『悪人』(2010) | 阿出意久人アーカイブ

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※写真は順不同です。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-111
「どうせ……」と斜に構えていたが、
たいへん感心、感動しました。
なんの文句もございません。

オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-288

いえ、そりゃあ細かいことを言えと言われれば、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-10
岡田クンは、トイレに行って、帰って来る場面を入れといた方がいいんじゃないの?
とか、

オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-12
灯台の脇の管制室にどうやって入ったのか(その描写を入れると、不届き者にマネされかねないためなのか、描かれないが)、きちんと描写しといた方がよかったんじゃないか、
とか、

この一連のシーンに居合わせる男の、
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オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-5
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-26
タイミングの良すぎること、
とかくらいは思いましたけど。

まずは、撮り方ですよね。
沖縄出身の満島ひかりは、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-7
どちらかというと地黒だが(「プライド」のマスコミ試写で実物拝見)、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ぷらいど

深津絵里はご覧のように、相当色白なのに、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-1
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-6
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-8
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わざと暗い画面で、オレンジ色に、「汚く」撮られてます。
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オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-2
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んでもって、ホントに深津絵里はうまかった!
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-25
そりゃあ賞(モントリオール世界映画祭 最優秀女優賞)も穫りますよ!
できれば先に本作を観て、後で受賞に、ナルホド納得したかった。

次が妻夫木クン。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-3

思えば、これまで、彼の道はけわしかった。

「ウォーターボーイズ」(2001)では、
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共演の玉木宏なんて、歯牙にもかけず、
「ジョゼと虎と魚たち」(2003)とか、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-joze
『69 sixty nine』(シクスティ・ナイン・2004)では、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-のり
↑監督は本作と同じ李相日(イ・サンイル)だが、脚本が宮藤官九郎なので、ユルユルな作品。
若くてハツラツだけで乗り切れたが、
『どろろ』(2007)で、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-20おく
演技がヘタなことがバレてしまい、
『涙そうそう』(2007)とか、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-なだ
(くしくも深津絵里と共演の)『ザ・マジックアワー』(2008)とか、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-まじく
全く演技力のいらない、アイドル的な起用が続く。

『クワイエットルームにようこそ』(2007)は適役だったが、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-くわい
実像とほとんど差がない、「素のまま」の感じ。

今回は自分から立候補。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-9
で、もちろん図抜けてうまくなったりはしないけど、
「こういう役でもこなせます」
ということは、しっかり示した。
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オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-21
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-11

今回感心したのは、脇の二人の使い方のうまさ。

柄本明は、クセがあって、
余命1ヶ月の花嫁』とか、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-よめい
ゴールデンスランバー』とか、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-すら1
『魍魎の匣』(2007)とか(該当画像なし)
料理次第でひどくもなるが、(と言うより、ひどい前例しか思い浮かばないが)
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-30
今回はよかったです。キャラが立ってた。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-4

まったく正反対の立場にいるのに、後半、似たような道を進む樹木希林も、
独特の「樹木希林臭さ」のために、
『リターナー』(2002)の白々しい情報屋?とか、
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持ち回り的に日本アカデミー賞を大量獲得した
『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』(2007)
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-okann
とか、一歩間違うとダメな方にまっしぐらなところ、
今回は、起用と演出がいい方に働いている。
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オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-14

さて、世評とのいくつかのズレに対して、私見をば。

以下、青字部分はネタバレです。

原作との差で云々というのは、今回のように原作者(吉田修一)を脚本に加えた時点で、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-しゅういち
映画としての選択だったので、どうこう言う必要はないと思う
映画と小説はメディアが違うので、相違点をあれこれいっても仕方ない。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-あるある
前半の「田舎の閉塞感あるある」は、当事者の何もない田舎に暮らしてる人には共感を持って迎えられてウケても、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-35
後半の展開に「ねえよ!」と失望を買われてる雰囲気もあるが、
みうらじゅんじゃないけど、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ゆゆゆ
私は「そこがいいんじゃない!」と感じる。
創作っていうのは、その作品で初めて何か新しいものを提示することに意義があって、本作でのそれは、「田舎にいるからどうせ現状はしかたない」と自分に言い訳していた人たちが、殺人事件を起点に、自発的な行動を起こす者、つまり受け身から主体に変わるところにある。
殺人そのものは肯定できないけど、そこから後は、肯定的に生きるしかない。
ところが当事者以外は、そういう意識改革を迫られていないから、以前通りの色眼鏡で見続けることに、なんの疑問も感じられない。=この当事者以外の視点がおそらく一般観客のそれと同じで、だからこそ話の流れや意義が理解できず、共感されないんだと思う。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-28
妻夫木クンが悪人に見えず、岡田将生の方がよほどそう見えるのは、意図的にそうやっていて、揶揄すべきでもないし、原作の精神、「悪人」というタイトルにこめられた、「本当の悪人は誰なのか」をよく示してもいる。
妻夫木クンが終盤で「なんで?」って行動に出るのは、愛情にズブズブに浸ってしまった深津絵里を、共犯者とか犯罪幇助者というレッテルから解放するためで、だから事件後も、彼女はしっかり復職できている。

オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-31
人気作家とか、賞受賞作家によくある、
*言いたいことがわからない(=言いたいことが別にない)
*作品の始まりと終わりで、何も変わらない(=それが作品だと勘違いしている)
とは一線を画し、この人(吉田修一)は、作品が何かをわかっていますよ。

監督の李相日も、『フラガール』(2006)を作った
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ふらがーる
シネカノンがご臨終となってしまい、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-sinekanonn
今回は東宝から公開となったが、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-touhou
年商770億円とかいわれてる本社の主力作品が、
自作の身勝手で狭窄的な結論に誘導するためだけの、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-こくはく
※写真と本文は関係ありません(笑)。
お粗末きわまりない筋立ての小説の映画化だったりするので、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ふりむき
※写真と本文は関係ありません(笑)。
犯罪がらみの小説の映画化で「もしや」と危惧していたことが、杞憂に終わってホッとした。

これは映画界や文学界の良心ですよ。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-19

今日で公開終了のシネコンが多いようです。
お見逃しなく。

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