世間では今年もコロナ禍に関係なく入試の季節になりました鉛筆

早々と試験を済まされました受験生の皆様は、合格発表を前にさぞかしドキドキドキドキされておられることでしょう。そういえば私もそうでした

振り返ると懐かしいですねクローバー

 

実はいま、産婦人科医、特に不妊治療に関わる医師にとってはとっても大事な試験の合格発表の時期です。

『日本生殖医学会認定の生殖医療専門医試験』

 

すべての診療科のドクターは国家試験に合格し医師免許を取得したのも束の間…

その先には各科専門医試験が待っています。

医師人生をあきらめていない限り、ほぼすべてのドクターはこの専門医試験の合格を目指して日夜、研鑽を積んでいます。

国家試験を突破しても、うかうかしていられませんあせる

 

専門医試験は全部で数十種類ありますが、その中でも最も難しくかつ価値があるとされている資格の一つに、この生殖医療専門医があります。いわば生殖医療のスペシャリストとしてのお墨付きです宝石赤

 

体外受精(IVF)に代表される高度生殖医療に携わっている産婦人科医と泌尿器科医が受験対象で、今までに700名余りがその資格を取得しています。

現在、そのうちの約半数のドクターが首都圏で診療を行っており、その一方で生殖医療専門医が2~3名あるいは1名しかおられない県もあります。このように専門医の数の地域差は大きく、それがそのままその地域で受けることのできる生殖医療の質に結びついているような気がします。

京都府の生殖医療専門医は全員で16名です。そのうち当院の医師が6名(市岡泌尿器科クリニックの市岡先生を入れると7名)を占め、医師数では全国有数を誇ります。滋賀県も12名と全国平均をかなり上回りますね。

この生殖医療専門医の数が京滋地域の生殖医療レベルの高さを物語っているといえます。

全国の生殖医療専門医名簿のURLを添付しておきました。遠方へ引っ越しの際などのクリニック選びの大事な指標となりますのでご覧ください。

 

 

生殖医療専門医の資格は数ある専門医の中でも最も価値の高いものの1つ、難しいもの1つだと言われています。

受験資格もまず、産婦人科専門医、泌尿器科専門医資格を取得していることが必須です。

また試験に2回落ちた3回落ちたと言う話もよく聞きます。

私が平成18年に試験を受けた時も非常に難しい問題で難儀しました。

 

その時の状況を説明しますと…

試験中は、久々に持った鉛筆なめなめ(マークシートでした)

「だれや?こんな重箱の隅ほじくったような問題作ったの?」

「自分やったらもっと良問作るわ。」

と何の生産性もない言葉をブツブツつぶやきながら問題を解いていた記憶がありますニコニコ

 

隣の席が、超博学でありますIVF大阪の福田愛作先生(尊敬しております京大研究室の大先輩)で、試験の後、二人で顔を見合わせて「難しかった!」と同じ言葉を一言。

「通るかどうか分からんな」と福田先生がポツリ…。

「エーー!!」「じゃ、私はどうなるの?…滝汗 福田先生落ちたら僕100%落ちるやん。」と大変不安でした。

幸い、訳わからないまま合格通知桜をいただきましたが、資格取得後にもさらに試練が待っています。

5年ごとの資格見直し基準をクリアしなければ資格は容赦なく剥奪されます。

実際、剥奪されかけたという人も何人かいて、実はみんな結構恐れています。

もう少しゆるくしてほしいのが本音です。

まあこの厳しさがあるのでサボらずに生殖医療の勉学に励んでいるところはありますが。

 

その分この資格のメリットも大きいです。

不妊治療全般をつかさどる日本産科婦人科学会の会告には「IVFなどの高度生殖医療を提供する施設には生殖医療専門医がいることが望ましい」と明記されているからです。「望ましい」との表現ですので、資格を持っていなくても不妊治療施設として開業することは可能ですし、実際にこの生殖医療専門医の資格を持たずに開業している方もたくさんおられます。

しかし、やはり生殖医療専門医としての誇りと苦労して培った技術を持って大切な患者様の診療にあたりたいですよね。

当院では現在、このような高い志をもったドクターがさらに数名、スペシャリストに成るべく生殖医療専門医の取得を目指して研鑽を積んでおります。将来的には常勤の生殖医療専門医数日本一富士山を目指してます。

そのことがそのままこの地域での不妊治療レベルの向上につながると信じておりますのでニコ

どうぞご期待くださいビックリマーク