『TANG タング』
2022/8/31 イオンシネマ越谷レイクタウン スクリーン5 E列 6席
『アキラとあきら』と同日に、続けて鑑賞。
同じ三木孝浩監督作品で、
『アキラ〜』がWOWOW製作の手堅い人間ドラマなら、
『TANG タング』はワーナーのVFX満載の大作映画という自分好みの路線で、
演技に定評のあるニノ(二宮和也)主演でもあり、期待満々で鑑賞。
だが…その期待は大きく裏切られ、
夏休み子供向け作品でもあるためか、
全体に緊張感のない脱力系で、
ニノの演技もノラリクラリ。
春日井絵美(満島ひかり)に、荷物とともに放り出された夫の春日井建(ニノ)とポンコツロボットのタングが、
どうやって中国の科学文明都市にたどり着けたのかの経過が省略されていたり、
(添付の予告編には、見覚えのない飛行機内のシーンがあるので、『アキラとあきら』に見入った反動で少しまどろんだため、もしかしたら描かれていたのかも知れないが)
ロボットTANGの歩行機構が、『HINOKIO』(2005)にさえ大きく劣り、
ボストンダイナミクス社の不気味アニマルロボット全盛の昨今、
いくらなんでも現実離れし過ぎやしないか。
それ以外にも、
『アキラとあきら』では丁寧に押さえられていたポイントが、
ファンタジー/子供向けだからと『TANG タング』ではことごとく外されまくりで、
『アキラ〜』の出演陣、ユースケサンタマリアやアンジャッシュ児嶋 一哉、ドランクドラゴン塚地武雅の役どころと、
本作のかまいたちの二人、小手伸也、武田鉄矢の起用の仕方で、
方向性も成果も真逆なのも惜しまれる。
反対に評価できるのは、
『キューティーハニー』(2004)
『嫌われ松子の一生』(2006)
『シン・ゴジラ』(2016)
ーーと、出てくるたびに私をイラつかせるド下手女優の市川実日子が、
本作『TANG タング』にも出ているという事前情報に戦慄したが、
主人公健の姉、野村桜子役は出番も少ないからか悪目立ちせず、
三木孝浩監督って、女優の撮り方や扱い方がうまいんだろうなとホッとした。
否定的評価に戻れば、最後のめでたしめでたしのハッピー写真の連続もわざとらしさ満点で、
子供の目には微笑ましく映るのだろうかと、
満島ひかりの熱演が空振りなのも虚しかった。
今回は三木孝浩劇場だが、
立て続けに見た3本中、
『TANG』の出来が一番悪かった。
そんなこんなで、この中途半端な珍作、
あまりお勧めはできません。