更年期症状はどうしたらよい? | 足立産婦人科クリニックのブログ

足立産婦人科クリニックのブログ

昭和57年より開設された北海道釧路市の産婦人科クリニックです。
女性の思春期、成熟期から更年期、老年期まで、
あらゆる悩みに対してお役に立てるようなクリニックを目指しています。様々な情報を発信していきます。

「何だかだるい」

「いつもは普通にできていたことが、最近できない」

「なぜかやる気がでない」

「よく落ち込んでしまったり、急にイライラしたりする」

「何となく不安になり、車の運転が心配になった。トンネルとかに入ると何だか不安」

「肩がこり、めまいや動悸、頭痛がひどい」

「自分だけ、首から上があつくて仕方ない」

「何だか寝付けない」

「寝汗がびっしょり!」

「関節が痛いような気がする」


40代半ばになり、こんな症状で悩む方がいらっしゃると思います。もしかしたら更年期?!?と。

このくらいの年齢になると、関節も痛むし代謝も落ちてきます。体力も減り、疲れやすくもなります。月経が不順になったり、ホルモンバランスが乱れ始めて様々な症状が出やすいです。

そして高血圧などの内科疾患、耳鼻科や脳神経外科の疾患も出やすい年齢でもあります。それらの病気が隠れていないかを調べる必要はありますが、最終的には更年期障害であるケースがかなりあります。

体調が悪いと不安感が増してくるし、そうしたらもっと体調が悪くなる…    という感じでしょうか。


では更年期障害はどう治療をしたらよいのか??

まずは漢方療法が一つあります。

症状が比較的軽い場合や、主に精神的な症状が目立つ場合、他の治療法をお勧めしづらい持病がある場合、ホルモン治療に抵抗を感じていらっしゃる場合、などでは、患者様の症状や体質に合いそうな漢方を提案しております。


次に、ホルモン療法があります。

漢方療法では効果が乏しい場合、症状が比較的重たく日常生活にかなり支障が出ている場合、特にほてりや汗がひどい場合、などでホルモン療法を行います。子宮筋腫や内膜症、内膜ポリープ などがまれに発生したり増大したりすることがあるため、定期的に検査を行う必要があります。

内服、ジェル、テープやパッチ の方法があります。どれも基本的には効果は同程度ですが、不正出血などの症状や患者様の試したい方法等考慮しながら治療しています。


もう一つは、プラセンタ注射です。

ヒトの胎盤から抽出された成分であり、更年期障害に対する効果、以外にも美肌・アンチエイジング効果、疲労回復、自律神経症状や肩こりに対する効果、なども見込めます。一度注射をした場合には献血はできません。大きな副作用はほぼありません。

内服のサプリよりも体内に吸収される量が多く、効果が大きくなります。

現在は一時的に全国で出荷停止となっていましたが、6月中旬頃より治療再開できる予定です。


この3つが主な治療法です。

特に不眠が続くなどあれば軽い入眠剤を併用する など、患者さんの状態に合わせて調整しています。


これ以外には、更年期障害だけの治療 というわけではありませんが、例えば疲労感が気になる時にはビタミン注射や白玉注射(アミノ酸)を行うこともあります。

薄毛が気になる時には毛根の代謝を高めるビタミン注射、代謝が衰え体重が増える時にはダイエット注射 を提案することもあります。自費診療です。


ちなみに60歳以上の方は更年期の期間は過ぎていますが、引き継ぎ症状が続く場合があります。

60歳以上になり新規でホルモン治療をすることは副作用などの面からお勧めできないのですが、症状に応じて様々な治療法を行います。

また、閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM)も出現しやすくなります。具体的には膣や外陰部の症状や性交痛、排尿障害などです。エストロゲン膣剤やジェルなどの選択肢があります。


更年期障害は患者さん自身にしかわからない自覚症状であるため、周りの人にはなかなか理解してもらえずつらい思いをすることもあるかと思います。

当院では様々な選択肢を用意しておりますので、更年期症状が気になる時はお気軽にいらしてください。