国防勉強会(第40回、修身教育)まとめ

 

本日は修身教育をテーマに勉強会を行いました。

 

1 修身教育は、明治5年の学制のもと欧米の翻訳教科書を解説するものでしたが、明治12年の教学聖旨を機に、明治13年の改正教育令では忠孝重視の思想に転換し、教科の筆頭に位置付けられました。その後、小学修身訓、幼学綱要、婦女鑑などが出されますが、徳育のあり方をめぐって論争となり、徳育の根本方針を定めることを求める地方官の建議が出されました。こうして明治23年10月、教育勅語が発布され、国民道徳の大本が定まりました。これにより修身教育は教育勅語の趣旨を奉体して行われることとなりました。

 

2 その後検定教科書をめぐる贈収賄事件が起き、明治37年の日露戦争勃発の年に国定教科書に転換しました。修身教科書は第5期まで出版されましたが、祖先を敬い、国や子孫を繫栄させ、忠君愛国の考えを持つ、立派な日本人を育成することを目的としていました。

 

3 修身の教科書には、日本の偉人や庶民のエピソードを中心に、正直さ、勤勉さ、創意工夫、自然の美、祖先への敬い、国を守る覚悟など、人間としての徳目が書かれており、小学校1年生から学ぶことができる内容になっています。

 

4 教育勅語を基にした修身教育は、何が正しいか、何のために生きるかについて、日本人の不動の信念を形成したのではないでしょうか。そして、この精神性は、大東亜戦争のみならず、戦後の日本経済の復活や高度経済成長を支えたのではないかとも考えられます。

 

5 戦後GHQにより修身を廃止され、日本人が共有する徳目が教えられなくなりました。現代は、自信を失い、精神が不安定となり、何らかのよりどころを求めたい人々も少なくないように思います。今こそ、日本人として共通の思想や価値観をあらためて考えなおすことが必要であり、修身教育の歴史もふまえて、よい日本人を育てる教育を行うことが大切だと思いました。