みなさん、お元気でしょうか?(大変ご無沙汰です)
寒くなってきましたね
先日、ほぼ2年目振りに、スポーツジムへ行ってきました。システムが変わっているかも知れない、知っているスタッフもいないかも、何だか初めて入会するかの様な、緊張感を持っての参加となりました。次女さんも運動不足とのこと、初めて一緒に参加しました。
コロナが出現して2年間に、体重は増え、腹囲は明らかに増強
、見るからに筋肉は落ちて脂肪に置き換わり
、関節はガチガチ
、少し歩いただけで息切れです
。2年の抑圧生活で、成人病が悪化しただろう大人達、肥満度が飛躍的にアップした子供達、自らも他人事ではありませんでした。
まだまだ、「ウィズ・コロナ」で、「ポスト・コロナ」とは行きませが、体と心の健康を取り戻すために、何でもいいから動き出さないといけません。
コロナ禍から2年、社会は混乱からようやく落ち着きを取り戻しつつあります。丸2年間、個人レベルから、社会レベルまで、様々に「空気」が停滞してきました。ちょっとしたお出かけ、買い物、会食、運動、などなど、これまで気晴らしになっていたイベントがことごとく制限となり、大人も子供も、心に余裕がなくなり、意欲などを失いつつありました。
そんな中でも、みんなとっても頑張ってきました。医療者だけでなく、全ての日本人が、子供も大人も、皆が辛抱し、こらえてきましたね。そのお陰もあり、現状はかなりの抑制状態を維持しています(オミクロンはありますが)
緊急事態宣言の解除後、休日の街にも確かに人出が戻ってきました。
社会が少しずつ「動き出した」ことを感じます。
油断すれば…と心配もありますが、とは言え、日本人、多くは真面目に、マスクをはじめとする感染予防のマナーを継続していることが分かります。ことごとく、予想を裏切ってきた専門家と称する一部の意見はさておき、このまま小康状態、オミクロンは普通の風邪レベルに、そしてインフルエンザの流行も少ない冬になるのではと、勝手に想像しています。
コロナ陰謀説や、反ワクチン主義など、根拠のないフェイクニュースを信じる人たちの主張が相変わらずマスコミで取り上げられましたが、そもそもそんなことを声高に主張する人々はごく一部、面白おかしい報道も飽きられ、多くの日本人、みんなマスクが当たり前になって、秩序を守った行動をとっています。さすが日本です。
いずれにせよ、長い期間止まっていた時間、淀んでいたいた空気を変え、少しずつ動かさないといけません。
新しいプロジェクトへ
コロナでの社会の停滞と同様、日々の生活(学校、家庭など)
がディープに停滞してしまう例として、適応障害(不登校など)があります。
我が子の不登校と格闘した我が家の経験は、先のブロクで紹介した通りですが、そんな実体験や、日々の不登校診療の中で感じた思いを少しだけですが形にしてみようと思い、妻やスタッフの賛同者で計画中のプロジェクトがあります。
プロジェクト名は未決定ですが、大まかな目標は、こんな感じ…
「不登校からの脱出、やってみよう手作業を」
「“家で他にすることない〜からの〜スマホ依存症”から脱出しよう」
「趣味が少ない今時の子供たちの趣味を通しての新しい体験を」
「澱んでしまった家庭内の雰囲気を変えて、再び穏やかな空気を」
「自分たち大人も心のバランスを、楽しもう趣味倶楽部」
不登校の生徒の毎日の様子や、心理精神的な状況は、正直体験した子どもやその家族にしか分かりません。「気持ちが弱いのでは」「唯のわがままでしょ」「落ちこぼれに近い」そんな位にしか想像されてないし、正直教職の先生にもそんな考えの方はたくさんいます。だって多くの先生自身が「不登校経験なし」ですから。心無い言葉や態度は、中学校には大勢おられて、行けなくなる中学生にとっては絶望的な環境です。
毎日、毎日、朝起こすだけで親子で大喧嘩、怒鳴り合い、修羅場、母も仕事の時間が迫っています。仕方なしに、「自分で起きよ」、捨て台詞、後ろ髪引かれる気持ちも残しながら、出勤です。その後、自分で起きれるか?そんな訳はありませんよね。仕事途中でライン入れても未読です。午後には起きてきて、夜まで元気。「明日は行くよね、たぶん」。そして翌朝は、「振り出しに戻る」です。それを、毎日、毎週、ずっと、下手したら、学期中ずっと、1年間、時にもうかれこれ3年間行ってません…。
こんな生徒が中学校には、クラス平均2-3人はいる計算です。
下手したら、風邪より多い?そんな状況です。
家庭内は、絶望的な雰囲気、ギクシャク、澱んだ「空気」、そして止まった(精神的)成長と思考、
まるで時が止まったかの様な閉塞感、…。
「行くのか、行かないのか?どうするの?今後は?」こんなやりとりばかりで、毎日が、
そして意識も思考も「止まって」しまいます。
そもそも家を出てそこまでたどりつくのが出来ないのが、「不登校」
自己責任で家にいるしかない、
家ではすることないので、近くにあっていつも一緒にいるのはスマホ、PC、ゲーム機…達、当然依存的になりますね。
スマホで手を動かしている時だけが落ち着いてくる…そんな毎日。
「スマホしか、ほんと、すること他にないですから!」
「無理して起きたり、無理して来なくていいよ」
「何か好きなことでも見つけたら(!)」
「生活リズムだけは保ちましょう(!)」…、
親にしろ、スクールカウンセラー(専門家!)にしろ、大人達は皆、おきまりの理屈ばかり言います。
しんどければ保健室へ行っていいよと言うが…
(保健室は体調不良の生徒が来るところで、不登校の子供がくるところではないです、という養護教諭もいる状況!)
別室登校でもいいよと言うが…
(手の空いている先生がきてくれる?なかなか心は通わせられない?)
学校がダメなら、市の適応指導教室もあるよと言うが…
(出席としてカウントあるけれど、そもそも何をするか決まってないし?)
こんな状況のもとでは、子供達にとって、心に響かない、癒されない、分かってくれているという実感や安心は得られません。
ますます行けていない自分を実感し、コンプレックスばかりが増幅し、どうでもいいや、そんな気持ちになるのも仕方ないですね。
こんなとき、大人って本当に役に立たないですね。新しい提案一つ出来ないものです。新しい事、変化、そんな「動き」が全く無くなってきます。そんな淀んだ空気の中で、柔軟な発想、少しばかりの意欲、頑張ろうという意思、そんなものが生まれる環境ではなくなります。ありとあらゆる余裕がなくなります。酸欠みたいな状況です。
では、この淀んだ「空気」を変えるだけでも出来ないか?
ただこの一点だけを考えた結果、一つの取り組みをしてみようか?
それが、今回のプロジェクトです。
一言で言えば、「手を動かす」 これだけです。
でもその狙いは心の作業療法かな。
この発想は、自分の体験からでもあるんです。
我が愚娘の不登校で空気が止まった6年間に、自ら多くのDIY作品作りに精を出しました。(過去のブログにも書きました)。
一心に作業に打ち込む、手を動かす、この間だけは「少しだけでも」毎日の苦しい思いを、
「少し横にどけて置ける」「悩み考える事から解放される時間」、そんな感じです。
ちなみに、最近の作品はこちらです(確実にスキルアップしてます!)
はじめくん(ダックス)のお家
クッキーちゃん(マルチーズ)のお家
アインスの部屋の可動式の仕切り
大人も子供も、あらゆる方法でバランスを取ろうとして、自分を守ろうとします。身体症状を訴える子供、自暴自棄になって暴れる、イライラする青年、子供叱ったり時に体罰になったりする大人、全てが何とか踏みとどまろうとして、せっせと何かを出しながら、自分の中心部分を支えようとします。
それを自分の中でだけでバランスをとるには限界がありますね。そのバランス行為の中に、この、「作業」を位置付けたい。そんな思いです。
自分で作った数々の作品、後で振り返る事で、少し冷静に、客観的に自分を
見つめることができます。(認知行動療法も同じです)
さらに、そんな作業に、楽しい要素、年代を超えた人との会話雑談、日々の緊張から解放される気持ち、時には同じ用な立場の新たな友達作り、…などなど、色々なものを加えて、「もの作り」、これをして見たいと思います。
既に何度か、下準備として、いろいろな作品、素材材料集め、あーだこーだと、話し合いをしてきました(これ自体で、既にスタッフ自らも楽しめて、心のバランスが取れています!)
そして、いよいよ、新しい年2022年を迎えて、1月から、まずは土曜日に、少人数から、実際にもの作りを始めてみたいと思います。
基本的には、やりたいことは何でも取り入れて行こうと思っています。
とりあえず考えて(一部すでにやってみた)内容はこんなものです…、
ハーバリウム
切り絵
クラフトテープで作品作り
つまみ細工
粘度細工
アロマストーン作りなど、何だか女子向けですが、
他にもやっていきたいこと、できることは…一杯です!
絵画(絵の上手なスタッフいます)
お習字(おばあちゃん世代に教えてもらいます)
美容(一緒にメイク、散髪に行けてない子供には散髪します)
クックキング(元クッキングスクール講師のスタッフいます)
キャンピング(スタッフがはまっています)
DIY (小生もますます技術アップ中、作業ガレージ建設予定)
木彫(是非やってみたいスタッフがいます)
畑作業(ミニ畑を作る案も)
園芸ガーデニング(得意なスタッフいます、保護者の協力も頂こうかな)
職業(社会)体験(保育の児童との触れ合いなども提案できます)
体力作り(エアロバイク、ルームランナー設置済み、ウォーキング、登山など)
動物との触れ合い(スタッフの犬猫多数!協力できます、ミニドッグラン予定)
ミニシアター(プロジェクター設備もあります)
書籍(漫画色々100冊以上あります、偏ってますが)
リラクゼーション(自由にお茶できる休憩室、マッサージ機あります)
学習支援(ちょっと勉強したい子には勉強できるスペースも作っています)
ゆくゆくは、作った作品を展示したり、人にプレゼントしたり、メルカリで販売したり(ミニ社会体験!)、
など、自宅から出て、人と触れ合い、「社会との接触」を体験出来ればなあと思っています。
スタッフの中にそれぞれ様々な経験や特技を持つ者がいます(みんな芸達者です!)
時には周囲のシルバー世代も巻き込んで教えを請うなど、様々な社会資源、人材資源を活用したいと思っています。
保護者も一緒に是非参加して、特技のある親御さんには、指導してもらうのも面白いですね。
(これらは、いろいろなことで苦しい大人自身にとってもいい経験のはずです)
全ての素材、道具や場所、施設などは、こちらで準備します。費用は特に求めずに、
お昼の準備(難しければ近くのコンビニあります)だけお願いする形でと思っています。
それと、始める前に健康チェック(診察の形)をさせてもらいます。
具体的なイメージは、
まずは土曜日(月1回から)(将来的には平日も出来れば)
その日だけは頑張って早起きして、出来れば9時を目指して来てもらう
(もちろん遅れても大丈夫です)
午前中楽しんで、お昼を食べて、14-15時くらいには終わる
残りは持って帰ってもいいですし、道具も貸し出します
そんな感じです。
こんなプロジェクト、興味ある子供達、どのくらいいるかなあ?
興味ある方は声をかけてくださいね。
それにしても、またまた1年間早かったです。
気がつけば、2021年もクリスマス直前、そしてすぐにお正月ですね。
アインスのツリー
不登校といえば、
学校へ行けなくなって止まった6年間から、何とか飛び出した、我が家の22歳の大学1回生は、親の心配をよそに、
北の大地(岩手県)で、元気にたくましく、そして6年間を取り返すように楽しんでいるようです。
岩手山
既に、最高気温0度、最低気温-8度の世界、関西弁を操るたった一人の学生が、雪だ雪だと、
幼い子どもみたいにはしゃいでいる様子を見て、Zoom越しですが親として幸せな気持ちになります
何でもいい、どこでもいい、元気に生きてくれたらそれでいい、本当にそう思います。
やっと「空気」が変わり、動き出したことを実感します。
とにかく、空気を変える、これ、やって見ましょう!できることから!
体調にも気をつけて!
M.A.