「ピロンの秘密」の更なる秘密/ヒーロー・ヒロイン共演の軌跡〈その12〉 | アディクトリポート

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前回(孤高のアンドロ仮面/ヒーロー・ヒロイン共演の軌跡〈その11〉)
日本の特撮/ヒーロー番組における、
女性ヒーロー(戦うヒロイン)の第一号は、
「マグマ大使」(1966)のモルではないか、

さむら
と書いたところ、
Hirotmanさんから、
手塚治虫の「ピロンの秘密」のTVドラマ(昭和35年)に
モルに良く似たコスチュームヒロインが登場してます。

----との情報をいただきました。

そこで今回は、この「ピロンの秘密」という作品に的を絞ってお送りします。

画像検索すると、なるほど、
組写真は左が「ピロンの秘密」のヒロイン。右が「マグマ大使」のモル。
mkmk
モルの原形らしき、女性コスチュームキャラの姿に行き着く。

だがこのキャラはピロンではなく、タイトルロールのピロンは、ニッキー窪田というフランスと日本のハーフの少年が演ずるカストル星の王子で、
sasa
大臣・バレスの謀反により星を追われ、改造人間・ミラと共に地球へ逃げてきた。
(※パープル表示部分は、漫画版の設定)


「カストル星のピロン」って、「スカト□のピ□リ菌」(伏せ字の意味なし)みたいだなあ…。

ミラはテレビ版ではカストール星の人造人間=アンドロイドで、ピロンを護衛する乳母役。
popo
雑誌記事や、めんこの絵柄から構成。
峰和子という女優が演じたミラはご覧のように、当時はもちろん、50年余を経た現代の視点でも、かなりグラマーな理想の女性曲線でビックリ!

おそらくフィルムも現存しないため、知っている人、覚えている人は、リアルタイムで番組を見ていた人だけに限られるわけだが、
当時4~5歳に過ぎなかった、コラムニストの泉麻人氏も、このミラのセクシーさに悩殺された1人で、幼稚園の先生にミラの肢体を重ね合わせていたという。

「ピロンの秘密」をあつかったネット記事はおしなべて、「ミラに色気を感じた」「興奮した」と異口同音に書いているから、泉氏がことさらに早熟だったわけではなさそうだ。

演じた峰和子という女優のフィルモグラフィーを調べても、
ハナ肇が主演の、「おれについてこい!」(1965)という映画しか出て来ない。
ついてこい

当時「東洋の魔女」と呼ばれ、連戦連勝を重ねて来た日紡貝塚のメンバーと、その監督で「鬼の大松」と異名を取った大松博文氏が、東京オリンピックに出場し、優勝するまでを描いた作品

峰和子は長身で体格が良かったことから、バレーボール部員の一人として起用されたのだろう。
ぽぉ
おそらくこの部員の一人が、峰和子なのだろう。

でもってこの、
幼稚園児にさえ強烈にセクシーでグラマーだった
ミラ役を演じた女優名が峰和子だったのは、
後の「ルパン三世」の峰不二子と符合するから、
ふうう
原作者モンキーパンチ氏(1937年年生まれで、「ピロン」放送時に23歳)
の深層心理の中で、どこかしらつながっていたのかも。

女優名をそのまま使えないため、
峰「和」子の「和」を、
同じ和風・日本の象徴の「ふじ(富士山)」に置き換えた

という仮説も成り立つ。

いやー、最後に意外なところに行き着きましたね。
峰和子と峰不二子、時空を超えて、ここに共演!
んh
ただしモンキーパンチ氏も意図的だったか、はっきり記憶していたかは定かではなく、偶然の一致に過ぎない可能性もあるので、念のため。


Hirotmanさんに、「ピロンの秘密」のことを教えていただかなければ、まったく気づけないことでした。

あらためて感謝申し上げます。



それにつけても、
後世でも作品を振り返る気運が健在なのは、
原作が手塚治虫だからこそ
今もその存在は偉大です。



次回は本題に戻る予定。