5月15日(火)厚生労働委員会が開催され、医療法及び医師法の一部を改正する法律案について日本医師会の今村聡副会長、産業医科大学医学部の松田直哉教授、全国市長会副会長の立谷秀清相馬市長、全国医師ユニオンの植山直人代表をお招きして参考人質疑を行いました。医師の労働時間を長くしている原因が事務作業、患者への説明時間であることからPA(フィジカルアシスタント)を広げるべきではないか、今後の二次医療圏の範囲を見直す必要性についてどう考えるか、県境問題、偏在対策、臨床研修の指定の権限が強まる都道府県知事が果たして出来るか、最後に今後二交代の多い医療機関や介護施設で労働条件に合わせられるかを各参考人に質問しました。

午後の質疑時間には、前回の厚生労働省の質問であきらかになった「オンコール(待機時間)は使用者の明示又は黙示の指示があれば労働時間となる」ことから、さらに「使用者」の範囲について質問しました。山越労働基準局長は待機時間については一定の基準はなく、個別の判断になると前回の答弁を修正した上で、使用者とは一般的に病院長、介護施設長あるいは院長から労働基準法上の権限を与えられている者が該当となると答弁があり、労働時間と使用者についての定義が明確になりました。

医師偏在対策についての質問には、医師養成課程の在り方が影響しており、一体的な見直しが議論されており、偏在指数の詳細な制度設計についても法案成立後に議論し、医師確保計画の策定方法を平成30年度中に明らかにしていきたいと答弁がありました。都道府県知事の権限委譲については、広域間調整については厚労省が間に立ち、県境問題については県と県の間で協議が必要になるので、引き続き問題意識を持って検討することを求めました。最後に病院の人事や経済的インセンティブでは医師の偏在の解消にはならない事や、公立病院の病院長人事の問題点にも触れました。