チエン糾弾は続くよ、どこまでも
スターケースチャンネル
武田英明 ココだけの話
の収録は何本も撮り溜めしているが、
なかなか個人の思惑通りには進まない場合もある。
なので今日は、自分の好き放題に書けるこのブログの方で、
近況をまとめておこう。
同じ事態でも人によって捉え方が違うのは当然であり仕方ないが、
作品にハマる契機は、その人が初めて接したタイトルに最大の影響を受ける。
なぜなら子供時代は作品を圧倒的に受け入れるしかなく、
批判的な目で眺めたりはしないから。
子供にとって映画やテレビ番組という作品は、
文化面での親代わりだから、
圧倒的に信頼し、身を委ねる以外に術(すべ)はない。
そうすると応援、支援のバイアスがかかってしまい、
冷静な判断が利かなくなる。
だから、「いや、見りゃわかんだろ」な事象が、
※「見りゃわかんだろう」の好例としてサムネを拝借しただけで、
本稿で取り上げている「わからず屋の若者」とは、
ハルカさんではないので誤解なきよう。
「そうでしょうかねえ?」の心理的バリアに跳ね返される。
その実例を、『エピソード1/ファントム・メナス』(1999)以降の作品で見て行こう。
2019年、
いつの間にかルーカスフィルムの重役(ヴァイス=プレジデント=副社長?)に返り咲いていたダグ・チエン(※後述 Doug Chiang)は、
Doug Chiang (Chinese: 江道格; born 16 February 1962) is an American film designer and artist. He currently serves as vice president and executive creative director of Lucasfilm.
台湾出身で5歳の時に父がアメリカの大学に通うため家族でミシガン州に移民したから、
Chiangはアメリカ読みの「チャン」ではなく、中国語読みの「チエン(×チェン)」のはず。
そしたらこの講演で、やはり「ダグ・チエン」と紹介されているので、本ブログでは今後「ダグ・チエン」と表記する。
ですのでダグ・チャンのファンの皆さん、さようなら(笑)
この講演内容はツッコミどころ満載だが、
それでも、
↓J-type 327 Nubian royal starship(ナブーのクイーン専用宇宙船)に関しては、
↑SR-71ブラックバードを元ネタにしていることは、
↓チエン本人が同講演でも「黒い機体色をクローム(金属光沢)に塗り替えただけ」と例示しているので疑いの余地はない。
↑比較画像にしたって、
↓もう少しマシなやり方もあるだろうにと、そこらへんもイライラ。
↑せめてアングルぐらいは揃えてほしかったよ。↓
ところがダグ・チャン礼賛の若い人に、
↓「リパブリック・ガンシップは
↑これを見ても、両者の外型的類似性を否定できる人は↓
↑やはり正常な判断力が奪われていると考えるしかないのでは?↓
↑ロシア軍の攻撃ヘリ、Mi-24ハインドのパクリ」と指摘したら、
納得行かない表情で、「そんなに似てますかね」と仰(おっしゃ)る。
「いや、見りゃわかんだろ!」
「こいつはどこを見てそんなセリフをほざけるのか?」
と心の中で叫びはしたし、
↓ハインドはアメリカでは、「ヘリコプター・ガンシップ」(攻撃ヘリ)と呼称され、
↑名称までリパブリック・「ガンシップ」の参考にされているのに!
とは思ったけれど、オトナなので黙っておいた(笑)。
↑この動画内では触れられていないが、コメント欄にMi-24との類似性を指摘する声多数。
物心ついた最初のSW映画鑑賞体験が『ファントム・メナス』で、
目に映るもの全てが輝かしく、
ジョージ・ルーカスの演出も、
トリシャ・ビガーの衣装も、
ダグ・チャンのメカデザインも、
華々しく感じられ、とてもダメ(てんでなってない)だなんて断じられない、
心の壁に正当評価が邪魔されている。
こういう人に何を言おうがムダなので、
不毛な水かけ論を続けはしないが、
この、きちんとした例証に、
首を傾げられた過去が前にもあったことを思い出した。
この動画内で、外形はNorthrop YB-49(ノースロップYB-49)を基にしていると種明かしされているが、
↓比較画像こそ、過去(2011年10月)に無意識無自覚に挙げてましたが、
2002年当時は全く覚えなし。
J-type diplomatic barge(『エピソード2』冒頭のナブー外交艇)を、
Northrop Grumman B-2 Spirit(B2ステルス爆撃機)のパクリだろうと特定したら、
若者はこれすらにも「どうですかね」と首を傾げる。
それでふと、竹書房の「スターログ」時代にも、
編集長の映画ライターS氏が、この記述に納得行かない表情を浮かべていたのを思い出す。
S氏の主張は(確かめこそしなかったがおそらく)、
全翼型ワイドV字の戦闘機といえば、
米軍の最先端機ではなく、
第二次大戦のドイツ軍実験機こそがルーツだろうと。
まあここら辺は「ドングリの背比べ」だし、
どちらを参考にしたにせよ、
飛行機から宇宙船にデザイン転用という、
オリジナル三部作の時代にはあり得なかった、
チエンの安直すぎるデザイン転用術の愚行に変わりはないじゃないかと、
私は無視を決め込んでいた。
これが2002年のこと。
それから10年後の2012年。
渋谷のタワーレコードの洋書売り場で、
クラシックアメ車の先端部(フード)の上に飾られた、
オーナメント(飾り)を集めた本が目に止まり、
「そういやダグ・チャン(当時表記)は、ナブー・ファイターをアメ車のオーナメントを参考にデザインしたとか言ってたっけ」と今更ながらに思い出し、成熟したネット環境から、このサイトに行き着いた。
↓50年代のクルマには該当モデルは見当たらず、
↓60年代の中に、
これほどあからさまに、
↓ナブーN-1ファイターの原型を発見!
↑まんまやないか〜い!↓
同じくくり画像右上の、「1960インペリアル」っていうのこそ、
↑Jタイプ・ディプロマティック・バージの後方原型じゃないですか!
他にもオーナメントの画像検索で、
全翼型爆撃機(B2やHorten Ho 229やYB-49)よりも、参考にしたと思われるものを発見。
↓こちらは車種の特定までには至りませんでした。
1:40あたりに注目!
ポンティアックでした!
ですけどどうせ、これを見せたって、
心のバリアを張っている人には、
「そんなに似てますかね」と言われるに決まってるので、
もうこれ以上は申しませんとも。
今回は以上で〜す。