂踏ん張りの典子の濃厚接触が原因らしい。わからないのは典子の落下した水辺の正体だが、かなり距離のある皇居のお堀のはずはないので調べてみたらこのサイトで、「今高速道路がある場所(コリドー街)は外濠川。これは江戸城の堀の外側の部分です」との記述あり。

2023/11/17

 

山崎貴は本作の脚本を30回以上書き直し、東宝からは

  • 「家族向け娯楽作品として残酷グロ描写は禁止」
  • 「皇居や国会に被害が及ぶ直接描写も禁止」
  • 「あからさまに現政府や現体制を批判・揶揄するのもダメ」

等々の「なにしろお行儀良くね」なお達しがあり(※私の勝手な妄想ですので、間違ってたらゴメン:3回目)、そうした制約の中では相当に尽力したと思うので、間違い探し的に至らぬ点を指摘して「ここがダメだから全部ダメ」的に責め立てるのはちょっとどうかと思う。

 

2023/11/06

 

今回はここまで。