#落下の解剖学
#アカデミー賞
作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞、編集賞、ノミネート
#カンヌ国際映画祭
パルムドール受賞
#ゴールデングローブ賞
脚本賞、非英語作品賞受賞
監督、脚本
#ジャスティーヌトリエ
(監督賞、脚本賞ノミネート)
出演
#ザンドラヒュラー
(主演女優賞ノミネート)
#スワンアルロー
#ミロマシャドグラネール
#アントワーヌレナルツ
#サミュエルタイス
名だたる前哨戦を受賞、ノミネート多数。
サッチーはミステリー、法廷ものが好きなので選んだ。
以下↓内容に触れます。ご注意ください。
WOWOWや映画紹介番組ではミステリー、サスペンス色が強いのかなと思っていたが。
家族内の人間関係、格差、心情、嫉妬、罪悪感、後悔、喪失、挫折、苛立ち、愛、、、
家族のイヤな面、良い面、絆すべてがぎゅっと詰まった二時間半のヒューマンサスペンス?とでも言うか、想像を絶した。
ポスターでも宣伝でも、ある日夫が落下して死ぬ→妻に疑いがかかり起訴される→唯一の証人は視覚障害の息子→真相、犯人はだれか?とある程度ネタばれされている。
タイトルの「落下の解剖学」の落下は、落下して(?)亡くなった夫サミュエルの事であり、息子ダニエルの事故による視覚障害、夫の仕事の失墜、夫婦愛の失墜など落ちていくもの含めての事らしい。
二年前からフランスの奥深い山、ポツンと一軒家な(改造して山荘ビジネスを目指してる)丸太造りハウスに移り住んだ夫婦、息子、愛犬家族。夫婦はお互い作家。いまは妻が売れっ子、夫は長いスランプで育児家事兼教師。
落下して亡くなった夫も今の時代の科学捜査技術ならばすぐに犯罪か、事故か、自殺か分かりそうなものだか、本作品は中々立証されずに状況証拠、証人の証言などしか証されない。
はじめから中盤、事件前夜の夫の録音も流されどうみても妻のザンドラが怪しいが、後半から(あれ、どうなの、違うの?)と観ている方も分からなくなる。
監督脚本が女性だし、夫婦間のすれ違いや、苛立ち、お互いの主張が強くぶつかり合いなど、すごくリアルで身につまされる。
夫の執筆が進み、息子を迎えにいけずにシッターに依頼した時に起きた交通事故が原因で息子は視覚障害に。
夫は罪悪感に苛まれ、精神科で薬を処方される。
妻はつい、夫を恨む。
ここまで細かく描く?と言うくらい亀裂を描く。
独身の人が観たらどう感じるかな。
サッチーは、ペーターに苛立ったり、恨んだりするから結構、感情移入出来る。
万が一、夫に頼んだ子どものお迎えを人頼みにして事故になんて遭ったら、即離婚だ。
この夫婦はそうはしなかったが、長い月日の積み重ねで、もっと酷い状況になってしまったのかも。
同じ作家で、妻が売れっ子、夫は家事育児、借金というのも。
ずっと登場して人間並みの重要なキャラクター愛犬スヌープ。
パルムドック賞?
一番最高な演技をした犬に贈られる賞を受賞したって前にニュースで観たけど、このワンちゃんだったんだね。
スヌープなくして成り立たない映画。
息子のダニエルも、日本ならあんなに法廷で残酷に証言させないだろうが、フランスでは結構大人なみにズバズバ聞かれたり、聴かされたり、、、
踏んだり蹴ったりな幼少期。
希望があってほしい。
法廷では決着が着くが、観客としては観る人によって見方が違うかもしれない。
監督ももしかしたら、真実はとくに考えず、観客に委ねているようなカメラ視点。
藪の中形式って言うの?
さてアカデミー賞、どうなるでしょう。