5月28日(木)厚生労働委員会において「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案」の審議が行われ、60分の質問を行いました。法案に対する質問に先立ち、新型コロナウイルス感染症関連の質問として、政府が5月半ばに保険適用を行い各医療機関等に検査キットを配布した「抗原検査」と従来の「PCR検査」を併用する検査の流れについて確認をとりましたが、政府の回答が曖昧だったため、改めて整理を行うよう要請しました。続いて前回の委員会で質問し、理事会への報告事項となっていたアビガンの有効性を示唆する研究結果について、本日の委員会前の理事会で回答があったため各委員に共有すべく報告を行いました。足立はこの結果では不十分であり、きちんと計画された治験結果を待つべきであると述べ、改めて「きちんとした結果を出すための臨床研究はルールを変えてはいけない」ということと「科学を軽視する政治はダメ」であると強く主張しました。

 法案審議では、前回の審議に引き続き基礎年金部分の底上げの重要性についていくつか質問を行いました。このまま基礎年金にマクロ経済スライドが適用され続け、基礎年金の所得代替率が低下していくと、所得再分配機能が下がる上、低年金者が増え、生活保護世帯が増えるなど悪循環が起こってくる可能性が高いという懸念を述べた上で、今回の被用者保険の適用拡大により基礎年金の底上げがある程度期待できるものの、やはり基礎年金そのものの検討が必要なのではないか、と政府に問いました。大臣からも「年金部会での検討だけでいいのか、という思いもあり、幅広く議論していく必要がある」との認識が示されたため、足立は「国民会議のような大きな会議体で、社会保障全体をどう考えるかという議論が必要であろう」と意見を述べました。また年金積立金の運用について、2016年の法改正時の参議院附帯決議でも検討事項となっていたGPIFの経営委員会における被保険者(労働側)代表の数について、委員10名中1名というのはやはり問題ではないかと質問しました。加えて、年金積立金の運用はもっぱら被保険者のために行われるべきであり、そのためには委員構成は極めて重要であると意見を述べました。質疑終局後採決が行われ、賛成多数で法案は原案通り可決しました。採決ののち、12項目の附帯決議案を足立が代表して読み上げ、賛成多数で決議されました。