4月6日(水)憲法審査会が開催され、出席しました。この日は、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査として、特に憲法第56条第1項の「出席」に関する議論を中心として、参考人質疑を行いました。はじめに、九州大学大学院法学研究員の赤坂幸一教授より、「端的にオンライン国会の導入の可否ということに焦点をあて」話題提供を頂きました。赤坂教授はドイツ連邦議会での事例を取り上げ、「緊急事態」の条件の幅が広すぎることと、議事規則で定足数の調整やディスタンスの確保ができるため、憲法改正の必要がないという議論に至ったことを述べられました。また、日本においては、本会議と委員会の役割分担において、本会議においては国民の代表であるという理念からオンライン審議はごく限定的とし、委員会は作業議会としての性格をもつ部分についてはオンライン審議を認めでも良いのではないか、との意見を述べられました。つづいて意見陳述を行った早稲田大学大学院法務研究科の長谷部恭男教授は、国会議員の「出席」の意義について、「全国民を代表するという職責と切り離して議論することはできない」と冒頭明確に述べられました。憲法には、両議員は、各々総議員の1/3以上の出席がなければ、議事を開き議決することができないと規定されており、個々の国会議員が現実に会議に出席することに、統一体としての全国民を目に見える形で代表するという象徴的な意味があるとして、オンラインにおいてその場に現前しない者を現前したことにするならば、それを可能とする明文の憲法の規定が必要であるとの意見が述べられました。しかしながら、パンデミックの蔓延といった特殊な事情で国会議員が実際に集会すること自体が困難となり、オンライン会議を認めない限り、国会としての最低限の機能を果たすことができないという例外的な事情がある場合において、必要最小限の範囲においてオンライン会議開催を認めるというのはあり得るのではないか、との意見を結論として述べられました。
足立は、まず、お二人の参考人に対し謝意を述べた上で、国民民主党としては、緊急事態においてなお、三権の機能を保つこと、そのためには何が必要かということを議論すべきと考えていることを述べ、そのために、緊急事態で異例の措置をとるということを明文化する場合の「目的」をしっかり書くべきではないか、と長谷部教授に質問しました。長谷部教授はドイツとフランスの場合を例に挙げ、それぞれ国の在り方や憲法成立の経緯が全く違うため、日本でも緊急事態というものを考えるのであれば、一体どういう事態のことを想定できるのかということを分かっていないと、条項について議論することは難しいのではないか、と述べられました。