前回は、私の医療者への片思いというか一方的な思い入れを書きました。

 

医療者への向き合い方について、なるほどな~と気になってメモしておいた文章があります。

岸本葉子さん著「がんから5年」というエッセーの中の一節です。岸本さんは乳がん体験者でこの本はその経験を書いている。この中の「渡せなかったもの」という章の中でバレンタインデーのチョコを主治医に渡そうか渡すまいか迷う心情を書いています。


<巷では職場の上司にまで贈るというチョコレート、主治医にさしあげてもバチは当たらないのでは。日頃、感謝を示す機会はなかなかないし。「いや」と打ち消す。そういった情緒的な医師ー患者関係は、主治医は好まないかもしれない>

 

中略

<私もまた、依存的になるまいと、日頃から必要最小限のことしか言わない、体の症状で気になることは、そのつど報告しているが、「気持ち」については話さずにきた。それで満足している。>

 

岸本さんは、患者として医療者への向きあい方については

馴れ馴れしい患者になるまい 

小賢しい患者になるまい 

女性であることを利用しない


とご自分を律しているそうです。

 

医療者はプロフェッショナルとして持っている知見と技術を提供してくれている。そのプロの仕事人に対して、岸本さんはチョコを渡そうとした自分を恥じています。

本の中で書いてはいませんが、岸本さんは自分がが著名人であることも利用しないように気をつけているようにも見受けられる。

大いに共感できます。

 

一方でチョコを渡す人がいてもいいかなとも思います。どちらかが正しくてどちらかが正しくないというものでもないような気もします。


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