「外国投資家の株式保有割合の増加に関する質問主意書」に対する政府回答

 

令和4年11月4日、参政党の神谷宗幣参議院議員が行なった上記質問主意書に対する政府回答がありました。

ほかにも質問主意書は合計9通提出、それぞれに回答がありますが、まずはこれを検討してみます。

 

 

 

1 外国人投資家の上場株式保有割合: 1990年 約5% → 2020年 約30%

 (1)このままゆけば植民地のような経済になるおそれがある。対日投資を増やした目的は?

   【政府回答】 海外需要を取り込み、経済活力・長期的な成長力を高め、

          イノベーション創出・サプライチェーン強靭化等につながる対日直接投資を促進する

 (2)外国人投資家の保有割合の適正水準の範囲はどう考えているか?

   【政府回答】 適正水準を定めていない

 

2 航空法・電波法・放送法・NTT法でなぜ外国人投資家の保有を制限しているのか

   【政府回答】航空法 領空の主権維持のため

         電波法 無線局の希少な電波を日本国民の利用に優先させるため

         放送法 放送は国の政治、文化、社会等に多大な影響を与えるから

         NTT法 電話の適切・公平・安定的な提供のため、国民生活・社会活動を支える重要な事業者だから

 

3 外国人投資家が重要インフラ・防衛等の企業株式を取得する際の、外為法上の事前届出の件数、外国人投資家・取得された会社名

   【政府回答】令和3年の対日直接投資の事前届出は2859件、うち株式取得は1405件

         外国人投資家・会社の正統な利益を害するおそれがあり、回答を拒絶

 

4 「株主への分配だけでなく、再投資・従業員への還元も必要ではないか」との観点にたった施策

   【政府回答】個々の企業の経営判断に任せる 

         R4.6.7付骨太方針で重点投資分野への投資を官民連携で中期的・計画的に進める

 

5 外国人投資家の投資を規制する法的手段

   【政府回答】外為法に基づく事前届出

         届出に違反した投資家に対する財務大臣(または事業所管大臣)の措置命令

 

6 同様の海外の外国人投資規制の法制度

   【政府回答】未回答

 

 

結論: 外国人投資家の株の買収が進むことで、

   「主権侵害、外国人への劣後、国の政治・文化・社会・適正公平な国民生活が損なわれる」

   などの国防へのリスク、間接侵略のリスクがある。

    そのためこれまで、一定の事業についてのみ、各種法令で個別に規制をしてきたが、

    上場株式全体としての対策や構想は見当たらない、

   という内容が読み取れました。

 

   主権の維持、国の政治・文化や国民生活を守るという観点からは、

  外国人投資家の株式買収に対する、綜合的・包括的な政策・構想が必要ではないか。

  と思いたくなる質問主意書と政府回答でした。


  また質問6は質問の仕方で、海外の法規制の調査状況の回答があるのではないかと思いました。

  早急に他国の状況も調査した上、我国でも経済面での間接侵略に対する総合的な法規制が求められる時代だと感じました。