メトロ3号線で運行されているMF 67系です。1968~1971年に投入されました。
この系列は他にも3号線支線, 5, 9, 10, 12号線などで活躍していますが、
3号線用の大多数は徹底的なリニューアルが行われています。
リニューアル車は顔が黒いのが特徴です。


取っ手を回すと勢いよくドアが開きます。
車内に入ってみましょう。


リニューアル後は、ボックスシートと4人がけロングシートが千鳥配置になっています。
パリのメトロでは珍しい座席配置です。

 
ボックスシート背面や車端部には補助イスがあります。


スタンションポール上部に埋め込まれた青い光がよいアクセントになっています。


非冷房なので、熱いときは窓を開けます。
下段固定、上段下降式です。


ドアの鴨居部分の停車駅案内です。
これから停車していく駅にはランプが点灯し、
次駅もしくは停車中の駅は点滅で示されます。
また、次駅名や足元注意などの自動放送案内も行われます。
このような自動旅客案内
(ASVA : Annonces sonores et visuelles automatiques)が備えられているのも、
リニューアル車の大きな特徴の一つです。

取っ手を回して、降ります。



ドアは半自動式(開けるときは手動、閉めるときは自動)の両開きです。

窓ガラスが車体外板よりも一段奥まっているのがわかります。
手前は戸袋になっているのです。
乗車中、決して窓から手や顔を出さないように!勢いよく開いたドアにぶつかります。


空気ばね台車ですが、古めかしく乗り心地やや固め。


5両編成、一両あたり4ドアです。



 
RER C線のPontoise方面支線(C1線)にあるペレール・ルヴァロワ駅 (Perreire - Levallois)のホームです。
壁はアーチを描く古めかしい石積み、
それに対し、天井や柱は近代的で、不思議な雰囲気です。

このC1線のパリ市内区間(Avenue du Président Kennedy駅(16区)~Porte de Clichy駅(17区)間)は、
1988年の開業ですが、
路線自体は元を辿ると大変古いものであることがわかります。

以前にプティット・サンチュール線 (Petite Ceinture「小さいベルト=小環状線」)という、
パリ市外縁をベルトのように取り囲む環状鉄道路線がありました。
1852年~1869年の間に建設され、乗合馬車や路面電車、バスとともに、
パリの交通網の一部として旅客に利用されましたが、
メトロ(地下鉄)の発達によって1934年には貨物線化、
1990年代には路線の役割を終えました。
この西~北西側の一部区間がRER C線の線路として再利用されているものです。

プティット・サンチュール線のうちの一部は掘割で建設され、
線路は地上より下を走っていましたが(凹の下の部分に線路があった)。
石積みの壁はこの時代のものです。
この区間のRERへの改装工事に際し、
天井に蓋をするような形で、線路の地下化が行われました。
C1線に乗っていると、地下鉄のようになっているのはこのためです。
蓋の上の空間は現在、緑地帯や駐車場、自転車専用道などとして使われています。

そのため、このホームから見ると、天井は近代的、壁は古めかしいものとなっています。

この古い路線を、さまざまな形、さまざまな行き先のオール2階建て電車が行きかいます。

Z 20900系電車

プティット・サンチュール線の現在については、
今後、このブログでも取り上げていこうと思っています。

ところで、プティット(小)・サンチュールがあるからには、
グランド(大)・サンチュールも存在しました。
これについても、また今度。
3号線で珍しい車両に当たりました。
パリのメトロでは貴重な全面ラッピング広告車です。






République駅にて。
色とりどりのスーツケースが並ぶ広告です。
側面以外の、前面や車内は他のMF67系と同様でした。

ラッピング車両といえば、日本に帰った時に「みどりの山手線」を見てみたいものです。


RATPのサイトや新聞報道などに、
次代のバス停のモデルケースがこのたび実現した、とありましたので、
http://www.ratp.fr/fr/ratp/r_65980/osmose-quelle-station-de-bus-pour-demain-/
家から近かったので見に行ってみました。
Gare de Lyon - Diderot停留所がそれです。
Osmoseという研究プロジェクトの一環のようです。(osmose : 「浸透」の意)

  
床が板張りになっていたり、張り出した屋根など、
カフェのテラスのようです。



  
サインシステムも統一されていて、見やすくなっています。
将来的には券売機が取り付けられて、
メトロの駅まで降りなくても、
バス乗車前にチケットを買うことができるようになるようです。


このバス停は、
SNCFのパリ・リヨン駅の正面を通っているディドロ通り (Boulevard Diderot)に位置し、
リヨン駅利用者を中心に多くの利用者が見込まれる場所にあります。
strapontin (名・男)(跳ね上げ式の)補助イス

 

フランスのあらゆる旅客鉄道車両の、出入口付近に跳ね上げ式の補助イスが設けられています(トラム等は除く)。
この「補助イス」(劇場や観光バスについているものなども含め)、フランス語では"strapontin"といいます。


En cas d'affluence, ne pas utiliser les strapontins.
「混雑時には補助イスを使用しないでください」

このような形の補助イスのことを英語では"jump seat"とそれそのもので、わかりやすいのに対し、
フランス語では他の語との関連がいまいちはっきりしない語だと思っていましたが、
Wikipediaで調べてみると(以下引用、下線と注はブログ主)、

Le strapontin, dans sa forme moderne, fût inventé dans la deuxième partie du XIXème siècle par Bernard Strapontin, ingénieur des ponts et chaussées et maire de Belay(原文ママ)

訳(ブログ主):現在の形をした strapontin は、土木技師およびブレイ市(Ain県Bellay「ベレイ」の誤りか?)市長であった、
ベルナール・ストラポンタンによって19世紀後半に発明されたものである

とのことで、発明者の名前のようです。
イタリア語でも"strapuntino"と言うそうで、フランス語から入ったと思われます。

他にも、二次的な地位(重要ではない人物)のことも strapontin というそうです。
あくまで補助、ということですね。

ちなみに、日本のJRでは、思いつくままに挙げると、
JR北海道731系やキハ201系、JR東日本E1系(下写真)、E4系新幹線Max、
JR西日本の新快速223系・225系、JR四国5000系、1500形、JR九州817系など、
採用例は意外に少ないと思われます(車椅子対応席を除く)。

 
私鉄は…すみません、あまり知らないのです。
名鉄や京阪、阪急なんかにありましたっけ。
国際公共交通連合(Union internationale des transports publiques : UITP)の総会が開かれたスイスのジュネーブで、
去る5月27日に、パリ交通公団 (Régie autonomie des transports parisiens : RATP)と、
東日本旅客鉄道(JR東日本)が、鉄道の運営、システムなどでの相互協力を行うとの覚書を交わしたとのことです。

JR東日本側のプレスリリース(PDF)
http://www.jreast.co.jp/press/2013/20130515.pdf
RATP側のプレスリリース(PDF, フランス語)
http://www.ratp.fr/fr/upload/docs/application/pdf/2013-05/cp-accord-de-cooperation-groupe-ratp-jr-eastfr.pdf


RATPは、パリ周辺のメトロ、RER、バス、トラムといった都市内輸送を中心に、
グループ会社を通じて現在世界十あまりの都市で都市内公共交通の運営に携わっています。


一方のJR東日本ですが、都市内、都市間、高速鉄道と様々なタイプの67線区の鉄道を運行しており、
日本はもちろん、世界最大の鉄道事業者でもあります。

この交流は、信号システムや輸送管理などといった技術の発展にまずは寄与するものと思われますが、
一利用者としては(趣味的に)想像も膨らみます。
両者の駅や路線図、サインシステムなどのデザインに影響を及ぼしあったり
先日のログに挙げたような翻訳も解消しやすくなります)、
ウルトラCとして、パリのメトロ駅に発車音楽が流れたり、
または、音が氾濫している東京の駅がパリのように控えめになったり。

フランス語に携わり、日本とフランスの鉄道を趣味とする者としては、大変楽しみなニュースでした。
駅の出入口装飾は幾種類もあり、パリのメトロを観察する楽しさを倍増させてくれます。
今日はその一つ、Charles de Gaulle - Etoile駅の石造りの装飾を紹介します。

当駅はパリを代表するモニュメントとしてしばしば写真に現れる、凱旋門 (Arc de Triomphe)のアクセス駅です。
Etoile広場(「星」の意。広場から星のように放射状に道がのびている)より改名された
Charles de Gaulle(シャルル・ド・ゴール)広場の下部にあり、
メトロ1, 2, 6号線とRER A線が乗り入れる、パリ市西部の乗換駅としても機能しています。

観光でしたら、まずもって凱旋門を真正面にのぞむ、
シャンゼリゼ通り(Avenue des Champs-Elysées)側の1番出口から出るのですが、
今日はヴァグラム通り(Avenue de Wagram)方面の4番出口から出てみます。
当駅から在仏日本大使館へ向かうのにも利用されます。

この出口を地上に上がると、凱旋門の右面に出てきます。

石造りの装飾がこの出入口を取り囲んでいます。
この重厚な装飾に関する説明文が、地下出入口にありました。(クリックすると拡大します)

これを参照しながら、かいつまんで説明すると、
この出入口の装飾は、1904年に、
建築家カシアン=ベルナール氏 (Marie-Joseph Cassien Bernard) によって設計・制作されていて、
パリ・オペラ座ガルニエ宮に調和するようなデザインとなっています。
当時多くの駅出入口で採用されたアール・ヌーヴォー様式とは異なり、
主にオスマンによって整備された広場や大通りに面する駅に採用されているとのことです。



出口の右は凱旋門、左はベルギー大使館と、やはり重厚な景観が並び、出入口もこれに調和しています。
きまぐれな天気の続くパリですが、ようやく晴れ間が多くなってきました。

パリ中心部のサン・ミッシェル(Saint-Michel)で所要があり、
次いで北西部で待ち合わせがあったため、
普段は思いつかないRER(Réseau Express Régional :
「イル・ド・フランス地域圏急行鉄道網」といったところでしょうか)での移動を思い立ちました。
大回りのため、メトロと所要時間は変わりませんが、
乗換えがないのがうれしいし、
通常の鉄道と同じ大型の電車なので、旅気分になれますからね。



RER C線は、パリ市内中心部は左岸をセーヌ川に沿って行き、
両端の郊外で複雑に系統が分かれます。
今回はPontoise方面に分岐するC1線に、
パリ市内だけ乗ります。
C線はさまざまな形式の2階建て電車が行き交います。


パリ市内は基本的に地下を走り、景色は見えませんが、
C1線はセーヌ川を渡る一瞬のみ、地上に出ます。

Pontoise方面でしたら、
Champs de Mars駅を出たところで、レトロな鉄橋を渡ります。

すると、進行方向右手にエッフェル塔が見えます。

川を渡る瞬間だけの、まさにチラリズムです。

そんなエッフェル塔ですが、夜、いつもと違うライトアップがなされています。
上の写真の90度左側に回ったところから見たものです。

フランスにおける南アフリカ文化シーズンを祝うライトアップとのことです。
知人(日本人)との話の中に、メトロの駅に変な表示があるのを見つけた、というものがあり、
心当たりがあったので、写真を撮ってきました。
コレです↓。(クリックすると拡大します)



「用心せよ」...
フランスで見るVowの世界です。じわじわきます。
「~せよ」と聞くと、数学の問題文や、
はたまたゴレンジャーなどの戦隊もので司令官が発する命令を思い出してしまうアラフォー男の子です。
この手のちょっと笑えるもの、日本にもフランポネがあるので、お互い様といったところです。
(Wikipediaの下のほうにある外部リンクをたどると、楽しいよ)

言語学的に見ると、文法的には正しいのですが、語用論(文の実際の使用法)的には?がつきますね。
戦前などはともかく、今となっては、日本語では利用客に対してあからさまな命令表現を避ける傾向にありますし、
ちょっと古くなった言い回しかもしれません。

それから、フランス語、英語の次に日本語が来ているのがすごい。
いかに日本人がスリの標的になりやすいかということを物語っています。

そういえば、RATP(パリ交通公団)管轄のメトロやRERの駅で流れる、
スリに注意の放送も、
「♪ Ne pas tenter les pickpockets, fermer bien votre sac et surveiller vos objets personnels - お客様にお願いします。すりに狙われないよう、お持ちのバッグは必ず閉め、貴重品の管理には、十分ご注意下さい。 - Be aware of the pickpockets...」
などと、こちらはフランス語の次に日本語が来ていて、英語を差し置いているのも興味深いです。

ところで、この表示、どこの駅にあるのでしょうか?
私は写真を撮った場所でしか見ていませんが、
あちこちのRATPの駅にあるとのことなので、見つけてみてくださいね。

というわけで、パリでは、すりに用心せよ!!
5月も終わりなのに、なかなか暖かくならないパリです。

今日は夕方、所属している合唱団に行くために、自宅近くより8号線に乗りました。
8号線は、パリ左岸15区のバラール駅(Balard)から、右岸の中心地北部を経由して、
南東郊のクレテイユ市(Créteil)までを結ぶ、21kmあまりの路線。
パリのメトロでは、13号線についで長い路線です
(ただし13号線は北部で二股に分かれるため、一本の線としては8号線がもっとも長い)。
両端は住宅街ですが、パリ中心地のバスチーユ、オペラやコンコルド、
エッフェル塔へのアクセスの一つ、エコル・ミリテール駅(Ecole Militaire、陸軍士官学校)なども通っており、
日常生活にも観光にも使いやすい路線です。

この路線で使われている車両はMF77系。



8号線の他にも、7号線や13号線といった比較的長距離の路線で使われています。
長時間の乗車にも耐えられるよう、
卵形をした広幅の車体や、空気ばね台車、シートピッチの広いボックスシートが採用されています。

今日もパリにしては強い雨が降り、10°C台前半と寒いですが、
この車両は暖房がよく効くため、今日のような日にはうれしいですね。
楽しく歌って、帰りもこの車両に乗車30分ほど。暖かく帰ってきました。