疑惑のMS(モビルスーツ)・MA(モビルアーマー)〈その1〉/大河原ザクを求めて(28) | アディクトリポート

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真実をリポート Addictoe Report

前回のこれが好評だったので、その補足。

アニメ業界はこぞって、「オレがオレが」のオンパレード。

あからさまに間違っていることを平気で言い放ち、世間一般の社会常識や通念とかけ離れればかけ離れるほど、そしてそれがまかり通れば通るほど、自分に力があると勘違いしてしまう人が多い中、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-がぞう
※画像と本文は関係ありません(笑)

安彦良和氏は常に、そういう愚者とは正反対の姿勢を貫く賢人、いわばジェントルジャイアント(=あらぶる事なき巨匠)であり、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-yasu
それは自分の実力に自信があることの裏返しでもあるだろう。

前者も安彦氏も、言行不一致な(=事実と異なる)例が多いが、こと安彦氏に関しては、人間として正しく、謙遜の表れ、つまり自分が手がけたことでも、他者の殊勲とすることもあるのだと受け取れる。

安彦氏は、『機動戦士ガンダム』で自分がデザインしたのは、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-kyanonn
ガンキャノンと、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-siruba-
↑シルバーメタルのイメージで安彦氏が描いたガンキャノン。
ガンダムの顔にフェイスガードをつけて口を隠したのと、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-masuku
↓大河原邦男のデザイン段階では、ことごとく鼻と口が描かれていた。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-koredesu
↓検討時(左)と決定稿(右)。どちらも安彦良和の手による。

$オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-顔比べ
$オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-koharu

コアファイターのおもちゃ感を若干軽減させただけ、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-koafa
と述べていた。

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-kara-
↓大河原ガンダム色彩案の頭部と胸が赤いのは、元ネタのボリスの「バーバレラ」ポスターの色調が影響しているのかも。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-akai
↑この元ネタについて、詳しくはこちら/その1その2で。

だが実際には、前回示したようにドムは描き直しており、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-modo
それはドムならず、ジオンのモビルスーツ全般のプロポーションを、自分以外の作画陣に示す意味合いもあった。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-22
↑『ジ オリジン』 22巻の安彦・大河原対談より。
誤解なきように断っておくが、この発言は、テレビシリーズの作監を劇場版で雇わなかった弁明にすぎない。
しかしもう一方で、安彦氏の、他の作監への気配りの一面も示している。
ザクの二本立て(同作品の中に、安彦版と大河原版の2種が混在すること)という過ちは、繰り返すべきではない、という意気込みがあったことも想像に難くない。



安彦氏はしかし、ドムについては「デザイン」したわけではなく、あくまでも「プロポーションを修正しただけ」というスタンス。

そしてこのプロポーション修正は、ドムの次に登場した水中用MSのゴッグでも行われる。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ごっぐ

これまた引き続き、同じ作品の中に、安彦版と大河原版の2種類のモビルスーツが混在して、自分以外の作画監督に迷惑をかけないための配慮だったと推察される。

そこで疑問は、
安彦氏によるプロポーション修正は、ドムとゴッグだけだったのか?

というところで、つづく。