6月18日国会質疑

 

令和6年6月18日の参政党神谷代表国会質疑です。以下のように、5つの質問が行われました。

 

1 スタグフレーション回避のための日銀の見解

2 減税と財政支出に対する財務省の見解

3 外資に投資を呼びかける目的

4 外国人による政治献金禁止の趣旨

5 民間投資に外資を受け入れることの違い

 

経済で参政党が一貫して訴えているのは、減税と財政支出(積極財政)です。

国内における日本のインフラ投資のために、政府が大胆にお金を拠出することで、国民や企業の需要にこたえ、景気の回復、将来の希望へとつながります。

そして、減税や財政支出のためには、日銀・銀行が国債買取などの資金供給を行う必要があります。

 

今は政府が減税や財政支出の意思なく、日銀も資金供給をせず、専ら外資のマネーを呼び込もうとしています。

これでは、日本企業が貧しくなり、外資から金を借り、やがては外資に買われていくだけです。

 

国民の資金も、ゆうちょ・年金運用の金、そしてNISAの金も、一定割合は海外へ流れています。

政府の減税や財政出動等によるマネー供給が乏しいので、国民や企業は金を借り、利払いで苦しんでいます。

 

スタグフレーション回避、減税、財政出動、外資への警戒、投資移民について 参議院議員 神谷宗幣 国会質疑 令和6年6月18日 参政党

 

 

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やりとりの概略(正確な反訳ではありません)

 

1 スタグフレーション回避のための日銀の見解

(質問)

現在日本経済は1-3月期にマイナス成長を記録し、3期連続で成長が見られない状況。物価高の影響で個人消費が低迷し、スタグフレーションの状況にあるとの見方もある。日銀はスタグフレーション回避のためにどのような方策を考えておられるか。

 

(回答)植田和男日銀総裁

本年第一四半期の実質GDP成長率だが、個人消費の影響を受けて、前期比で-0.5%となった。

消費については物価上昇の影響、特に非耐久財等で見られている、さらに年初来の一部自動車メーカーの出荷停止による自動車販売の減少も、一時的な下押し要因として作用している。ただ、名目賃金が緩やかに増加している中で、サービス消費はある程度維持している。全体としてみれば、個人消費は底堅く推移していると判断している。

先行きは、春闘の結果が反映される形で名目賃金の上昇率が伸びを高めている、既往の緩い物価上昇を起点とした価格転嫁の影響は落ち着いていく。個人消費は緩やかに増加、景気が緩やかな回復を続けていくとみている。

したがって、我が国経済が高い物価の上昇率と景気の後退が併存する、スタグフレーションに陥るとは今のところ考えていない。

日本銀行は2%の物価安定の目標のもとで、持続的安定的な実現という観点から適切に金融政策を運営する方針。

 

2 減税と財政支出に対する財務省の見解

(質問)

総裁は、4月の金融政策決定会合後の会見で、「消費がもう少し強い動きを示していくことに期待感を持っている」とおっしゃられたが、消費の活性化は日銀ではできない。物価と賃金の好循環という話もあるが、ここに消費も好循環しないとどうしようもない。日銀がどれだけいい政策をやっても財政政策がかみ合っていないとスタグフレーションになってしまう可能性がある。

財政をみると、24年6月11日「骨太の方針」の原案では、「2025年度の国地方合わせたプライマリーバランス黒字化を目指す」と記載されている。14日には鈴木大臣も「原案では財政健全化の旗を降ろさず、2025年度の基礎的財政収支の黒字化という目標に引き続き取り組む、財政健全化に向けた姿勢はいささかも後退していない」と強調している。

しかし経済は生き物であり、日本政府の純利払費はG7の中でも1、2番目に低い、日本経済を不健全ととらえていることが誤りである。現在エネルギー価格の高騰や供給チェーンの混乱といった外的要因もあって、インフレ傾向がみられている。これのおかげでデフレ脱却の踊り場にある。今こそ財政政策の思い切った転換が必要。

日銀の金融政策だけでは限界がある。国会の審議による臨機応変な減税や財政出動が求められている。

 

骨太の方針でプライマリーバランス黒字化を掲げ、過度な歳出キャップを設けると、経済の失速を招く可能性があるし、こうしたキャップを掛ける考え方自体が、憲法83条の趣旨に反する可能性もあるのではないか。今一度、財政民主主義の考え方に立ち返り、減税と財政支出について根本的な議論を行うべきであると考えるが、財務省の見解は。

 

(回答)矢倉財務副大臣

政府としても民需主導の持続的な成長は重要と考える。経済あっての財政との方針のもと、潜在成長率の引き上げや社会課題の解決に重点をおいたメリハリのきいた予算編成を行うとともに、賃上げを力強く進めるべく、財政・税制措置を通じて、デフレ脱却に向け、必要な政策を実施してきた。

 

財政健全化至上主義ではなく、出すところにはしっかり出すという方針。他方、我が国の財政は厳しく、我が国の財政の持続可能性に対する信認が失われると金利の急上昇など国民生活に多大な影響を与える可能性は否定できない。

 

今後金利上昇局面になると高い金利で借り換えしなければならない。しかも現在、1100兆円以上の残高があり、借り換える残高も増えていく。今後の金利の上昇によっては影響も大きくなることは事実で、留意するところもある。

 

例えば、令和7年度以降、インプライド・フォワード・レート(市場に織り込まれた金利の将来予想)より1%でも金利が上がれば、令和15年度には利払い費だけで公共事業費や文部科学予算を上回る試算もある。

政府債務が今後も累積していけば政策の選択肢も狭まったり必要な財政支援も滞り、経済に悪影響を与える。財政が将来的に経済の足を引っ張ることがないように、今のうちから政府債務を減らすためにやることがあれば対処が必要。引き続き経済成長と財政健全化の両立を図ることで、責任ある経済財政運営に努める。

 

(要望)

国債の残高は急激に減らないので、持ったまま進むしかない。一気になくそうとすることが間違い。逆に、経済が成長すれば国債の残高自体は相対的に小さくなる。そちらに大きく舵をきるべきではないか。

 

とくに、円安や今後の金利上昇で苦しむ企業が出てくるので、まずはそこにピンポイントで支援することで政策に力を入れていただきたい。

 

3 外資に投資を呼びかける目的

(質問)

2013年からのアベノミクスにより大企業の利益は大幅に上がったが、トリクルダウンの効果は見られず、中小企業の経営はコロナ禍の影響もあり依然厳しい状況が続いている。

昨年5月、岸田首相はロンドンのシティで「インベスト・イン・キシダ」と呼び掛けて、外国資本の日本への投資を促した。

この呼びかけを受けて、今国会では、金商法改正による外国資産運用会社の新規参入の緩和、金融資産運用特区の設置などが進められ、事業性融資の貸主からも外国資本が除外されていない状況。しかし、弱った経済に外国資本を入れれば、株式や企業・技術が買収され、長期的には日本経済全体にダメージを与えるのではないかという懸念を持っている。こういったリスクをとってでも外国資本に日本への投資を呼びかけ、資金調達を容易にしようとするのはなぜか。

 

(答弁)神田内閣府大臣政務官

外国からの新規参入の意味合いは、資産運用の高度化との関係では、国内だけでなく外国の資産運用会社も含めた、新規参入の活性化を通して、事業者間の競争を促す環境整備を図る。また、様々なリスクテイクができる参加者が市場に入ってくることで、成長資金が市場に拡大すると考える。こうした観点も含め、金融資産運用特区、金商法の改正、事業性融資などの政策を推進することで、金融商品や金融サービスの提供がさらに促されるよう、運用力の向上をめざしたい。

 

(要望)

日本は今まで資金調達がしやすかった状態だった。しかしそれでも回らなかったのは、日本人がリスクのある投資をしなかった。だから、リスクを取れる外資をいれようということだが、すでに、NISAが始まってかなり日本人もリスク投資を始めている。大和証券がファンドと組んで海外で投資を行っている話もある。

せっかく国民がNISAに投資をするのであれば、国内に投資できる商品を日本企業に作らせてそれを買えば減税される、税制優遇受けられるなど、将来的に日本人が出すお金が日本の中で回るような仕組みを作らないといけない。

 

そうでなければ、外資に投資されて、日本企業の株を外資がたくさん買った。そこにROE経営、配当を払えとやってきた結果、外国には配当が払われるが、日本人の賃金が上がらない。その仕組みをしっかりしないと、外資を入れるだけではお金が回らなくなる。

 

4 外国人による政治献金禁止の趣旨

(質問)

時間がないので1問飛ばして、最期の質問にする。国会で政治資金規正法の議論が進められているが、なぜ政治家は外国人からの寄付を受け取ることが法律で禁止されているのか、その趣旨を回答されたい。

 

(答弁)総務省自治行政局笠木選挙部長

政治資金規正法第220条の5で、何人も外国人・外国法人等から政治活動に関する寄付を受けてはならない、とされている。これは我が国の政治や選挙が外国人や外国の組織、外国の政府など、外国の勢力によって影響を受けることを未然に防ぐ趣旨である。

 

5 民間投資に外資を受け入れることの違い

(質問)

この趣旨は正しいと思う。我々政治家は外国人や企業からお金を受け取ってはいけないのは、今の目的のため。

こういった制度趣旨に基づけば、民間企業も過度に外国からお金をもらうのはよくないと思う。なぜ政治献金はだめだが民間投資は外資をどんどん受け入れても問題ないという判断になるのかその違いは。

 

(答弁)神田内閣府大臣政務官

外国人の民間投資は、自由で開かれた我が国市場において、国内海外を問わない多様なプレイヤーが参画し、企業に対し円滑に資金を供給する環境をつくることが重要と考えている。海外からも異なるリスク選好をもつ多様なプレイヤーが参加することで、日本の企業にリスク性資金の供給に厚みを加えることが期待される。そのこと自体が我が国の市場に魅力を加えることにもつながる。

 

(要望)

G7では大きな投資会社が先進国のインフラにもどんどん投資していくと発言している。危機感をもってやらないと、何でも競争や自由だとやると、民間も政治の圧力を受けるので、厳しい法的な制限を考えていただきながら運用をお願いしたい。