皆様、寒中お見舞い申し上げます。早いものでもう1月の半ばです。新年早々、わたくしの住居の周りは山ぎわのためか、病院のある中京の街中とは比較にならないほどの大雪でいろいろと大変でした。近所では雪まつり並みのレベルのトトロやふなっしーの雪像が出現し、楽しませてもらいましたが、わたくし的には今もなお雪かきによる筋肉痛が残って、階段を下りる時にはまだぎこちない格好となっております。

寒波の度重なる襲来で大荒れの年末年始の天候とは裏腹に、当外来の治療成績はここ最近好調で、昨年12月に妊娠された方は月間で過去最高の166名となりました。今月も、もうすでに50名に達しており本当にうれしい限りです。何よりも皆様のご懐妊がわれわれの日々の診療のエネルギー源となります!

前置が長くなりましたが、昨年より持ち越しておりますブログの続きを始めたいと思います。

前回お話しましたようにわたくしは日本の生殖補助医療の変遷を25年ほど前より見て参りました。その間、顕微授精の開発や、胚や卵子の新しい凍結法の開発、新型の培養液や培養庫の登場など本当に多くの人々の福音となる技術革新が起こりました。今の生殖補助医療は技術面ではほぼ成熟状態にあり、大変満足のいくものであると言っても過言ではありません。しかし、
 
わたくしとしましては現時点で強い不満を持っているまだ手つかずの課題があると感じています。

それは我が国の治療費用です。

とにかく高い!!

我が国のみならず全世界的に生殖補助医療の治療費は諸物価や他の疾患の治療費用に比較して割高です。アメリカやオーストラリアでは体外受精1回あたり100万円を超えるという話です。この料金は尋常ではありません。当院の治療費の3倍にあたります。

しかし、日本も「生殖補助医療」の用語と同じく、当初からこの高い料金設定(100万円まで高くはないですが)を欧米から導入してしまいました。

できれば他業種の料金や賃金などを鑑みて、もう少し安価な日本独自の料金体系を設定したほうが良かったのではないかと考えます。お子様をこの手に抱きたいという患者様にとって必要な生殖補助医療の治療費が、美容整形並みの料金体系というのはやはりおかしいのではないかと感じています。

当院では、開設当初より診療レベルを最高に保ちながら、できるだけ安い料金設定を目指すという方針を掲げてきました。高く初期設定された我が国の料金体系を是正すべく今後もそれを堅持して、少しでも安い治療費用で最高レベルの「生殖補助医療」を提供できるようこだわっていきたいと考えています。

実はここから本題に入っていくのですが、長くなりましたので、別のこだわりを含めましてまた次の機会にお話しいたしたいと思います。
それでは皆様、本年もスタッフ一同、頑張ってサポートいたしますのでよろしくお願いいたしますビックリマーク