映画:2:37 | あなたの知らないひとのあたまのなか。

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映画"2:37"観ました。
邦題だと、「明日、君はいない」です。

オーストラリアのある高校を舞台に、6人のそれぞれの悩みを抱える少年少女たちのリアルな苦悩を描いている。話は、生徒の誰かが校内で自殺しているところからはじまる。

裕福だが、親が多忙でほとんど家にいない兄妹。
勉強のことで切羽詰っている兄と、終始なにかにおびえている妹。
スポーツ万能で人気者だが、実はゲイであることを隠している男。
そして、男の彼女である派手めな美少女。自分は運命の男性だと信じているのに、
彼氏の気持ちが読めずに悩んでいる。
ゲイであることをカミングアウトし、他の生徒から気味悪がられる生徒。
足が悪くびっこ引いているところを他の生徒にいじめられている生徒。彼は、尿道にも障害があり、学校で気づかぬうちにお漏らししてしまうことを悩む。

6人が6人、それぞれがティーネイジャーならではの残酷な世界の中でもがき苦しんでいる。
誰もが、今にもはちけれてしまいそうな風船を心のなかにもっている。
一体、誰が、2:37に自殺を試みるのだろうか・・・


しかし、残念なことに、これ以上このストーリーに踏み入って批評することはできない。

あまりにも衝撃的で悲しいラストシーンに、自分の心が震えて止まらなかった。
それと同時に、触れたら破裂してしまいそうな世界観が、あまりに美しく繊細に描かれていることに感動を覚える。

一見すると、よくありがちな青春の葛藤を描写した作品に感じられるのだが、
話が進むうちに、その様相が、なんかヘンだぞ。となっていく。
そして、最後。
現存の映画の常識をはるかに超える”罠”が待っている。


何も言わず、一度観てほしい映画です。