続・グリソム「悲運の名前」/それまくる話78 | アディクトリポート

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この記事(グリソムNCC-638/こだわる理由Ⅺ)で、

ヴァージル・アイヴァン・"ガス"・グリソム(Virgil Ivan "Gus" Grissom)のことを、



アポロ1号の火災で死亡し、
その前のマーキュリー計画でも、ポカの目立った、


——と紹介したら、

グリソム飛行士の名誉のために言っておきますが、彼の搭乗したマーキュリー宇宙船が「沈没」したのは、ハッチの動作不良によるもので、彼の責任ではありません(『ライト・スタッフ』ではそのあたりがうやむやでしたが…)。
ハッチは後になって改良されたのですが、かえって開くことが難しい代物になり、彼がアポロ1号の火災で亡くなったのもそのためだとされています。皮肉な話です。

ちなみに、マーキュリー計画で本当にポカをやったカーペンター飛行士は、その後の任務に就かせてもらえませんでした。


——というコメントをいただいた

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そうでしたか。

「ポカの目立った」
ではなく、
「何かとケチのついた」
とすべきでしたね。

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それで思い出したが、
「グリソム」って、やっぱりケチがつきやすい
(=なにかとトラブルに見舞われやすい)
悲運の名前なんですよ。



USSグリソム(NCC-638)の、1/537スケールキットについては、
dredere
さすがにもう書き尽くしたが、
グリソム全般となるとその限りではないので、
思い出したあれこれを書き記しておこう。

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『スター・トレック3 ミスター・スポックを探せ!』の1984年。
スターウォーズのMPCキットと、
スタートレックのERTL(アーテル)キットを、
どちらも輸入販売して調子こいてたツクダホビーが、
唐突に
こんな商品を発売した
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船種のチョイス(№1=TOS版ドレッドノート、ヘビークルーザー/№2=トランスポート、スカウト、デストロイヤー)も、スケール(1/3788)も不可解。

↓この動画を見て判明したが、


1975年のフランツ・ジョセフ著
スターフリート・テクニカルマニュアル」に基づく、
スターフリート・バトルズ
というRPG(ロールプレイング・ボードゲーム)用のコマだった。
材質はプラのインジェクション(通常のプラモデルの成型方式)で、
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スタンドの形は円形だった。

ツクダからも、自社版のST・RPボードゲームは出てたので、
それ用のコマだったのかも。
※詳しくは知りません。

ゲーム「スターフリート・バトルズ」は、パラマウント非公認かつ無版権。
時期的にも、コマはTOSの宇宙船(及びその派生型)のみに限定されていた。

結局、ツクダ版ミニチュアは後が続かなかったが、
1983年からアメリカでは、
映画版を含むST登場の全艦船を統一スケールで揃えられる、
メタルミニチュアが展開されていた。

それがFASA
(ファサ NASAのもじりで、最初の‘N’をFederationの‘F’に置き換えた)の、
「スタートレックRPG」ボードゲーム用のコマで、
こちらはれっきとした正規ライセンス商品。



1/3900スケールの、ピューター/錫(すず)製のミニチュアは、
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↑1985年のFASAの広告写真。そうそうたる顔ぶれ!

↓モデルエース。
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日本でも、
モデルエースやオオハシなどの、メタルフィギュアを扱う模型店が、
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↑ありし日の、オオハシ模型。

独自に仕入れて販売していたようだが(未確認)、
1984年からはサンスイート氏と親交があったので、
彼に頼んで、現地「ショッピングモール」
(は和製英語で、正しくはギャレリアとかギャラリア=日本の「ららぽーと」)
のゲーム店でまとめ買いしてもらった。

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ラインナップには、ゲームオリジナルの宇宙船まで含まれており、
となれば当然、
テレビ、映画劇中の宇宙船はもれなく網羅。

『ST2/カーンの逆襲』(1982)のレギュラ・ワンまで入ってたから、

↓劇中のレギュラ1(ワン)は、
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↑1作目『TMP』(1979)の軌道オフィスの上下を逆転させただけ。


その流れから、
↓グリソムを含む『ST3』の主だった宇宙船も全艦そろっていただけに、
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↑こういうグリソムを手元に置けると期待してたが、
私が入手したものには、
なぜか船体底部の、

↓以下の2点は、ファン制作のCGモデル
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サーフボードみたいな、
流線形のパーツが欠けていた。


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不良品かよ!

そこらへんがなんとも、グリソムっぽいなあ、
と思った。

FASAミニチュアは、
ディテールや造形は感心したが、
なにせ材質が柔らかすぎて、見た目が金属なのに、
改装型エンプラの翼(パイロン)なんか、
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ペナペナのバキバキ(簡単に折れる)。
とてもワープエンジンの重さを支えきれず、ヘナッとしおれてしまうらしい。

結局、生き残った手持ちの未組み立て状態のメタルキットたちは、
2002年以降にヤフオクに出したら、
最初の1点こそ熾烈な争奪戦となったが、
それ以降は最初の落札者が無競争で全種を買ってくれた。

その時もグリソムだけは、
パーツ欠品のため、出品できなかった。


さて、今回の記事のために、
「FASA」「グリソム」で検索し、

①1984年に品番2519でFASAから発売。ISBN 0425066444
②1985年に同社より同品番で再販。
③1985年に、英国のFASA提携先、シタデル(Citadel)から、品番ST19で発売。
④1988年に、2519でFASAより再々販。
⑤1988年に、SS2519として、ロークリフ(Rawcliffe)より発売。
⑥1991年に、RF793として、ロークリフより再販。
——と、都合6期があると判明した。

↓どうやらロークリフ版は、他の同社製品と同じく、
ろーうりふ
組み上がった状態で発売された模様。
TNGの新艦船は、もはや1/3900スケールではないらしい。


FASA製品の詳細なリストは、こちら

さらに製品パッケージ画像をチェックしたら、

↓これが①
たぶん
サーフボード状の部品だけでなく、スタンドも見あたらない。
(スポンジに隠れてるのか?)

なんのことはない、
オレのだけじゃなく、グリソムは全品、
パーツ欠品だったと判明!


↓1985年版②では、
たぶん2
ようやくまともな製品に。

しかし英国シタデル版③は、
したで
①と足並みを揃え?、サーフボードのパーツ欠品。

↓FASAから3度目の発売となる④
っっmk
さすがに完品です。

↓ロークリフ版。組立済みかつ塗装(スミ入れ)済み?
ろー
品番がないので、⑤か⑥かは不明。

いやー、グリソムって、
なにかとケチのつきやすい名前なんですね。


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オーベルト級については、こちらで(英語情報)

グリソムのスタジオモデルについては、こちらで(英語情報)


そういや、
「ザ・グリソムギャング」という
シネマバー
があった。

神奈川県川崎市麻生区の、たった21席のミニシアター(35mmフィルム上映+ドルビーデジタル音響)と隠れ家的バー(40インチスクリーン、プロジェクター、DJブースあり)が併設された空間、それがシネマバー「ザ・グリソムギャング」
2002年の8月3日に開店、
ビルの老朽化により、2013年11月をもって閉館。


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『幸福な食卓』(2006)の小松隆史監督に会えるというので、
たしか2009年の、『奇談』(2005)上映の時に行ったことがある。

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なんで2009年と覚えているのかというと、
意外や、小松監督はSWやSTが大好きで、
2009年版『スター・トレック』の話になり、
エンジンルーム(機関室)のロケ撮影を、
バドワイザーのビール工場で行ったことに、
「さすがにあれはないだろ」とおっしゃっていたので、
よく記憶している。

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ちなみに「ザ・グリソムギャング」(The Grissom Gang)とは、
1971年のロバート・アルドリッチ(オルドリッチ)監督作、
「傷だらけの挽歌」の原題で、

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ガス・グリソム飛行士とは無関係だが、
とにかく10年かそこらで、閉店の憂き目に遭ってしまいました。

教訓:グリソムを商品名や店舗名に使うのはキケンです。

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