今回から卵子の話の本題に入るわけですが、最初に身近にある電気製品のコンセントを見てみましょう。標準的~少し小さめのものを見てください。
それが大まかな卵巣の大きさです。
この卵巣は子宮の横にひも状のものでくっついております。コンセントについているコードと同じ構造です。このコードでお腹の中でブラブラしているわけですね。
このひも状のものは卵巣固有靭帯と呼ばれていて、中に2本の血管(卵巣動脈と卵巣静脈)が通っています。コードの中にある2本の電線の束と同じです。この卵巣動脈を通る血液で卵巣・卵子は養われています。
実際のところ靭帯は、コードよりやや細くて、血管は電線の束よりさらに細いです。
卵子は卵巣の表皮のすぐ下、コンセントで言いますと表面のビニール直下に、全周囲にわたりちりばめられたように存在します。
そしてご存知のように、卵巣内の卵子は生まれた後はその数が増えることはありません。
生まれた時には誰しも数十万個の卵子を持っていますが、それが生涯にわたり減るいっぽうになります。
毎月の排卵で1個ずつなくなっていきますがその数は知れています。
計算してみますと、閉経までに40年間、毎月排卵を続けるとして、それが年に12回ですから計480個が使われるのみです。
その他はどうなるのか?
自然消滅していきます。
一日に数個~10個、1か月に100個~300個が所有者の意思とは関係なく消えていきます。
皆さま、小学生のときとかに、頭をぶつけた時に、
「痛~っ!いまおれの脳細胞が1万個破壊された~」とよく言っていたと思いますが、
(えっ、言ってたことない!?)
卵子も脳細胞と同様(?)、何らかの外的な要因でこの消滅のスピードが速まります。
そしてこの消滅のカギを握っているのが、卵巣動脈を流れる血液の量と質です。
卵子はこの血液だけが頼りです。
いわば、生まれたての赤ちゃんとお母さんが与えるミルクとの関係に似ていますね。
赤ちゃんは自分で食べることができません。お母さんのミルクだけが命綱です。
ミルク不足やミルクの質が悪いとミルクだけが頼りの赤ちゃんにとっては大変深刻な事態となってしまうわけです。
続く