大谷が先発した3日の対ヤンキース戦、初回に7点を取られて降板。イライラしながら観戦してました。食道がんサバイバーの身をわきまえていつもは朝チュー一杯をチビリチビリやるのですが思わぬ展開にグビグビいっちゃいました。
2杯目を作ろうとテレビの前から離れるとアナウンサーの声が耳に入ります。
「おや、大谷が審判になにか聞いてますね?」
解説者「おそらくボール判定されたことでコースが外れたのか高過ぎたのか確認したんでしょう」
ちょっと正確ではありませんがそんな内容だったと思います。それを聞いてヒヤッとしました。
「大谷ダメだよ、そんなことしちゃ。この間のボーク判定のようになっちゃうぞ。下手すりゃ退場だよ」
あわててテレビの前に戻りました。退場こそありませんでしたが四球を連発、7失点で1イニングで降板しました。
あのボーク判定にはメジャー経験者の何人かがコメントしています。ある投手経験者は「メジャーあるあるだよ。審判を刺激しないようにしたほうがいいよ」
要は、審判も立場があるんだから顔を立ててやらなきゃいけない、忖度しろということのようです。まあ、わからぬでもありませんがどうもスッキリしません。
大谷は審判にケチをつけたいわけではありません。自分がストライクと思って投げたボールがなぜボールと判定されたのか根拠を知りたいだけなんです。
同じようなモヤモヤを診察室で感じたことがあります。
投手を患者に審判を医師に置き換えてみてください。
私の場合は、術後一年ほど経って執刀医が転勤になり新たな医師が担当になりました。経過観察の診察日に術前と術後のレントゲン写真を比較して写真に取りたいと申し出たところ
「カルテの開示請求ですか?」と応じられました。「イヤイヤ、開示請求だなんてとんでもありません。結構です」と要求を取り下げたことがあります。
セカンド・オピニオンも大都市の大病院では当たり前のことなんでしょうが地方の病院ではまだまだ申し出にくいのが現状ではないでしょうか。「先生の見立てはわかりました。ただ、違った視点からも意見も聞きたいので紹介状を書いてください」とはなかなか言えません。
投手から「高かったんですか、外れてましたか?」と聞かれたら審判は「高さはオッケー、ボール1ケ外だった」と淡々と言えばいいだけのことです。
医師と患者の関係も同様だと思うのですがなかなか難しいですね。
今日の実況を観ていたら解説者の武田一浩さんがそのへんのところをご自身の体験を元に語っていました。
「ピッチャーは判定に不満があっても顔に出しちゃダメなんですよ。審判も意地になってその試合はずっとそのコースはストライク取りませんから。チェンジになってベンチに帰るときに審判に近づいてそっと聞くんですよ。あれ高かったですか?」
診察室でも医師が気を悪くしないようなこんな裏技ありますかね。
まあ、ほんとはこんな忖度なんかいらないのが一番なんですが。そんなことを大谷選手から教えられました。
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