育児書とのつきあい方には人ぞれぞれだと思いますが、
私の場合、ほどほどに距離をとって、ということを心がけて読むようにしています。
育児書というものは、参考になることもありますが、それを信じすぎると
結局そのことに、がんじがらめになって、逆に不安を抱くことにもなるからです。
しかしながら今まで経験したことのない育児と日々、向き合っている中において、
次から次へと課題や問題がでてくるので、知識として知っておくことは、
自分をサポートしてくれる強い味方になってくれるのではないでしょうか?
所有している育児書を、ブログの中で少しずつ紹介したいと思いますが、今回は、
≪育児の百科≫
岩波書店 松田道雄著という本です。
1967年初版
最近では、文庫本が出ているそうで、
カヒミ・カリィさんが読んでいるのを雑誌でみかけたのを記憶しています。
その時、なんだか見たことある本だなぁ・・・と、
(どうやら文庫本になっても、表紙は変わっていないようです・・・。)
妊娠中や里帰りの期間、
母親は、ことあるごとに、声を出して私に読んでくれていました。
妊娠中は、これから産まれてきてくれるであろう子供のことを考えながら、
産まれてからは、目の前にいる子供のことを考えながら、
一生懸命、私と私の子供のことを思ってくれていた、
母親の愛情込みの大切な本です。
1歳までは月ごとに、その後は半年、1年単位で区切ってあり、
小学校にあがる頃まで読めます。
なので一気に読む必要もないし、何か気になった時に、
その箇所を読めばいいので、苦になりません。
開いたページがまた素敵!!
時代を感じさせますね~。
しかし育児本というと、最近では子供らしい色使いや、カラフルなものが多い中、
このようなデザインのものは新鮮!!
まだまだ大人と子供のラインがきっちり分けられていた時代だったんだなぁと、
想像することができます。
生活が豊かになり、今までみたことのないものがどんどん生まれる・・・。
この一瞬の時代だけを切り取ってみれば、
新しいもの・斬新さが万人に受け入れられ、
ものづくりやデザインする人、そして消費する人には、
いい意味で刺激もあり、勢いがあったのかもしれません・・・。
近年、子供の欲求に対して、社会の過剰な提供には
戸惑いや違和感を感じることが多々あります。
ただ、何かに批判するのは簡単ですが、自分自身も流されるだけではなく、
大切にしたいと思うことをしっかりと子供に伝えていく努力をしないと、
いけないなと思います。
目次ごとに色の紙が入り、いわさきちひろさんのかわいい挿絵が・・・
微妙な色合いのものがたくさん使われていてとても素敵・・・。
まるで作品集みたい。
そういえば彼女の映画≪いわさきちひろ~27歳の旅立ち~≫が、
上映中ですよね・・・。今はなかなか時間がとれないので、
またオンデマンドで配信されたら、是非購入して観てみたいなと思います。
本の内容は、その月齢に対しての注意点や病気・健康、
成長のようす・生活においての話。
また、ところどころに、「家をきっちり片付けるよりも、その時間、
子供と散歩にでる方がいいですよ」というような感じのことが書かれてあります。
あれもこれも頑張ってしまいがちな母親を、ラクにさせてくれるような内容もあり、
母も当時は、この本を読んで気持ちがラクになったと話していました。
言葉をくだき、わかりやすく解説していてあるということと、
親子の関係・子供や親に対して、思いやりが感じられる、
やさしくて読みやすい本です。
まるで、ひとつの長い長い物語を読んでいるよう・・・
初版からの年月の経過や、育児の研究によって、
ある部分では、定説が覆されたりしてますが、
それよりも納得できるところや、精神的にラクになることの方が多いので、
自分が参考になる箇所だけをひろいあげていきます。
私の場合は、それくらいの気持ちで読んだ方が効果的なようです。
育児書は強い味方ですが、見方も大切です。
額装業をされている知人からいただいたもの。
ふんわりとした絵は、そんなに好みではありませんでしたが、
子供の出産をキッカケに、この育児書と絵が我が家にやってきて、
見れば見るほど、いわさきちひろさんの絵が好きになりました。
赤ちゃんのふわふわした愛くるしさとあいまって、変化が生じたのでしょうか?
子供の存在によって、私の価値観の一部が塗り替えられた瞬間です。
安曇野に保養所があり、毎年信州旅行にいっていたので、
ちひろ美術館にも以前に家族で訪れたことがあります。
緑いっぱいの自然の中にある素敵な美術館なので、
機会があれば、いつか娘と一緒にいってみたいなと思います・・・。
育児書のブログ