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10/29(木)まちづくりリレートーク『店をつくり、まちを変える』にてライブ♪
 会場:悠日 〒320-0838宇都宮市吉野1丁目7番10号
 時間:19:00~21:00(ライブはこの前と後に行います)
 参加費:\1000(1ドリンク付き)
 要予約:定員100名(TEL/FAX 028-633-6285)

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佐川光晴『縮んだ愛』 講談社文庫
ADAM to BLOG-小説 縮んだ愛 画像
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障害児学級教員の岡田は、働いていた小学校の卒業生・牧野に出会う。自分が受け持っていた自閉症児サトシを殴った過去を持つ牧野だが、彼につきまとわれて、岡田は毎週彼と酒を飲むことになる。が、ある日牧野は突然暴漢に襲われることとなり・・・!?


最近、特に注目している作家・佐川光晴さんの第24回野間文芸新人賞受賞作。

主人公の独白のように語られる物語。障害児学級教員としての自分、冷め切った妻との関係、息子との距離感、そして小学校の頃の牧野が自分の目の前で起こした過去の事件と、再会・・・主人公の心理描写が細かく描かれています。

物語は後半ラストでいきなり一変する・・・。

そして読み終えた後のすっきりしない、靄々。

この作品の素晴らしい点は、比較的薄い文庫だが少なくともその3倍の内容が込められているところ。もっと深く知りたいのに、あえて文章では書いていない物語が裏側にあると思えてしまう。

だから、想像する。

読み終えて再度ページをめくり直し、何度も物語を確認してしまう。

またこの文庫を再読したくなる日が、きっと来る。


★★★★★