貴志祐介『新世界より㊤㊦』 講談社
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ここは汚れなき理想郷のはずだった。
見せかけの平和がいま崩れる。
人類が手にしたのは、神の力か、悪魔の力か。

子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。悪鬼と業魔から町を守るために、大人たちが作った忌まわしい伝説。いま伝説が、「実体」となって町に迫る。新しい秩序とは、おびただしい流血でしか生まれないのか。少女は、決死の冒険に身を投じる。


著者が作り出したSF的世界。ブ厚い文芸書㊤㊦巻の何処にもほころびが見当たらない。その緻密さに圧倒され、自分の常識や既成概念を完全に打ち破られました。

この先どうなってしまうんだろう・・・そんなスリルと期待から読むことを辞められなかった、呪力を手に入れた少年や少年の物語。

著者の想いというか、メッセージというか、とにかく力を感じた作品でした。その力の強さに少々疲れを覚えたことも事実ですが、「人間」や「業」について、いろいろ考えさせられるエンターテイメントでした。


★★★★☆