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未明に起こった貨物の脱線ですが、横転などはなく、
脱輪であり、誰もけが人が出なかったのは幸いです。



札幌駅のコンコースでは、次々と放送がかかります。

函館方面は唯一、13:17発と、14:52発の臨時特急が運行されるようです。
それぞれ8両編成、グリーン車1両を除いて、全車自由席。
ただし、事故区間を跨ぐ八雲駅~森駅間はバスによる代行運転とのこと。

「トワイライトエクスプレスは函館駅からの運行となります」
全区間運休という、最悪の事態は免れました。

「トワイライトエクスプレスのお客様は14:52の臨時特急にご乗車になり、
函館駅でお乗換えください」

とのことですが、その前に行ってしまいましょう。
駅係員さんに確認すると、OKとのこと。
13:17の名無しの臨時特急に乗ります。


乗車前にお昼ごはんを調達します。

駅前にある「佐藤水産」の本店。
札幌の知人に聞いてみたところ、
お歳暮となると、こぞってこのお店の水産加工品を、
というぐらいに老舗のようです。

知人お勧め、新千歳空港の空弁として人気の「石狩鮨」880円を所望。
(本当は、えびの入った980円を、とも思いましたが、売り切れでした)


ホームに上がると、各乗車位置に行列が。
でも、目視で数えたところ、何とか座れそうです。




札幌駅、風情のあるいい駅です。
近郊列車が次々と到着し人を吐き出す都会的な面と、
「旭川」「釧路」「帯広」「網走」「函館」「稚内」
といった道内各地の地名を聞きながら、特急を待つ人たちはのんびりとしていて、対照的です。
コンコースは明るく、活気がありますが、
屋根で覆われたほの暗いホームは、落ち着きを与えてくれます。
三点チャイムで始まる構内放送も、優雅で上品な感じです。
ブログ主の大好きな駅のひとつです。


列車が13:01に入線し、折り返しの清掃を済ませると、
すぐに乗車でした。


無印の臨時特急ということですが、
ダイヤ上は、特急「北斗14号」と同じ時刻で走っていきます。
通常、速達便の「スーパー北斗」号に使われる高性能のキハ283系は
性能をもてあましつつ、律儀に八雲まで。
札幌発車時点では少々の立ち客、それがだんだんと増えてきます。
デッキがいっぱいになってしまいました。



「石狩鮨」うまい!





15:47、八雲に到着です。500人~600人が、一斉に改札口、そして駅前広場のバスを目指します。
が、そこは日本、折り目正しく着実に進んで行きます。
JRの係員さんによる誘導もよくできてる。
「駅前広場が狭いため、バス2台ずつのご案内となり、
80名様から90名様ずつ順次ご案内していきます。
バスは14台から15台を用意しておりますのでご安心ください」
昔、南仏のアルル(Arles)や、モナコ(Monaco)で同じ目にあいましたが、
横入りが横行し、係員に対する罵声の嵐だったのが印象的です。
どちらも代行バスはなかったため、咄嗟の判断で民間バスに乗り換えましたが、
情報のなかった人たち、どうなったんでしょうか。

駅舎から出て、バスに乗ろうかというときに、
道新(北海道新聞)の取材に会いました。駅舎からバスまでの30秒程度のことです。
記者「今日はどちらからいらっしゃいましたか」
ブログ主「札幌からです」
記「今回JRを使われるのは、お仕事ですか」
主「休暇です。札幌からトワイライトエクスプレスに乗ろうとしたら、
函館始発になったので、特急とバスで函館まで」
記「どちらからいらっしゃいましたか」
主「静岡県からです」
記「静岡のどちらでしょう」
主「(おらが町の名前じゃわかんないだろうな)三島市からです」
記「失礼ですが、おいくつですか」
主「3×歳です(しまった、一歳多く答えてしまった)」
記「どのくらい北海道に滞在されたのですか」
主「一週間です」
記「このようなことになって、どういった風にお考えですか。
いやですよねー。」
主「自然災害なので、何も文句は言えないかなと思います」
記「でも疲れたでしょう?」
主「いえ、大丈夫ですよ」
(何かしら不満を引き出したいという態度が見え見えである)
記「でも、帰ったら仕事でしょ」
主「そうですね」
記「失礼ですが、お名前を」
主「富士山太郎兵衛(仮名)です(本名答えておきました)」
記「ところで、会社員さんですか」
もうバスの入り口まで来たので、
フランス在住とか、という複雑な説明が面倒になる。
主「あ、そうでーす」
記「どうも大変なところ、ありがとうございました」
こうやって、「Uターンラッシュに乗客うんざり」とかという、
あらかじめ用意されたストーリーの記事ができるんだな、
と、複雑な思いになりました。明日の朝刊が愉しみ。
ただし、それが出るころには、本人は富山県~石川県を走っていて、道新を拝めない・・・


次々とバスに乗り込んでいきます。
私のバスは、函館バスの観光タイプ。
運賃箱や運賃表示機も付いて、普段は瀬棚方面とかに使っているのでしょうか。


八雲駅を出て、国道5号を進んでいきます。
すぐに、運転手さんが、「こちらが脱線現場です。下をご覧ください」と放送してくれました。

高架橋から下を見ると、確かに、機関車と、途中2両のコンテナ車が脱線しているような。





早く復旧工事に取り掛かりたいところですが、
国土交通省のお役人さんが東京から来て事故調査をするために、
現状保全しなければならないのでしょう。




約50分で森駅に到着です。


トワイライトは停車せず、そのため本来買うことのできない駅弁「いかめし」を、
駅前の柴田商店で買います。
各地で行われるデパートの駅弁大会で、人気ナンバーワンを掬い取っていくツワモノです。




森17:29発「スーパー北斗16号」のダイヤに乗った臨時特急で函館まで。


大沼国定公園の大沼と駒ケ岳。
これを見ると、北海道に来た、または北海道から帰るという気分になります。


小駅「渡島大野」駅では、北海道新幹線「新函館」駅(仮称)となるための大規模工事が行われています。
この開業が、トワイライトの命脈を尽きさせるのか?


停車中のトワイライト車両の横を掠めて、18:09、函館に到着です。




18:15頃、待ちに待った、我らがトワイライトエクスプレスの入線です。

次回に続く。