体外受精を考えている方々へ | 足立産婦人科クリニックのブログ

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昭和57年より開設された北海道釧路市の産婦人科クリニックです。
女性の思春期、成熟期から更年期、老年期まで、
あらゆる悩みに対してお役に立てるようなクリニックを目指しています。様々な情報を発信していきます。

体外受精を考えている場合、どのタイミングで受診をしたらよいのか?がわからない方もいらっしゃると思います。

体外受精にstep upするかどうかがわからない あるいは悩んでいる という段階であれば、まずその時点で一度受診をしていただく形でよいかと思います。

一般不妊治療から体外受精にstep upすることが決まっている方や、卵管病変や精液所見不良 あるいは前回妊娠時に受精障害などがあり今回も体外受精を希望される方に関しては、まずは体外受精のために必要な採血検査 を受けていただくことをお勧めします。排卵できる卵の数を確認するAMH採血や、感染症採血 などです。結果は約1週間程度で揃います。

結果が出たら一度ご夫婦で来院していただき、体外受精についてのお話(方法や注意点、費用など)をします。HPの体外受精についての項目をあらかじめ読んでおくと、お話がわかりやすいかと思います。

ご夫婦で来院される時間帯についてですが、10時半すぎまで体外受精に関連した処置が入っていることが多く、午前は11時〜12時代 であればお話がしやすいことが多いです。午後は混み具合にもよりますが、ご都合のよい時間にひとまず来ていただいて大丈夫です。

検査とご夫婦への説明が終わりましたら、あとは体外受精を開始する具体的なスケジュールを組み治療を進めていきます。


採卵について。

卵巣の刺激方法は様々です。年齢やAMHの値、それまでの経緯などにより、個々に合った刺激法をお勧めします。大体は月経3日目頃から薬を開始し、月経から2週間あたりの時期に採卵になることが多いです。

採卵は朝来院し、9時半または10時半に行います。卵の個数が少ない場合は1-5分程度で終わります。卵の個数が多い場合は、10-30分です。

局所麻酔の方は採卵終了し30-60分後に診察し、問題がなければ帰宅します。静脈麻酔の方は、麻酔から覚めて診察後に帰りますので、大体昼までには帰宅になります。

採卵日は精液が必要です。

刺激法にもよりますが、月経中に受診、その後は約1週間後、その数日後に受診し採卵が決まるケースが多いです。


採卵後は、翌週に外来受診があります。

大体採卵から1,2週で月経がまた来ます。卵巣の腫れが治っていれば、そこから移植の周期に入れます。


月経より2週間後に診察し、結果が問題なければ大体は翌週、15-16時代に移植をします。移植は麻酔が不要であり、5分程度で終わります。


移植から9-10日あたりで妊娠判定の採血をします。


大まかな流れはこのような形になります。


あとは、保険診療での体外受精であれば、高額療養費制度を利用できます。自己負担額が限度額を超えたら払い戻しを受けられます。体外受精を考えている方は、限度額適用認定証を取得しておくとよいと思います。

そして、婚姻されているか あるいは事実婚であるかを確認するため、戸籍謄本か関係性がわかる住民票を拝見させていただくことになります。


体外受精について保険診療の適応になるのは、採卵に向けての卵巣刺激の薬剤を開始した時点での年齢が42歳 までとなります。

採卵については回数制限はありません。

治療開始時点の年齢が39歳以下の場合、6回まで保険診療での胚移植が可能です。治療開始時点が40-42歳であれば、3回までの保険診療の胚移植が可能です。

出産した場合は、それまでの胚移植の回数はリセットされます。次の妊娠を目指し治療を開始する際のご年齢が39歳以下なら新たに6回、40-42歳であれば新たに3回の胚移植が保険診療で可能です。


比較的よく受ける質問について、お伝えいたしました。

確認をよろしくお願いいたします。