空と風と川の流れを. -33ページ目

空と風と川の流れを.

 空と風と川の流れを求め,素の自分を表現できたら良いなと.

2013年に本ブログで『釣りにもっていくカメラ』という内容で記事を書いたのだが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 これら記事から9年も経ったんだね。

 ここ最近思うことがあるので続きを書いていこうと思う。

 

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 9年も経てばカメラのテクノロジーも変化する。なによりもミラーレスカメラが主流となり、旧来の一眼レフが追いやられてしまったようだ。

 ミラーレスカメラの利点はなによりも、一眼レフと比べてそのサイズと重さであり小さく軽量なのだ。そして初心者向け機種であってもかなりの高機能、高性能であると思う。細かいところはあるとして。

 毎年のように新機種が生まれているが一般のユーザーとしてこんな機能必要か?というものが付加されていく。逆にいうと型落ちモデルでも十分な場合もあると思う。

 

 釣った魚、釣り場の自然の風景など綺麗に記録したいということでカメラもそれなりにこだわりを持って機材を選んできた。

 2013年の時点ではフィルム写真に嵌っていた。当時はデジタル画像がどうも好きになれず、フィルム写真が持つどくとくの柔らかさが好きだった。

 ところが数年前からデジタルであってもテクノロジーの進化と高画質化もあってデジタルであっても極めて自然な写真が撮れるようになってきた。あるいは我々の目がデジタル画像に慣れたのだろうか。

 

 釣りに持っていくカメラに要求される点で最も大切なのは『片手で操作できる』ことだと思う。片手に竿を持ったままでもシャッターを切れるということが最も大切で、マニュアルフォーカスレンズを使う場合のように、片手でカメラを保持してもう片方でフォーカスを合わせるという両手を使うとなにかと不便が伴う。その次には防塵防滴機能があればいいか。次いで耐衝撃性能、それぐらいじゃないだろうか。

 

 富士フィルム X-Pro1

 2016年にX-Pro1を買った。見た目がかっこ良かったという理由が一番だったが、フィルムカメラばかりで写真を撮っていたがデジタルカメラも学んでいくべきかと思って買ったのがその理由だった。富士フィルムがミラーレスカメラが発売して最初の機種だった。もちろん片手で操作できるしレンズ次第ではあるがそこそこ綺麗な写真が撮れてくれた。今でも時折使っている。同時期にiPhoneも持つようになった。言うまでもなくiPhoneのカメラ機能は素晴らしいし、必要にして十分である。X-Pro1を入手してからもしばらくはフィルムカメラを軽いからという理由で使っていたのだが、iPhoneが簡単に記録できるのでiPhoneばかり使うようになっていた。だが写真を趣味にしている以上どうも携帯電話で写真を撮るということに抵抗があったので、それならということでX-pro1を釣りに持っていくようになった。でも、釣りに持ち歩くにはでかい。かさばる。X-pro1は防水防塵機能は備わっていないので気を遣う。それでも、下の写真が撮れたときには、ああやっぱりちゃんとしたカメラで撮るべきだなと思ったので、それ以後はX-Pro1を持っていくようになった。

 X-pro1にレンズはZeissのTouit 32mm。描写が気に入らんところはあるのだが、加工なしにこんな写真が撮れるなら使う価値はあると思うので多用するようになった。しかし、この魚の写真と、前記事の『今年の一枚』にも書いたが、色収差の大きさが気になってしかたがなかった。レンズはともかくとしてX-pro1の性能の限界かと思ったので他のカメラを考えるようになった。

 

Sony  α7R2

 昨年の4月にソニーのフルフレームミラーレス一眼、α7R2を入手した。その時点ではα7Rシリーズはα7RIVが最新機種だったが、α7R2が値崩れして安くなっていたということ、画素数と手ぶれ補正機能、といった撮影そのものに関係する機能は必要にして十分だった。なによりもそしてフルフレーム機を持っていなかったのでα7R2の購入を決めた。かなり安い値段で新品機種を買った。

 フルフレームってどんなもんやろ?と思いながら釣りに使った。レンズはAFが必要だったので一番安い、いわゆる”撒き餌レンズ”と呼ばれるFE 50mm F1.8を入手した。

 結論からいって、買ってよかった。さすがそこそこ値段するカメラやなと思うのが正直な気持ちだった。

 ただ、でかい。重い。釣りに使うスリングパックには入らない。仕方がないので防水のヒップバックに入れて腰に巻いて持ち歩くようにした。それはそれで嵩張るのだが、ちゃんとしたカメラを釣りの際に使う際にはしかたがないのかと割り切っていた。

 とはいえ、大きさと重さを考えるともう少し軽量コンパクトでも使えるカメラがないものか?とあれやこれやと検討していたのだが、最近になってやっと、これだ!というカメラが見つかって入手した。

 そのカメラについては次の記事で。

 

 今年ももうあと二週間。あっという間の一年だった。少し早いけれども、今年撮った写真で最も印象深かったのはこの一枚。

 今年の五月にノースカロライナ州チェロキーという街に流れるRaven Forkという名前の川で釣りをしている時に撮った一枚。

  

 川に立って、後ろを振り返ってみるとこの風景だった。

 『感情が込み上げる』というのはこういうことをいうのか、ずっとこういう風景を見たかったんだと思った。

 山の稜線に靄がかかり、フライフィッシングに向く広く浅く流れる川、湿った空気。

 川に立ちこんで少しこの風景を観ていた。

 

 ずっと仕事が多忙、そして仕事上のプレッシャー、経済的な問題などがあって。長い間釣りもままならなかったが、やっとそこそこ求める生活が手に入ったような気がした。

 

 実は、この写真、写真としては問題がある。

 使ったカメラは富士フィルムX-pro1にレンズはZeiss Touit 32mm f1.8。設定はJPEGのみにしてしまった。

 この写真をAdobe Lightroomに読み込んで自動で明暗と色を調整すると山の稜線のところの色収差が酷く現れた。上の写真は雲の様子を犠牲にしてコントラスを強めて色収差がわかりにくいように調整した。はっきりいうと、一気にX-pro1とこのレンズが気に入らなくなった。RAWで撮ったらなんとかなったんだろうか。

 でも、この風景自体はとても気に入っているので年末までに近所のプリントセンターに持ち込んでパネルにしようと思っている。 

X-pro1本体には色収差補正の機能は備わっていない。この写真以後、釣りにはソニーα7R2を持ち出すようになるのだが重い。

 

 ようやく休暇を取った。といっても三日だけだが。

 釣りに出かけようと、South Carolina州Cherokeeの天候を調べてみると朝方は−3℃くらいになるらしい。日中でも11℃程度。現地はすっかり冬なんだなと。それでも、釣りはなんとかなるだろうと思い行ってみたのだが、とにかく寒かった。

 キャンプ場のチェックインを済ませた後、荷物を下ろしてすぐに川に行ったのだがひどい渇水。一気にやる気が削ががれた。しかしその場所はキャッチ&リリース区間だから魚はいるだろうと毛鉤を流してみたのだが、アタリ一つ、魚の影さえもみあたらない。5時を過ぎると急にあたりが暗くなった。まだ釣りを初めて1時間ほどしか経っていなかったのだがしかたがない。切り上げた。

 日が沈むとさらに冷え込んできた。さすがにテントは無理だろうと思い、キャンピングキャビンという小さなログハウスを予約したのだが暖房はないとのことを事前に聞いていたので小さい電気ヒーターを持っていった。しかしそれでも寒い。

 その日は外で焚き火をしようと決めていた。そして何も考えずステーキ肉を焼こうと途中の食料品店で買っていった。

 一人でキャンプするのに初めて焚き火をした。

 よくキャンプの動画やネット上の記事をみていると焚き火をする人が多い。どういうものかと思い自分もやってみたのだが、確かに暖は取れる。火のそばにいると暖かく寒さは感じない。なるほど。

 『焚き火の火を見つめていても飽きない』と書かれているのもみたことはある。そういうものかと思いスコッチを飲みながらしばらく眺めていた。ただ、どうもネガティブなことばかりが頭に浮かぶ。仕事上のこと、自身の先行きのことなど。さらには過去の失敗やよくない思い出など。どうしても気分が晴れない。いかん。焚き火っていうのは一人でするものでははないのかもしれない。暗がりで焚き火の火を眺め、そこだけが明るい。でも周囲はすでに暗闇なのだ。もしここに隣に友人や彼女がいて、お喋りしながら酒を飲むとまた違った楽しさもあったのかもしれない。ただ、どんどん気持ちが深く暗い底に落ちていく気持ちになったのは確か。

 あーあ、辛気臭い、と思いながら、肉を焼いて食べた。案外美味かった。アメリカのリブステーキだったがそれでも美味しく思えたのは救いだった。

 ログハウスの中で、電気ヒーターをつけ、フリースの寝袋のインナーと寝袋、肌着はサーモテックにセーターを着て寝床についたのだがそれでも寒い。夜中に何度も目が冷めた。

 翌朝、ログハウスの外は霜が降りていた。気温は−1℃だった。どこに行っても朝は一杯のコーヒーから始まる。

腹が減ったので豚汁を作る。

 具の仕込みは家でしてきたものを持参。家と同じ味だった。

 二杯目のコーヒーを淹れる。ようやく身体が温まってきた。時間は11時になっていた。

 とりあえず釣りに出掛けてみたが、やはり魚の気配すらない。4時に戻ってきた。

 少し早いが、もう一度焚き火をした。せっかく買った薪を消費するためだった。

 

 すると辺りはすぐに暗くなった。まだ時刻は5時だというのに。

 気分はやはり昨日と同じ。なぜ人々は焚き火が好きなのだろうか。よくわからない。

 適当にスパムを焼いてパンに挟んで食べた。ほんのつまみ食いのつもりだったのだが腹が満たされてしまったので、結果的にそれが夕食になった。

 

 二日目の夜、ようやく寒さにも慣れてきた。冬のエベレストといった山に挑むプロの登山家でもいきなり目指すのではなく、寒冷順応訓練というものがあるらしい。寒さに身体を馴らすのが目的で、これは医学的にも理に適っている。褐色脂肪細胞という首や脇のしたなど特定の部位に存在する細胞で脂肪代謝による熱産生が高い細胞といわれている。とくに寒冷順応においては低温化においても脂肪代謝ならびに細胞呼吸がある程度保持される。以前にこんなことを聞いたことがあった。なるほど。寒さに馴れるということはこういうことか、と思っていたが、やはり寒さで夜中には目が冷めた。

 三日目、今朝のことだが、やはり寒さに馴れているのだろうか、すぐにコーヒーを淹れた。iPadでサッカー日本代表VSドイツの試合を聞きながら荷物の片付けた。さっさと帰ろうと思っていた。

 しかし、どうしても魚を一尾でも釣りたかったのでチェックアウトを済ませて再び川へ。でも、どこをどうやって流しても魚は出てきてくれなかった。そんなもんだ。こういうときは深追いしない。無理もしない。そう思いながら帰路へ。

 

 二度とこの季節にここにはこない。だからといって、せっかくの三日間の休暇、家にはいたくなかったのだからよしとしよう。

 ったく。