安彦良和が描き直した話は前にもしたが、
なんで大河原氏がドムを細身に描いたのかには、他にも理由がある。
それは富野監督の提案が、
忍者をモチーフにしたものだったため。
身軽な動きが信条の忍者が元ネタじゃ、
まさかこんな、どっしりしたプロポーションにはならないはずだし。
今回、富野ラフの忍者ドムには行き着かなかったが、(見た覚えはありますよ)
大河原氏の画稿で、もっと原案に近いものがある。
それがこれ。
肩の上の謎の突起や、頭部の4本もの動力パイプ、さらにはグフから引き継ぐ(元来は中隊長用ザクの)角飾り等、ちょっとゴテゴテしてますが、これこそまぎれもなく、細身ドムの原型です。
しかしこの細身ドム原型機、完全に消えたMSVというわけではなく、
プロトガンダムが、若干形を変えて生き延びたのと同様、
2機種にそのニュアンスが引き継がれている。
1機種目は、MS-07C-5
グフ試作実験機という呼称だが、
厳密には1機のみ製造された、ドムへの移行試作機。
2機種目は、YMS-09
プロトタイプドム。
元ネタとの比較はこちら。
グフ試作実験機とプロトタイプドムは、基本的に同じものを体型で振り分けただけで、
形も色も良く似ていて、なんともどっちつかず。
近年の設定再構築作業で、
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2体の区別は、もう少し明確になったのだろうか。
(※チェックはしてませんので、あしからず)
「消えたMSV」は、まだ続きます。