4月19日(木)厚生労働委員会が開催され、「医療法及び医師法の一部を改正する法律案」についての質疑を行いました。

今回の法案の趣旨は、医師の地域偏在と診療科の偏在をどう解消するのか、医師の少ない地域で勤務が出来るよう環境整備を図る予算措置を行うこと。また、地域医療対策協議会は都道府県と大学と医師会、医療機関などで構成し、医師確保計画に定められる医師確保対策の具体的な協議やその役割分担に関する関係者間の調整を一元的に行う場として位置づけ、地域医療支援センターは協議が調った事項に基づき医療派遣事務、キャリア形成プログラムの策定など、医師確保対策の実地拠点として関係及び役割と機能を明確化するよう整理されています。

インターネットのアンケートでは、日本はアメリカに比べ、実際に医師として働いている親が子どもや友人に医師を勧めないという結果が出ており、「日本の医師は勤務時間が長く責任が重い、ストレスが多く自分の命を削っている。これを解決する最も重要なことは厚生労働省でも検討されているタクスシフティングであり、医師以外が出来ることは医師以外の業種が行う事が重要ではないか。」と質問しました。更に、厚労省の勤務実態調査では、他職種との分担可能な業務として、患者への説明や合意形成に費やす時間は1日82分で、分担できると答えた人は8%であり、医療記録の作成は1日93分で分担できると答えた人は14%となっている点を厚労省はどう捉えているのか質問しました。武田医政局長から「医師に関しては長時間労働の実態がある一方で、応招義務など特殊性を踏まえた対応が必要であるが、検査手順の代行入力など原則医師以外の職種に分担することで軽減しているが更にタスクシフトできるか検討していきたい。」と答弁がありました。全国自治体病院協議会のアンケートでも、労働時間管理の適正化に向けた取り組みや、医療機関の状況に応じた労働時間短縮に向けた取り組みが出来ていないと答えた割合が高かったことに関しての質問では「医師が診療のために勉強する時間、症例をとりまとめる時間は使用者の指揮命令下に置かれている場合は労働時間に該当する。」「オンコール(待機時間)は労働基準法上、労働時間に含める。」ことが確認できました。地域枠の学生に対する奨学金については「奨学金は医学部6年間で約1,200万円、貸付金利は10%前後。卒業後の義務については地域勤務9年間であることから臨床研修制度、診療研修病院の選択の制限にかかるのでは。これほど義務があれば臨床経験を積みたいと思った人は海外の進学を選ぶ人が増えてしまうのではないか。」と指摘しました。