空と風と川の流れを. -5ページ目

空と風と川の流れを.

 空と風と川の流れを求め,素の自分を表現できたら良いなと.

 今年も残りすくなくなった。

 今年はとにかく仕事仕事仕事。働いて働き続けた。寝ている時以外は常に仕事のことを考えていた。そのせいもあって12月の後半ぐらいになると心身共に疲れ切ってしまい呆けたようになってしまった。仕事も捗らない毎日、体の重さを感じながら仕事場に通う日々が続いていた。そんな状態からなし崩し的にクリスマス休暇の時期になった。毎年この時期はノースカロライナ州チェロキーに釣りに出かけることにしている。今年で3回目。今回の旅でなんとか回復できないものかと期待しつつ。

 米国のクリスマスは家族が集まってパーティをする一年のうち最も大切な祝日。遠方に住む家族は里帰りする。

 そんなパーティーに誘われることがあるが、一家団欒の輪の中に外国人であり家族以外の私が入っていくのは躊躇うし気遣いするのも気遣いされるものいやなの「私は仏教徒です」と言って断ることにしている。

 自宅から5時間強の運転。通いなれた川とキャンプ場。体力がないのでかなり疲れた。

 一日目は移動だけ。予約しておいたキャビン(ログハウス)で過ごす。夕食は簡単にインスタント麺で済ませた。

 二日目、予想より寒くなかったが、釣りのために川にでかけるのが億劫だった。なにも考えず頭の中を空にして過ごした。釣りにきたのに。しかし、この日は自分の誕生日だった。せめて特別な晩飯にしたいと思ったが。そう思い近隣の食料品店に買い出しにでかけ、デリのチキンと生ハム、スモークチーズを買った。今年一年がんばった自分への褒美のために買った熱燗セットで日本酒。一応形になった。静かに食べる。それでそれなりに満足した。

 三日目。クリスマスイブである。この日は自分で自分の背中を押して釣りに川にいった。滞在しているキャンプ場の裏手の川が良さそうと思い、徒歩で川に向かった。

 釣れた。バカバカ釣れた。なにしても釣れた。

 毎年この時期に来ているがこれほど釣れたことはない。午前中の1時間半ほどで7尾、午後から別の川で4尾。最大で35cm程度のニジマスだったが、ブラウントラウトも混ざった。

 

 釣り人はわがままなものだ。釣れなかったら凹むけれども、これほど多く釣れるとそれはそれで退屈にさえ思ってしまう。数が釣れただけで嬉しいというわけでもないのだ。釣り人が好むのは、適度に思考をめぐらせて工夫をし、そこそこ良いサイズの魚が数尾釣れる、というのが理想の釣りで満足できるものなのだ。

 カメラのトラブルがあって動画は撮影できなかったが、それぞれの場面をGoproで撮影できたのでそれなりに動画一本作ることができるだろう。

 よくよく考えると、クリスマスイブの夜、明日クリスマスの日の食料を準備していなかった。クリスマスの日はほぼすべての食料品店は閉まる。もちろん自宅にも食料はない。やばい。ということで買い物にいった。

 晩飯はポトフを作ることにした。

 

 ソーセージ、キャベツ、玉ねぎ、じゃがいもをぶっ込んでチキンブイヨンのスープで煮込み、マスタードで食べるというしんぷるなもの。ワインはAsty Spmante。これで形になった。

 

 夜が更けてキャビンの外に出ると満天の星があった。昨年もそうだった。しばらく見つめていた。

 

四日目。撤収日。荷物を片付けて車に積み込んだ。

 帰路に着く前にしばらく釣りをしてみた。昨日と同じ毛鉤で、昨日よく釣れた流れの少し下流でやってみた。やっぱりよく釣れた。飽きてしまった。そのまま帰路についた。

 

 生産性のない三泊四日。これで、今年の自身のRefresh, Recreationは終わった。

 来年もライフーワークバランスなんていうのは考えない仕事に本気で突っ込む一年になるんだろうな。来年はどれぐらい釣りに出かけられるんだろうか、そんなことをかんがえながら5時間。

 

 

 

 科学の進歩は日進月歩。日々新しい知見が生まれるだけでなく、研究手法の開発も進化し続けているのである。

 

特に分子生物学(Molecular Biology)の進歩は目覚ましいものがある。遺伝子の本体であるDNA、そしてそれを鋳型としてたんぱく質が合成される過程で働くメッセンジャーRNAやトランスファーRNAなどの解析手法は、1980〜1990年代に確立されて以来、急速に発展してきた。
私自身がこれらの手法を学んだのは今から27年ほど前であるが、当時は動物組織からDNAを抽出し、目的遺伝子を同定するまでに二日ほどを要していた。現在では、オールインワンの試薬キットを用いて数時間のうちにDNAを抽出・解析できるようになっており、分子生物学の進歩の速さを実感する。

 

 しかし、浪人の頃から大学の教養科目で分子生物学を学んだ頃、生命現象の基盤、基本的なシステムとしてのDNA, RNAの学問としての面白さに引き込まれたのも事実。特に、DNAが遺伝情報を担う物質であることを証明されるまでの研究の歴史については、その科学のロマンを感じた。メンデルがえんどう豆の形状から遺伝の法則を提唱し、なにか形態を決定する因子の存在を示唆、つまり”遺伝子”の存在が意識され始め、その後、しばらく時が流れて、メンデルの遺伝の法則が再発見される。そして、遺伝子の本体がたんぱく質なのかそれとも細棒の核に含まれる物質、核酸が本体なのかの議論がなされ、グリフィスとアヴェリーの一遺伝子一酵素説、そして、ワトソンとクリックのDNAの構造でそれまでの知見をまとめ上げた二重螺旋構造を示したことでDNAが遺伝子の本体であることが決定的になった。

 

 私自身としては、29歳のときに大学の研究室に研究生として所属してPCRといった方法を実際に学んだが、自身の研究のフィールが神経生理学、その後、神経解剖学といった方向に進んでいったので遺伝子を中心に研究することはなくなって現在に続く。そのせいで、DNA,RNAといった分子生物学分野の進歩についていけなくなった。今では最低限の知識として持ち合わせているものの遺伝子の種類やそのメカニズムにあまり興味はなくなった。

 とはいえ、細棒内のたんぱく質の分布を軸に、細棒生理学的な研究をしているとどうしても遺伝子の流れを時空間的に整合性も求められるので、DNA,RNAを起点として生理現象の説明をしなくてはならないのも事実である。つまり切っても切り離せないものなのである。

 逆に、もし、遺伝子の解明がなされていなかったら、現在の生物学、さらには医学はどのようなものだったのだろうかと考えると、当然ながら今でも観察あるいは理論だけの生物学が主になり実験的な検証と分子的なメカニズムに基づいた生物学、医学の展開はなかっただろう。

 ワトソンとクリックが著した『遺伝の分子生物学』は生物学系の大学生、大学院生なら一度なら手にとって目を通す教科書である。自分自身は浪人時代に図書館で読んだが、教科書という性質上その後も度々手にとって調べ物に用いた。
 

 2025年11月6日、J.D Watson、ワトソンとクリックのワトソン博士がご逝去された。生物学の偉人がこの世を去った。

彼の偉大な発見以後、分子生物学の道ができ、さらにその後に続く未来をつくられたとことに深く感謝したいと思う。

 

 

 

 

 好きなことを仕事にできることはある意味究極の幸福であると思う。

 

 しかし、もし、そのことに問題があるとすれば、仕事に歯止めが効かなかったり、なし崩し的にずるずると仕事を続けてしまって、リフレッシュするタイミングを見失うことが多いのではないか。

 

 苦いヤニのような湯を飲み胸焼けが続いているような日々。解決できそうにないトラブルと予期せず押し付けられる多くの仕事、それによる自身の仕事の遅れと手をつけていない項目の増加。

 さらに不当、理不尽な状況に遭って、、負けず嫌いの性格から『売られた喧嘩は買ってやる』という心持ち。自身にまだモチベーションが失われていないことと、まだ抵抗する気力が残っていること、しかし自分はまだ恵まれているほうであることに気付く。

 それでも仕事を続けてしまう。それでも楽しさを感じている。

 

 そんな中でも予期せぬ理由で何もすることがない時間ができてしまった。それならということで釣りに行くことにした。行き先は毎度のノースカロライナ州チェロキーの川。車をVolvo V90 Cross Countryに買い換えてから初めての長距離の移動である。

 

 一日目は移動のみ。5時間あまりかかる距離を移動するのだから到着してから釣りをする気にはなれない。Cherokeeの街の中心部を抜けて川沿いの道に入る。川を眺めてみると渇水。そうだ。9月は渇水の季節なのだ。過去数年間この時期にその場所に来てもいい釣りはできていない。二年前は三日間の釣りで釣果ゼロだった。なんの計画も予備調査をしてこなかったことを後悔した。

 夕方になると一気に気温が下がった。やはり谷間の中にあるキャンプ場は冷え込むのだ。最近買った小型のヒーターを持ってきておいてよかった。

 二日目の朝。テントから這い出した時にはもう9時ごろになっていた。実は、最近のストレスフルな日々から夜あまり眠れなくなっていた。毎夜11時には寝床につくものの2時ごろまで眠れない時が多かった。朝は普通に6時に起床するのだが。

 まずコーヒー淹れる。湯を沸かし、豆を挽いて一杯のコーヒーを淹れるのだが、気に入っているマグカップを持っていくるのを忘れた。それだけでも自分がいかに他のことに気を取られていることがわかる。仕方がないのでクッカーに付属しているスープカップを代用することにした。簡単に朝食を済ませて川に向かった。時刻は11時になっていた。

 

 暑い。そして渇水。簡単に魚が釣れるとは思えない。そういえば、毎年9月の釣りはそんなもんだ。9月の釣りでいい思いをしたことがない。そんなもんだ。

 毛鉤を流しても小さいマスしか食いついてこない。

 早々に切り上げてキャンプサイトに戻った。昼飯は毎度おなじみに肉そば。トッピングの牛肉のしぐれ煮は自宅で作って持ってきた。

 それにしても暑い。日差しはまだ夏である。渇水でその陽射の強さでは魚も出てこない。夕刻まで待つことにする。
 夕刻の釣りも同様、魚は出てこない。ばかばかしくなってきた。

 夕日が山の稜線に沈んだ後、急激に冷たい空気が降りてきた。

 

 今回の釣り+キャンプで試してみたい料理があった。インスタントではあるがパエリア。

 パエリアは一から作ると大変だしコストもかかる。しかし、サフランライスとシーフードの缶詰がセットになっている製品があって、キャンプ飯に適している。

やってみれば簡単だった。調理時間は30分。さっとできるし量も十分。

 

 三日目。そろそろ本気でいい魚を釣りたいところだが、やはり大きい魚は出てこない。

 

 さらに、今回もう一つ作ってみたい料理があった。ドライカレー。

 具材をさっと炒めてカレーパウダーを絡めて味付けしてご飯に乗せるだけ。

 飯はTrangiaのMestinで火にかけて放置。ドライカレーの具材は、生姜とニンニク、トマト、ピーマン、玉ねぎ、牛ミンチ。さっと炒めてあとはケチャップとウスターソース、塩胡椒で味を整えるだけ。まあまあ美味かった。

 

 テント内で過ごす夜。いろんなことを考える。仕事のことは考えたくないのに浮かんでは消える。

 ストレス解消になったのかといえばあまりスカッとはしなかった。大きな魚は釣れなかったし。

 次はいつ釣りができるだろうか。そんなことを考えながら帰路につく。

 仕事は仕事で乗り越えなければならない問題が山ほどある。そして前に進めなければならない。今後のハードワークを考えるとゾッとする。

 

 継ぎ剥ぎだらけだけれどもなんとか動画を一本作った。